【2024最新版】個人でネットショップを開業する方法は?基礎知識と必要な手続きについて

近年では、ネットショップでお買い物をすることは主流となってきています。
また、自身でネットショップを開店させようと考えている方も多いのではないでしょうか。
今回は個人でネットショップを開業させる方法をお伝えいたします。
開業までの流れやポイントを見ていきましょう。

個人でネットショップを開業するための基礎知識7つのステップ

個人によるネットショップの開業は、以下の7つのステップに分けられます。

  1. 販売する商品や、お店のコンセプトなど事業計画を立てる
  2. 法的な販売可否の確認
  3. 必要な届出の確認
  4. 商品を仕入れるのか作るのかを決める
  5. 自社なのかモール型に出店するのかを決める
  6. ネットショップのサイト制作を行う
  7. ネットショップの運用を開始する

それぞれ具体的な作業を確認しておきましょう。

販売する商品や、お店のコンセプトなど事業計画を立てる

まずは状況の整理をすることからネットショップの開業は始まります。
とくに「どんな商品を販売するのか」は、最初にイメージを固めておきたい要素です。
販売する商品の種類は豊富にするのか、選びぬいた数種類の商品だけを販売するのか、または在庫をもたず受注生産のオーダーメイド商品を販売するケースもあります。
取り扱う商品のジャンルや点数によって選ぶべきカートシステムが変わることもあるため、「どんな商品を販売するのか」を決めることは今後のステップにも役立ちます。
「どんな商品を販売するのか」と同時に「お店のコンセプト」も初期の段階で方向性が決まっている方がよいでしょう。

「お店のコンセプト」によってモールか自社サイトかといった、出店先の選び方が変わります。
たとえば「国産の原材料だけで作った食品販売」のように、商品にフォーカスが当たっている場合は、比較的モール出店が向いています。
一方で「ショップオーナーがセレクトした雑貨」のような、世界観やブランドを大事にしたコンセプトの場合、デザインの自由度が高い自社サイトを作り込むほうがよいです。

販売する商品やお店のコンセプトを抜きでネットショップの制作を進めた場合、途中でコンセプトの変更をすることは困難になります。
ネットショップをスムーズに開業するために、販売する商品やお店のコンセプトの決定は最初に決めるべきです。

商品を仕入れるのか作るのかを決める

商品を仕入れて販売するセレクトショップのようなサイトを作るのか、オリジナルの商品を作って販売するのかによって、今後の戦略は大きく変わります。
商品を仕入れて販売する場合、その仕入れの経路や在庫の管理方法によって、一元管理で任せられるシステムがあるかもしれません。
たとえばAmazonへ商品を出品したあと、FBAを使いAmazonの倉庫で商品を補完する場合、在庫管理から受注処理、配送までAmazonに任せることもできます。

逆にオリジナルの商品を作成する場合のメリットは、生産者から消費者へダイレクトに商品を届けられることです。
オリジナル商品の場合は中間コストが発生しない分、ユーザーの教育からしていく必要があります。
自社サイトなどでオウンドメディアも活用しながら運用する方がよいでしょう。

販売可否の確認

販売したい商品が決まったら、ネットショップで販売できるかどうか調べておきましょう。
ネットショップで販売を禁止される理由の多くは、以下の2つです。

  1. 法的に販売が制限されている場合
  2. システムの規約により禁止されている場合

「法的に販売が制限されている場合」とは、日本の法律により販売に許可や届け出が必要と定められている商材です。
具体的には、酒類や中古品などがそれにあたります。
システムの規約により禁止されている場合とは、カートシステムやモールごとに定められたルールにより販売できない商材です。
アダルトビデオや偽ブランド品などは、多くのシステムで禁止されています。

必要な届出の確認

これから取り扱う商材によっては、届け出や許可申請が必要なものもあります。 下の表は、届出が必要な商材の一例です。

商品ジャンル必要な許可商品例
お酒・通信販売酒類小売業免許
・酒類小売業免許
・酒類製造免許
クラフトビール
日本酒
スパークリングワイン
など
高度管理医療機器高度管理医療機器販売許可証コンタクトレンズ
など
中古品古物商許可証中古品
トレーディングカード
アンティーク品
など
食品食品衛生責任免許
食品衛生法に基づく営業許可証

ほかにも商材によって、この表にはない許可が必要な場合もあります。
取り扱う商材が決まったら、まずは調べてみることが大事です。

自社なのかモール型に出店するのかを決める

ネットショップを自社サイトで出店するべきか、モールに出店するべきかは、もしかすると一番悩む部分かもしれません。
一度どちらかに出店してしまうとかんたんには引っ越せませんし、どちらにもメリットやデメリットがあるからです。
たとえば自社サイトでは集客に苦労する半面、デザインやディティールにこだわりを詰め込めます。
その結果、あなたの商品やサイトのファンになってくれるお客様は増えやすいのが特徴です。
モール型の場合デザインにこだわることは難しく、モールごとの規約を守らなければいけません。
しかし、モールが開催する大型セールの集客力がすさまじいのも事実。
うまくセールの波にのれれば、そこからリピーターの獲得をしていく戦略に転じます。
自社サイトとモール型はどちらも一長一短だからこそ、よく考えて決定しなければいけません。

ネットショップのサイト制作を行う

出店先が決まったらいよいよネットショップのサイト制作です。
サイトの制作工程は、出店先のシステムによって大きく変わります。
楽天市場の場合は出店までに2度の審査がありますが、自社サイトのカートシステムならテンプレートの入力と商品登録だけで出店できることが多いです。
サイト制作については、出店先が決まったら各システムのやり方に沿ってすすめていきましょう。

ネットショップの運用を開始する

「ネットショップの運用開始は開業後のステップでは?」と、思ったかたもいらっしゃるかもしれません。
確かにネットショップの経験者のほとんどは、開業までと運用とを分けて紹介しています。
その反面、多くのネットショップ個人オーナーが開業したとたんに燃え尽き、サイトを放置してしまう例が多いのも事実です。
ネットショップを開業しただけでは商品は売れません。
運用を軌道にのせるまでが開業のステップだという意識で、燃え尽きを防ぎましょう。
ネットショップの運営には、以下のような作業をすることになります。

  • 受注管理
  • 在庫管理
  • 発送業務
  • SNS集客
  • SEO集客
  • ウェブ広告集客
  • メルマガ発行
  • クーポン発行
  • キャンペーン開催
  • 商品開発

どれも手を抜くことができない作業です。
「運用の開始までが開業だ」という意識をもつことで、ネットショップのスタートダッシュをきりましょう。

個人のネットショップ開業に必要な手続きとは?

個人事業主・開業届の提出

開業届とは、事業の開始を税務署に知らせる届出です。
ネットショップに限らず、事業所得が発生するような事業を開始した事象者は提出する必要があります。
開業届を提出するタイミングは、事業が開始してから1ヶ月以内と定められていますが、提出しなかった場合の罰則が定められているわけではありません。
開業届を出さないままネットショップを運営している個人も多いのが実情ですが、納税や申告に対するお知らせをうけるためにも、届出をしておくべき書類です。

確定申告(青色申告)の届け出

開業届と同時に提出しておきたい書類が、確定申告(青色申告)の届出です。
確定申告は、白色申告、青色申告(10万円控除)、青色申告(55万円控除)、青色申告(65万円控除)の4種類があります。
4種類それぞれ帳簿の付け方や、受けられる控除の内容が異なります。
青色申告(65万円控除)の場合、家族に対しての給与支払いそれを経費にできるなどのメリットがあるため、個人オーナーの多くは青色申告(65万円控除)を採用しているようです。

個人がネットショップ運営で失敗しないための5つのポイント

個人でのネットショップ開業は事業展開を自由にできる一方で、常に失敗の不安が尽きません。
初めての挑戦がうまくいかないのは当然ですが、なるべく失敗はしたくないですよね。
そこで、失敗のリスクを抑える方法を5つご紹介します。
それぞれの項目で工夫できることがないか、見直してみてください。

ポイント1.月々の固定費を抑える

ネットショップを運営するには、それなりのコストが発生します。
月々発生するランニングコストの代表例は以下のとおりです。

  • 倉庫や事務所の賃料
  • カートシステム利用料
  • 広告費
  • デザイン外注費
  • クレジットカード決済手数料
  • 梱包資材料
  • 配送料

ランニングコストを削る際、多くのネットショップは広告費やデザイン外注費からコストカットを試みます。
しかし売上アップのために認知拡大するために、広告費は削るべきではありません。
本当に削るべき対象は倉庫や事務所の賃料や、カートシステム利用料などの固定費です。
その中でもカートシステムの月額利用料は、軌道に乗るまでのネットショップの経費を圧迫しやすいコストのひとつ。
売上があがるか、まずやってみてから判断したいといった場合には、BASEやSTORESなどの無料のネットショップから始めてみるのもひとつです。

無料のネットショップ作成おすすめサービス10選【安くて売れるのはどこ?】

ポイント2.在庫は極力持たないようにする

在庫管理のノウハウは、バックヤード業務と呼ばれるネットショップでも重要な要素です。
商品点数が多くなってくると物理的にスペースを圧迫してしまい、より大きな倉庫に引っ越したり、複数個所に倉庫を分けて管理したりと工程が複雑になっていきます。
また在庫管理が複雑になってくると、在庫があるはずの商品が見つからないというトラブルも発生することもあり、遅延の原因となりクレームの可能性も高まってしまうため注意が必要です。
在庫は極力持たないようにすることで、管理にかかる手間を最小限におさえるのもネットショップ運営を失敗しないコツのひとつです。

ポイント3.集客はまず無料のものから始める

ネットショップへの集客は、SEO、SNS、広告集客の3つの軸から認知を拡大しリピーターを獲得してきます。
3つ集客方法の中でも、即効性が高いのは広告による集客です。
ウェブ広告は数日で運用が開始され、アクセス数の変化はすぐにデータに反映されます。
そのため広告による集客はネットショップにとって避けては通れない集客方法です。
とはいえウェブ広告も効果的な運用方法を理解するまでは、赤字になってしまいます。
はじめのうちはSEOやSNSなどの無料でできる集客から始め、コストを抑えるのが失敗しないポイントです。

ポイント4.濃いファンの獲得に注力する

個人で運営するネットショップの一番の見方は、ショップのファンです。
ファンへ価値を提供し続け、常に期待値を上回り続けることでより強いファンになってもらえます。
濃いファンはショップのリピーターとなり、ネットショップの強みであるストックの力を発揮できるでしょう。
顧客第一の姿勢を貫き、濃いファンを獲得したなら失敗の確率はぐっと減ります。

ポイント5.炎上に気を付ける

集客を焦るあまりの過激な表現にはご注意ください。
SNSの投稿や、広告クリエイティブのキャッチコピーに不適切な表現を使ってしまった場合、意図しない方向で拡散されてしまうことがあります。
ユーザーは一般人の発言より企業やブランドの発言に敏感です。
積み上げた信頼を失わないために、炎上リスクの管理は怠らないようにしましょう。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。
ネットショップの開業は個人でもできます。
商品の魅力や、ブランドの強みを発揮できるように計画をたてて、スムーズに運用を開始しましょう。
開業届や青色申告などの必要書類を提出することも、忘れてはいけません。
失敗のリスクを知り、管理することで売れるネットショップを実現してください。

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