
ECサイトでリピート購入を増やす施策7選
ECサイトのリピート購入を増やす施策を7つ紹介しています。リピート購入を増やして売上を安定させたい方は、ぜひ参考にしてください。
ECサイトの売上を安定させるには、新規顧客の獲得だけでなくリピート購入の促進が欠かせません。しかし、思うようにリピート購入が増えず、「何をすればよいのかわからない」と悩む運営者も多いです。
リピート購入を増やすためにもっとも大切なのは、まず商品そのものの満足度を高めることです。
そのうえで、効果的な施策を組み合わせることによって、継続的な売上につながります。
本記事では、ECサイトのリピート購入を増やす施策を7つ紹介します。リピート購入を増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。
【大前提】商品の満足度を高める

ECサイトにおけるリピート購入の前提となるのが「もう一度買いたい」と思える商品かどうかです。そもそも購入した商品に満足してもらえなければ、再度購入されることはありません。
「商品の満足度を高める」という土台が整っていなければ、どのような戦略を立てて実行しても効果は限定的です。
そこで、以下のポイントを見直してみましょう。
- 商品と価格のバランスは適切か
- 使いやすさはどうか
- 効果はどうか
口コミやレビューに不満がみられた場合は対応策を検討し、改善を重ねることが大切です。リピート購入を増やすためにも、まずは商品力を高めることから取り組みましょう。
リピート購入施策①:購入後のフォロー配信(ステップ配信)

「ただ商品を発送して終わり」では、リピート購入は促せません。そこでまず実施したいのが、購入後のフォロー配信です。
お礼や使い方の案内、レビュー依頼などを適切なタイミングで届けることで、信頼と満足度が深まります。
ここでは、購入後のフォロー配信の目的や方法を詳しく紹介します。
目的
購入後のフォロー配信の大きな目的は、丁寧なコミュニケーションにより顧客との信頼関係を築くことです。顧客との信頼関係は、単に商品を届けるだけでは築けません。
「購入後にお礼を伝える・発送状況を知らせる」などの基本的なやりとりがあってはじめて「このECサイトは安心できる」という印象を与えます。
また、届いた商品をどのように使用するのかや、どうやって手入れするのかなどの情報をあらためて伝えることで、商品の価値とECサイトからの購入体験の満足度を高められます。
方法手順
フォロー配信やステップ配信手段の主流はメールですが、LINE公式アカウントによる問い合わせ対応や情報発信を取り入れるのもよいでしょう。
LINE連携に対応したカートASPもあるため、メール配信とLINE公式アカウントを併用することで、フォローの到達率や反応率をさらに高められます。
以下の表に、基本的な配信スケジュール例をまとめました。
タイミング | 配信内容 |
---|---|
購入直後(即時) | ・お礼メール・発送案内・次回使えるクーポンの案内 |
商品到着後1〜2日後 | ・商品の使い方、活用法、お手入れ方法・注意点などの案内・よくある質問(FAQ)やトラブル対策の紹介 |
到着後3〜7日後 | ・使用感のフォロー・レビュー依頼 |
到着後1〜2週間後 | ・リピート促進メール・おすすめ商品やアップセル商品の案内 |
購入から3〜4週間後 | ・「そろそろ使い切る頃では?」などの自然な再購入リマインド・定期購入やまとめ買いの案内 |
上記はあくまで一例ですが、商品ジャンルや購入サイクルに合わせた内容にすることで、効果的なフォロー配信が可能になります。
ポイント
フォロー配信を毎回手動で配信するのは手間がかかります。そこで、購入後の流れに合わせてあらかじめ設定できる「自動配信」がおすすめです。
カートASPやプラットフォームには自動化ツールが用意されていることもあるため、そちらを活用するとよいでしょう。
たとえば、makeshopには大量配信が可能な「メール配信プラス」というオプションがあります。「メール配信プラス」は、月額1,100円で無制限でのメルマガ配信が可能。
配信リストをグループ分けできるため、リピート客向けなど、セグメントに応じて配信できます。
makeshopのほかにも、Shopifyで利用できる「Shopify Flow」 や、メールマーケティング自動化ツールの「Klaviyo」「Mailchimp」などがあります。
なお、フォロー配信の文面は親しみのある表現を心がけましょう。実際にスタッフが書いたような温かみのある言葉遣いを意識することで、顧客の心に響きやすくなります。
リピート購入施策②:同梱物(リピート限定クーポン or 特典の同封)

購入者の「もう一度買ってみようかな」という気持ちを引き出す施策として、商品に同梱するチラシやカードを活用する手段もあります。
ちょっとした特典でも、再購入につながるきっかけづくりは可能です。以下で、同梱物のやり方やポイントをみていきましょう。
目的
リピート限定クーポンや特典を同封する施策の目的は、商品と一緒に届ける「おまけ」や「お知らせ」を通して、次回購入へのモチベーションを高めることです。
実際に手に届くカードやチラシは、メールやLINEよりも記憶に残りやすく、購入後の行動を促しやすい傾向があります。
やり方
リピート購入を促す同梱物には、以下のようなものがあります。
- サンキューカード
- アピールしたい商品のチラシ
- 次回の買い物で使える「限定クーポンコード」を記載したカード
とくに、購入への感謝を伝える「サンキューカード」には、手書き風のデザインを採用したり、あたたかみのあるメッセージを添えたりすることで、ショップへの好感度も高まりやすくなります。
また、友達紹介キャンペーンなど、周囲に広げてもらう仕組みを組み合わせるのもおすすめです。
ポイント
同梱物によるリピート促進施策で大切なのが、「リピート購入者限定」などの文言を使って特別感を演出することです。クーポンやノベルティなど、どのような特典を用意するとしても、「リピート購入者限定」にすることで、そのショップを利用した価値を感じやすくなります。
さらに、同梱物は目立つデザインにしましょう。いくらよい特典を説明したチラシやクーポンカードでも、到着時に気付かれなければ意味がありません。
梱包した商品をあらためて開封し、どのように見えるかを顧客目線でチェックしておきましょう。
なお、クーポンを配布するのであれば、利用条件の柔軟さや設定機能のあるカートASPを選ぶことも視野に入れておくのがおすすめです。
リピート購入施策③:メルマガ・LINEを積極的に活用する

顧客の日常に入り込めるメルマガやLINE配信は、接触頻度を高められるツールです。
とくに、LINEは全世代で90%を超える利用率、かつリアルタイムで情報を届けられるという強みもあります。
以下で、メルマガやLINEの活用方法やポイントについて、詳しくみていきましょう。
目的
リピート購入につながらない最大の理由は、商品に魅力がないからではなく、顧客に「忘れられている」だけというケースが意外と多くあります。
どれだけよい商品でも、記憶から薄れてしまえば再購入にはつながりません。
そこで取り組みたいのが、メルマガやLINEを活用して継続的に接点を作ることです。顧客との接触頻度を高くすることで接点が増え、リピート率を高めやすくなります。
方法手順
まず、メルマガ配信の環境を整えることから始めましょう。多くのカートASPにはメール配信機能がついていますが、月間の通数に制限があるケースもあるため、makeshopのように無制限で配信できるサービスを利用するのがおすすめです。
次に、LINE公式アカウントを開設しましょう。makeshopやShopify、BASEなどのカートASPには、無料でスタートできるLINE連携オプションやアプリ、機能があります。
LINE登録を促す際は、商品に同梱する案内や購入完了ページで「LINE登録でクーポンプレゼント」などのフレーズを添えておくと効果的です。
登録者には、2回目購入者限定のクーポンやセール情報・セール終了前のリマインド、再入荷情報など、購買意欲を刺激する内容を配信しましょう。
ポイント
メルマガとLINEは、それぞれ異なる特徴をもっているため、両方のメリット・デメリットを把握して活用することが大切です。2つの違いについて、以下の表にまとめました。
項目 | メルマガ | LINE |
---|---|---|
開封率 | 比較的低い | 高い |
情報量 | 多め | 少なめ |
顧客との距離感 | やや遠め | 近い |
運営のおすすめ方針 | 中長期的なファン化やLTV(顧客生涯価値)の向上に◎ | タイムリーな案内や短いリマインド向き |
どちらも顧客との接点が増えるほど、リピートにつながる可能性が高まります。
ただし、文章の作成や管理には手間がかかるため、まずは「月に1〜2回程度」の定期配信に、セールやキャンペーン時の特別配信を交えるくらいからスタートすると無理なく続けられます。
リピート購入施策④:リマインドメールを送る

「購入の意思はあったものの決済まで至らなかった」という顧客をフォローすることで、リピート購入のチャンスにつなげられます。
このようなケースでは、タイミングに合わせたリマインドメールが効果的です。ECサイトにおけるリマインドメールについて、詳しくみていきましょう。
目的
リマインドメールの目的は、買い忘れやカート放棄の顧客に対して、再購入を促すことです。
定期的に購入する化粧品やシャンプー・コンディショナーや消耗品であれば、「商品がなくなりそうなタイミング」を見計らって再購入を促すことで、自然なリピートにつながります。
また、カートを放棄した顧客に対しては、あらためて商品情報を伝えることで購入意欲を高められるでしょう。
ECサイトにおけるカゴ落ち率(カート放棄率)は、平均約63.3%といわれており、多くの顧客が「あと一歩」で離脱しているのが現状です。
この“あと一歩”を後押しするために、リマインドメールで商品の魅力を伝えたり、割引情報や特典をアピールしたりすることが大切です。
方法手順
次に、「買い忘れ防止」と「カート落ち対策」の2つのリマインドメールの手順を紹介します。
買い忘れ防止
買い忘れを防ぐリマインドメールでは、消耗品や日用品、定期的に使う商品を対象に設定します。たとえば、以下のような商品が挙げられます。
- 食品
- コスメ
- サプリメント
- コンタクトレンズ用品
- ペット用品
- その他日用品
次に、配信のタイミングを検討しましょう。商品によって使い切る時期は異なるため、それぞれの使用サイクルに合わせて自動配信のタイミングを設定することがポイントです。
カート落ち対策(カゴ落ち対策)
商品をカートに入れたまま購入せず離脱してしまった顧客に対しては、できるだけ早くフォローのメールを送ることが大切です。
タイミングとしては、1〜3時間後に最初のリマインドメールを配信。検討中の熱が冷めないうちにアプローチすることで、購入につながる可能性が高まります。
その後は、3日〜1週間後のなかで3日以上の間隔をあけて配信しましょう。あまり頻繁に送りすぎると、逆に不快に感じられることもあるため注意が必要です。
配信内容は、1回目はカート内に商品が残っていることを伝え、2回目以降は「お買い忘れはありませんか?」などの変化をつけます。
ポイント
多くの顧客に対しリマインドメールを継続的に送るには、自動化ツールの活用が欠かせません。makeshopでもオプションの「メール配信プラス」を使うことで、メールの予約配信が可能になります。
さらに、本格的にCRM施策を強化したい場合は、メールマーケティングツールの「MakeRepeater」の活用も有効です。
MakeRepeaterでは、顧客の購入履歴や行動に応じて複数の配信シナリオを自動化できるステップメールの配信や、カート落ち対策メール、レコメンドメールなども送信可能。
顧客ごとに最適なタイミングと内容のメールを届けることで、リピート率アップにつながります。
リピート購入施策⑤:ユーザーマイページを強化する(購入履歴から再購入しやすく)

ECサイトのリピート率を高めるには、「購入のたびに商品を探す手間」を削減することも大切です。
そこで、取り組みたいのが、購入履歴を活用した再購入につながる導線です。
ここでは、2回目以降のリピートにつながりやすくなる、ユーザーマイページの強化について紹介します。
目的
リピート購入の意欲がある顧客でも、「どこから買えばよいのかわからない」「また商品を探すのが面倒」と感じさせてしまうと、機会損失につながりやすくなります。
そこで、ユーザーごとの情報を管理したマイページを強化し、すぐに購入できる環境を整えておきましょう。
方法手順
一般的なECサイトのユーザーマイページには、以下のような機能があります。
- 購入履歴の確認
- 再購入や定期購入の手続き
- お気に入りリストの確認・編集
- 配送先住所や支払い方法の登録・変更
- 保有ポイント・クーポンの確認
なかでもリピート購入を後押ししやすいのは、過去に購入した商品へすぐアクセスできる導線です。
まずは、マイページ上で購入履歴が見やすく整理されているかを確認しましょう。商品名・画像・購入日を一覧で表示し、ワンクリックで商品ページへ移動できるようにすると、同じ商品を探す手間が省けます。
さらに、「もう一度購入」ボタンなど、カートにすぐ追加できる機能を用意するのも効果的。とくにリピートされやすい消耗品を扱っている場合、このひと工夫で再購入率が大きく変わることもあります。
ポイント
先ほども触れたとおり、ユーザーが何度も同じ商品を購入する場合、検索の手間をできるだけ省くことが大切です。
商品検索の手間を最小限にすることで、再購入率を自然と高められるでしょう。
ユーザーマイページの強化で参考にしたいのが、Amazonや楽天市場などの大手ECモールでも積極的に強化されている機能です。
というのも、大手ECモールで取り入れられているということは、それだけ効果が高いと考えられるからです。
当然ながら「毎回TOPページに戻る」「ページを行ったり来たりしなければならない」などの使いづらい設計では、離脱率が高まりかねません。
顧客目線での使いやすさを追求することで、ユーザーがストレスなく再購入できるサイト(ページ)設計を心がけましょう。
リピート購入施策⑥:パーソナライズされたおすすめ商品のレコメンド表示

近年、多くの企業が実施しているマーケティングでの「パーソナライズ化」。多様化する消費者行動に対し、顧客の属性や閲覧履歴、購買履歴に応じて最適な商品やサービスを提供することを指します。
ECサイトにおいても、パーソナライズされたおすすめ商品を提示することで、リピート購入につなげやすくなります。以下で詳しくみていきましょう。
目的
レコメンド表示は、「こっちの商品も欲しい」「また買おうかな」という気持ちを後押しするのが目的です。
顧客の過去の行動から分析した「興味関心にあう商品」をさりげなく提示することで、再購入率や客単価、さらにユーザビリティの向上にもつながります。
方法
レコメンド表示は、大きく「閲覧ベース」「購入ベース」「パーソナライズドベース」の3つのロジックにわけられます。
このうち、パーソナライズドレコメンドは「あなたにおすすめの商品はこちら」を表示する機能で、Amazonなどのページ下部でみたことがある方もいるかもしれません。
このパーソナライズドレコメンドは、ユーザーマイページの購入履歴付近や、カートページのほか、メール・LINEでの個別配信にも活用できます。
たとえば、makeshopでは、商品をグループにわけて「この商品に関連する商品」を表示できる機能を標準搭載しています。
さらに、オプションの「イーレコメンド」を活用することで、顧客の過去の閲覧・購入履歴を解析し、自動でおすすめ商品を表示可能。
また、Shopifyにもレコメンド機能を備えたアプリ「レコメンド .amp」が用意されており、パーソナライズされた商品表示を簡単に実装できます。
ポイント
パーソナライズされたレコメンド表示の効果を高めるには、顧客が考えることなく商品詳細ページをクリックしたり、購入したりすることが大切です。
とくに、リピートされやすい商品には「再購入」ボタンを設置することで、検索の負担を減らせます。
また、レコメンド表示はシンプルかつ視認性の高いデザインにするのが基本。要素が多すぎると、かえって効果が薄れるため注意が必要です。
リピート購入施策⑦:レビュー依頼+次回使える特典

実際に商品を手に取ってみることができないECサイトにおいて、「購入者の声」が購入の決め手となることも少なくありません。
そこで取り入れたいのが、購入者へのレビュー依頼や次回以降で使える特典の用意です。
目的
レビュー依頼や特典の用意は、サイトの信頼性を高めながらリピート購入を自然に生み出すのが目的です。
もちろん、レビューを集めること自体がサイト全体の信頼性向上に効果的ですが、それだけではありません。
レビューを書く行為は、ユーザーにとって購入体験や商品を振り返るきっかけにもなるため、次回購入のきっかけづくりとしても有効です。
そのタイミングで特典を用意すれば、リピートにつながる流れを自然に作れます。
方法手順
商品到着から数日〜2週間程度が経過したタイミングで、「ご使用感はいかがでしたか?」といった問いかけと一緒に、「レビュー投稿で次回使えるクーポンをプレゼント」などの特典を案内すると効果的です。
ここでも、顧客の負担や手間を最小限にすることを意識しましょう。「満足度」や「おすすめポイント」など、簡単な設問を用意しておくと答えやすくなります。
また、星5つ評価や5段階評価のように、選択するだけで投稿できる仕組みにすることで、レビューのハードルを下げられます。
ポイント
レビューを書いてもらう際のポイントは、顧客の「面倒くさい」「時間がかかる」といった心理的ハードルをできるだけ下げることです。
そのため、書きやすい選択肢式の質問にしたり、動機づけとなるクーポンやポイントなどの特典を用意したりすることが大切です。
また、レビュー依頼は、購入直後ではなく数日後を目安にフォローアップメールなどで依頼しましょう。というのも、購入直後はまだ商品を使用しておらず、使用感などがわからないためです。
このようなポイントをおさえることで、顧客の負担を減らしながら自然にレビュー投稿を促せます。