
【初心者向け】ECサイトの運営についてイチからわかりやすく解説
ECサイトの運営には多くの業務が発生しますが、社内の限られたリソースのなかで効率よく売上を伸ばすためには、「いかに優先度を立てられるか」が重要な要素となります。
しかし、やるべきことが多く「どのように優先順位をつければよいのか判断できない」と悩む方も少なくありません。
そこで本記事では、ECサイト運営の流れや業務内容、運営費用などの基礎知識を紹介します。
ECサイト運営についての知識を深め、効率よく売上アップを目指しましょう。
ECサイトの運営とは?

ECサイト運営とは、インターネット上で自社の商品・サービスの販売に関する業務全般のことを指します。具体的な業務には、商品企画・仕入れ・在庫管理・顧客管理・配送などがあり、顧客対応やアフターサービスなども含まれます。
また、公式サイトやホームページを使って商品やサービスを販売するため、サイト内のページ作成や更新、広告の出稿、プロモーションなどの業務も欠かせません。多くの企業では、ECサイト立ち上げ時に限られたリソースで対応していくことになります。
そのため、いかに少ないリソースで効率的なマーケティングを実施し、顧客満足度を高められるかがECサイト運営成功のカギとなります。
ECサイト運営の大まかな流れ
ECサイト運営の流れは、大まかに下記の9つの業務にわけられます。
- 商品企画
- 仕入れ・製造
- サイト制作・更新管理
- プロモーション
- 受注処理
- 在庫管理
- 出荷
- 配送
- アフターサービス(問い合わせ管理)
それぞれの業務について、次章で詳しく解説していきます。
ECサイト運営の業務内容一覧

ECサイトの運営業務は、「フロント業務」と「バックエンド業務」の2つにわけられます。
それぞれの業務には専門的な知識が求められることも多く、各部署にわけて複数人のチームを構成するのが一般的です。
ECサイト運営の業務内容について、さらに詳しくみていきましょう。
ECサイト運営業務は大きく2種類
ECサイト運営における「フロント業務」と「バックエンド業務」の具体的な業務内容は、次のとおりです。
フロント業務
フロント業務とは主にマーケティング活動のことで、商品の企画や仕入れ製造、サイトの運営管理などがあります。また、自社商品を広めて集客につなげるためのプロモーションなどもおこないます。
ECサイトの立ち上げ当初は世間への認知度が低く、思うように集客できないことも少なくありません。
そこで広告出稿などのプロモーションを企画・実行し、認知度を高めて訪問者を集めることが重要となります。
バックエンド業務
一方バックエンド業務とは、商品が販売された後の受注処理から在庫管理、出荷からお客様の手元に商品が届いた後のアフターサービス(問い合わせ対応)などの事務作業を中心におこないます。
よほど認知度の高いブランドやサービスでない限り、ECサイト立ち上げ初期の段階では注文数が少ないと予想されるため、バックエンド業務の負担も少ないかもしれません。
しかし、売上規模が大きくなってくると負担が大きくなり、ミスが発生する可能性も高くなりす。
バックエンド業務でのミスはその後の信用問題にもつながりかねないため、フロント業務と同じく重要な業務といえるでしょう。
1.商品企画
フロント業務の中でも1番重要な部分となるのが商品企画です。
ECサイトで利益を伸ばすには「商品が売れることが大前提」となるため、ユーザー需要のリサーチやトレンド・季節を考慮したうえで、売れる商品を企画・検討することが大切です。
また、商品の原価率や利益率の計算などをおこない、半年以上前から具体的なビジネスプランを立て販売計画を作成するというフェーズが必要になります。
ECサイト運営では、ショップのコンセプトを決めておくことも大切な要素となります。
以下の記事でネットショップのコンセプトの決め方・考え方について解説していますので、あわせてご覧ください。
ネットショップのコンセプト決めが成功を左右する!
2.仕入れ・製造
事前に立てた販売計画にもとづき、商品の仕入れや製造をおこないます。
ですがいくら販売予測を立てていたとしても、現在はSNSで話題になり「バズる」ことがあるなど、予測以上に売れてしまって在庫が無くなり、機会損失につながることも。
そんなもしもの場合に備えて、仕入れ先を複数確保しておくことや、クイックな発注ができるかどうかなどを考えておくことも必要になります。
ECサイトで販売する商品の仕入れ方法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。
ネットショップの仕入れノウハウ!商品仕入れを解説【個人・法人向け】
3.サイト制作・更新管理
ECサイトの制作において必要なことは、自社が売りたい商品に合うデザインか、ユーザーが使いやすいデザインかどうかです。
いくらデザインに凝ったサイトを作っていても、ユーザビリティが悪ければユーザーは離脱してしまい購買にはつながりにくくなってしまいます。
ECサイト運営での更新・管理業務は「撮影(商品撮影)」「採寸」「原稿」の頭文字をとった「ささげ業務」から、商品の登録作業など多岐にわたります。
直接手にとってみることのできないオンラインショッピングでは、商品写真や商品説明文が購入されるかどうかの1番の検討材料になります。
単にサイトを更新するのではなく、ユーザーにとって魅力的なECサイト作りを心がけましょう。
ECサイトに掲載する商品の撮影方法や、ささげ業務について以下の2記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
0円でも可!ネットショップでの上手な商品撮影のテクニック3つ
ささげ業務とは?ECサイトの運営で重要な理由と効率化アップのコツ
4.プロモーション
ECサイトにおけるプロモーションとは、WEBマーケティングによる広告運用が主になります。
代表的なプロモーションチャネルは下記の5つ。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- アフィリエイト広告
- コンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
リスティング広告・ディスプレイ広告はユーザーの行動や特性に合わせた広告を表示する方法で、いわゆる「Web広告(インターネット広告)」にあたります。
即効性のある広告にはなりますが、そのぶん費用がかかってしまうため、ECサイト立ち上げ初期では予算を割くことが難しいケースが多いです。
そこでうまく使っていきたいチャネルが、コンテンツマーケティングやSNSマーケティングです。コンテンツマーケティングは予算を割かずにプロモーションをおこなえる手法ですが、基本的に即効性はありません。
しかし、中・長期的な集客戦略として大きな役割を果たすため、できれば取り組むことをおすすめします。
また、拡散力の高さに期待できるSNSも、自社ECサイトへのアクセスを増やすために必須のチャネルといえるでしょう。
ECマーケティングにおける目的別の手法について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
ECマーケティングとは?マーケティングとの違いと特徴について解説
5.受注処理
ECサイトでの受注後、最初に発生するのがバックエンド業務になります。
具体的な業務としては、ご注文状況のお知らせメールの送信、在庫の引き当て作業、出荷指示などがあります。業務内容はシンプルですが、バックエンド業務のメインともいえる重要な部分。
さらに、ここからの業務はお客様とのやり取りが発生するため、ミスには最大限気を付けたいところです。
ECサイトの物流について知識を深めたい方は、以下の記事をご参照ください。
EC物流とは?基本的な流れ5項目と顧客満足度につながるポイント
6.在庫管理
在庫管理は、ECサイトで販売している商品の過不足の管理をおこなう業務になります。
販売予測にもとづいた在庫の投入はもちろん、過剰在庫や品切れが起こらないよう、適切な在庫管理が求められます。
とくに、ECサイトと実店舗の両方を運営している場合や、複数のモールに出店している場合、在庫の管理は簡単ではありません。
過剰在庫の防止・在庫切れでの機会損失の発生を防ぐためにも、一元管理が可能な在庫管理システムの導入なども検討するとよいでしょう。
7.出荷
受注処理の際におこなわれる出荷指示にもとづいて、倉庫から商品を取り出し集めるピッキング作業、その商品を梱包して配送業者に引き渡すまでが、出荷作業の一連の流れとなります。
多くのECサイトがある中、梱包は他社と差がつく1つのポイントとして考えておきたいところです。梱包資材の選定では、安全に配送できる丈夫さはもちろん、手元に届いた際の外装の印象も大事です。
手間はかかりますが同梱物の内容として手書きのメッセージを添えるなど、お客様への心遣いが感じられるサービスをおこなうのも効果的です。
ただし、出荷にかかる手間が増えると多くのリソースが必要になります。コストとのバランスをみながら調節していきましょう。
8.配送
商品を出荷する際、どの配送業者を選ぶかも大事です。
コスト面も大事ですが、扱う商品のサイズに合った配送方法が使える業者を選びましょう。1つの配送業者に絞らず、複数の配送業者を上手に使い分ける方法もあります。
以下の記事でECサイトでの配送業者の選び方やポイントを紹介しています。あわせてご覧ください。
ネットショップで悩みがちな配送方法の種類と特徴【配送・決済・セキュリティを解説】
9.アフターサービス
リピーターの獲得に欠かせない業務がアフターサービスです。クレーム対応や問い合わせ対応、商品到着後にレビュー投稿を促すメールの配信、クーポンの配信など、アフターサービスの内容も多岐に渡ります。
アフターサービスの内容や質を充実させて顧客への信頼度を高め、リピーターの獲得につなげていきましょう。
自社ECサイトのリピーター獲得のコツを以下の記事で解説しています。リピーターを増やしたい方は、ぜひご覧ください。
ネットショップのリピート化を加速させる5つのコツ
ECサイトの構築・運営に費用はいくらかかる?

ECサイトの構築の種類は多く、費用の相場も非常にわかりにくいため、なにを選べばいいのかよくわからないですよね。
構築方法や利用するサービスによって必要なコストは大きく異なるため、比較検討することが大切です。
ここでは、ECサイトの構築・運営に必要な費用を詳しく紹介していきます。
構築費用は種類によって異なるので、自社の規模によって選ぶ
ECサイトの構築方法は大きく5つに分かれますが、ここではECモール以外の構築費用を紹介します。
今回比較するのは「無料カートASP」「有料カートASP」「パッケージ型」「オープンソース型」「フルスクラッチ型」の5つです。
選ぶべき構築方法は年商規模によって大きく変わりますが、構築費用の目安を以下にまとめました。
年商規模 | 構築方法 | 構築費用の相場(目安) |
---|---|---|
~5000万円 | 無料カートASP | 無料~ |
5000万~1億円前後 | 有料カートASP | 10〜100万円 |
1億円~ | パッケージ型 | 500万円~ |
1億円~ | オープンソース型 | 100万円〜500万円 |
30億円~ | フルスクラッチ型 | 数千万円〜 |
上記の費用はあくまでも一例ですが、どの構築方法を選べばよいかわからない方は、年商規模を目安に検討してみてください。
また、有料カートASPでも高機能なものを選べば、年商数十億円以上を売り上げるショップも多くあります。
とくにmakeshopなどに代表される人気の有料カートASPは、低コストでECサイト構築ができつつ、機能面も充実しており、非常に使い勝手のいいサービスです。
なお、独自のデザインやシステムなど自由なカスタマイズをおこないたい場合は、パッケージ型やフルスクラッチ型も検討候補に入れましょう。
さらに詳しいECサイト構築の方法や費用は、以下の記事をご参照ください。
ECサイト構築の完全ガイド|作り方の種類・費用から手順まで解説
ECサイト運営には多くのランニングコストがかかる
ECサイトの構築から運営までには、さまざまな費用が発生します。
基本的な構築システム費や人件費以外にかかるおもな維持費を、以下の表にまとめました。
種別 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
ドメイン費用 | 1,000円〜7,000円程度/年 | ・ドメイン名によって変動 ・カートASPによっては無料ドメインを利用可能 |
サーバー費用 | 数百円〜10,000円/年 | サーバーを構築する場合は10〜60万円程度 |
独自SSLサーバー証明書 | ドメイン型:無料〜 企業認証型:5万円〜8万円程度/年 EV型:20万円程度/年 | 認証方式・契約期間により変動 |
決済手数料 | ・決済代行会社との契約料金 ・売上代金の3~5%程度 | 決済システムや決済手段により変動 |
プロモーション・Web広告費用 | 無料~ | 出稿先や種類・頻度などにより変動 |
物流サービス費用 | 300円~3,000円程度/1回 | 荷物の取扱料や委託の有無により変動 |
また、ECモールへの展開では在庫管理システムの導入、カスタマーサポート・物流関連を外注する場合は代行業者への維持費もかかります。
ECサイトを構築する前にどの程度の維持費が必要かを計算し、予算や社内リソースを考慮したうえで、必要なサービスを選択しましょう。
ECサイト運営で必要なこと

ECサイトを運営するには、構築〜運営にかかる費用、運営に関するスキル、運用するための人員確保など必要なものが多岐に渡ります。
代行業者などを活用することで少人数でのECサイト運営が可能になりますが、外注先が多くなるほど費用負担が増えるのは避けられません。
実際に、月商数千万規模のECサイトでも代行業者を活用して効率化を図り、2〜3人の少人数で運営しているケースもあります。
ECサイト運営にたずさわる社内スタッフの確保や育成にかかる費用と、外注にかかる費用とのバランスをみながら検討していくことが大切です。
ECサイト運営に必要なスキル
ECサイトを運営するうえで必要なスキルは大きく4つに分けることができます。
⦁ WEBマーケティング
⦁ クリエイティブ・ページ制作
⦁ 商品企画・MD(マーチャンダイザー)
⦁ カスタマーサポート
これらのスキルは一つひとつの専門性が高いため、すべての工程を1人でおこなうのは簡単ではありません。
ECサイトの規模感によって必要なスタッフの人数は異なるため、外注化も視野に入れつつ、個人個人が最大限のスキルを発揮できる環境を整えることが大切です。
それぞれのスキルについて、以下で詳しく紹介します。
1.WEBマーケティング
WEBマーケティングでは、SEOや広告運用、SNSなど、主に集客を中心としたスキルが必要になります。
とくにECサイトをはじめて運営する際には、広告運用ができるかどうかで初期の集客に大きく関わります。
どれだけきれいなサイトデザインや、どれだけ魅力的な商品を取り扱っていたとしても、見に来てくれるユーザーを集客できないことには売上は上がりません。
ECサイト運営においてWEBマーケティングスキルは成功を左右するほど、重要な要素となります。
書籍やインターネットの情報を参考にしつつ、自分なりのノウハウを蓄積していきましょう。
ECマーケティングについて以下の記事で詳しく解説していますので、知識を深めたい方は参考にしてください。
ECマーケティングとは?マーケティングとの違いと特徴について解説
2.クリエイティブ・ページ制作
クリエイティブ・ページ制作は、ECサイト内の各ページを作るために欠かせないスキルです。
商品の写真撮影、画像加工やバナー制作、販促ページの作成(HTML・CSSでのコーディング)まで、ECサイトを制作するうえで必要なクリエイティブスキルは多岐に渡ります。
PhotoshopやIllustlator、DreamWeaverのスキルはもちろん、現在ではYoutubeで自社商品やサービスをアピールする企業も増えているので、動画制作のスキルをもつスタッフがいれば集客の選択肢を広げられるでしょう。
ECサイト制作に欠かせない「コーディング」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
コーディングって何?初心者向けのコーディング基礎知識
3.商品企画・MD(マーチャンダイザー)
商品企画は、「売れる商品」を企画するスキルです。トレンドの調査・分析から、ターゲット顧客が求める商品の開発・販売計画、予算の管理まですべてを一括でおこないます。
商品企画〜開発、販売価格の設定まで、企業の利益に直結する部分を担う非常に重要なポジションとなっています。
4.カスタマーサポート
CS(カスタマーサポート)スキルは、顧客へ直接対応する能力です。クレームや問い合わせの対応など、お客様と密に接する機会のある業務になるので、コミュニケーション力や傾聴力が求められます。
また「お客様の気持ち・目線」になれることが大切なので、常に意識しておきましょう。
ECサイト運用にかかる人員
ECサイトを運営する際は、何人のスタッフが必要かを考えておかなければなりません。まずは必要な業務を洗い出し、どのスタッフをどこに配置するのかを決めましょう。
前述のとおり、ECサイトの運営は大まかにフロント業務とバックエンド業務の2つにわけられます。小規模事業であれば担当者の目安は1〜2人ですが、フロント業務とバックエンド業務を細分化するともう少し人数は必要になってくるでしょう。
また各業務をクロスオーバーして人材不足を補うことも必要ですが、商品企画やサイト制作、プロモーションに関しては専門的な知識が必要になる分野になります。
ECサイトの運営で難しいポイントは?
実際にECサイトを運営してみると「想像と違った」という点がでてくるケースも少なくありません。
そこで知っておきたいのが、多くのECサイト運営者がつまずくポイントです。
どのような部分で多くのECサイト運営者がつまづきやすいのかを知り、対策を考えておきましょう。
ポイント1.集客の難しさ
誰もが知っているような有名ブランドや有名サービスでもない限り、ECサイト開設直後から多くの顧客を集客するのは困難です。
とはいえ、当然ながらECサイトを訪問する顧客がいなければ売上も見込めません。
ECサイトでの売上の方程式は「流入顧客数×購入率×客単価」で計算でき、いかに多くの顧客をサイトに呼びこめるかがECサイト成功の重要な要素となります。
ポイント2.季節・トレンドによる売上の不安定さ
季節やトレンドによる売上の不安定さも、ECサイト運営者を悩ませる要素の1つです。
シーズン物を扱う予定の場合は、顧客がどのようなアイテムを欲しがっているのかをリサーチし、その時々で売れやすいものを扱いましょう。
また、季節やトレンドが過ぎたアイテムは価格を下げてセールを実施するなど、「過剰在庫」とならないように気を付ける必要があります。
ポイント3.在庫管理・物流トラブル
ECサイト運営での在庫管理・物流トラブルには、「在庫がないのに販売ページに掲載されていた」「個数が間違って出荷された」「商品が届かない」などがあります。
また、物流倉庫における出荷トラブルが発生すると、配達の遅延や欠品、キャンセルなどの事態をまねきかねません。
在庫管理や物流を外注化する場合、自社のみでは対処できないこともありますが、可能な限りシステム上のトラブルが発生しないよう対策しておくことが大切です。
ポイント4.顧客トラブル
実店舗と同じように、ECサイト運営でも顧客トラブルは発生します。ECサイトではお互いに顔が見えない状態でのやりとりになるため、より注意深く対応しなければなりません。
高品質な顧客対応でよいイメージを与えるためにも、顧客の悩みや不満を丁寧に聞き、適切に対処することを心がけましょう。
ポイント5.サイトの技術的問題
ECサイトは、「一度作ってしまえばよい」というものではありません。サイトの更新やリニューアルなど、ECサイトを継続的に運営するためには、常に手を加えていく必要があります。
また、事業拡大にともなう機能面での不足や万が一のトラブルがあれば、その都度対応していくことになります。
顧客の要望なども取り入れ、より利便性のよいECサイトを目指していきましょう。
法的トラブル
ECサイト運営では、以下のような法的トラブルが考えられます。
⦁ 著作権の侵害
⦁ 無断転載
⦁ 特定商取引法の違反
⦁ 個人情報保護法の違反
オンラインショップには実店舗とは異なる規制も存在するため、必要に応じて法律やガイドラインをチェックしておきましょう。
ECサイトの運営で売上を伸ばす方法

ここからは、ECサイト運営で売上を伸ばす方法を紹介します。
少ないリソースで売上アップを目指せる内容となっているため、今後のECサイト運営に取り入れてみてください。
売上アップに必要な考え方
売上アップにもっとも必要な考え方は、「商品企画(売れる商品作り)」と「集客力」です。
当然ながら、売れる商品がなければ購入される機会は減りますし、顧客がECサイトを訪問しなければ売上につながることはありません。
また、意外と見落としやすいのが「継続できる資金的な体力」です。とくに立ち上げ当初は売上があがらないECサイトも多いため、最低でも1年間は継続できる資金を用意しておきましょう。
どのような施策をとるとしても、基本的に即効性の高いものはあまり多くありません。中長期的な視点で安心して運営できるよう、余裕をもって資金を用意しておくことをおすすめします。
戦略や施策
ECサイト運営では、戦略や施策も売上に直結する要素となります。まずは「誰に」「何を売るか」を考え、ターゲット層を明確にしておきましょう。
ターゲット層が明確になれば、サイトデザインや集客方法(SNSの選定など)を選びやすくなり、ECサイトの方針の具体化につながります。
また、ターゲットを明確にすることで戦略・施策の精度を高めやすくなり、効率よく売上アップを目指せるようになります。
売上向上に貢献するツール・プラットフォーム
近年ではカートASPも多機能になっており、費用面・機能面のバランスがよいシステムを選ぶことで、ほかのツールを導入する費用をおさえることが可能になります。
とくに有料カートASPは、受発注管理・広告配信の連携・決済の多様性・万が一のサポート体制など便利に利用できるようになっています。
もしECサイトの構築方法にお悩みであれば、まずは「カートASP」の中から選定していくのもよいです。最初にどこのカートASPかを決定することで、外部ツールの有無など総合的な費用の見通しも立てやすくなるため、時間をかけてでも丁寧に検討することをおすすめします。
ECサイトの運営に関するQ&A

最後に、ECサイト運営に関するよくある質問を紹介します。
ECサイト運営に役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
ECサイトでの返品や返金の対応はどうすれば良いですか?
返品・返金ポリシーを明確に定めて、顧客に伝えられるようにページを作成する必要があります。返品・返金の理由や方法、対応期限や保証の範囲などの条件を設定し、条件に合わせた対応フローを整えましょう。
条件の設定や対応フローの決定が難しいと感じる場合、同じ商材ジャンルの参考店を複数見ていきながら、自社で対応できる範囲の内容に整理すると考えやすくなります。
ECサイト運営でリピーターを増やすための具体的な施策は?
リピーター獲得には、顧客に「好かれる」「忘れられない」ための施策を意識しましょう。たとえば、メールマガジンへの登録・配信やポイント制度、限定セールやクーポン施策が効果的です。まずは再来訪してもらうためのきっかけ作りを意識しましょう。
また、SNSなどを通じてコミュニケーションを取っていくことも効果的です。お店やブランドの想いやこだわり、裏側、お客さまからの声を発信するなど、積極的な情報発信を意識してみてください。
何度もお店に触れる機会を設けることで、忘れられず、覚えてもらえるようになり、そこからさらに好きになってもらえる流れができれば、自ずとリピーターが増えるようになります。
ECサイト運営に必要なシステムやツールは何を導入すべき?
とくにはじめてのECサイト運営におすすめなのは、人気の高機能カートASPに用意されている機能から試してみることです。運営していく中で足りないと感じるツールから徐々に検討していく流れにすると、失敗も少なく必要最小限のコストで済みます。
最初は色んなツールが目に飛び込み魅力的に感じますが、あれもこれも導入するとコストが跳ね上がり「結局使わないまま契約だけしている…」となるケースも多々見受けられます。
人気の高機能カートASPであれば必要十分な機能があらかじめ完備されているので、その機能をベースに不足分を足していくイメージだと、無駄なく効率的な運用ができます。
ECサイトでの集客方法にはどんなものがある?
ECサイトの集客方法には、「Web広告の出稿」「SNSの活用」「SEO対策」などがあります。それぞれ予算や求められるスキルが異なるため、費用対効果をみながら取り組むのがおすすめです。
ECサイトの運営に向いていない人ってどんな人?
主に数値管理や計画性が苦手な人があげられます。ECサイト運営にはデータ分析や中長期にわたる継続的な改善が必要不可欠です。
とくにECサイト開始から運営体制が整ってくると、仮説検証(PDCA)を続けることが必須になります。限られたリソース状況下での計画性と、データを元にした改善結果の良し悪しの判断が売上向上の左右を分けるといっても過言ではありません。
ECサイト運営の勉強に役立つ本はある?
本にはインターネット上にはない情報が記載されていることも多いため、できれば目を通しておきましょう。 ECサイト運営の勉強におすすめの本は次のとおりです。
⦁ 図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書
⦁ 先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務
⦁ EC担当者 プロになるための教科書
「図解即戦力 EC担当者の実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書」は、自社ECサイトの売上アップに特化した一冊です。
写真やイラストを豊富に使って丁寧に解説されているため、はじめてEC運営に携わる人でも理解しやすい内容となっています。
また、「先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務」は、最低限知っておくべきことや、実際の作業レベルに合わせた解説が中心で、とても参考になる情報が詰まっています。
EC運営を任された方がぜひ読んでおきたい一冊として、「EC担当者 プロになるための教科書」も挙げられます。
レベルの高い内容もありますが、基礎知識から戦略の立て方、大手3大モールでの売上アップに関する事例まで、ECサイト運営について網羅的に学べます。