ネットショップ売上を伸ばす4つのリピート施策|EC・通販担当者必見
「リピーター対策って何?なぜ必要なの?」
「リピーター対策が必要なことはわかるけど、そもそも何があるのかさえ知らない」
「リスティング広告にお金をかけて新規顧客を増やしても、利益が少ししか残らない」
「新規顧客を獲得することに目が向いていて、リピーター対策ができていない」
このようなお悩みをもつネットショップの担当者は少なくないと思います。
ほとんどのショップは集客を最優先にしているため、既存顧客への「追客(リピート促進)」まで手が回っていないケースをよく見かけます。
残念ながら、追客を実施しなければ、集客によって獲得した新規顧客をリピーターにさせることは難しいでしょう。
これを読めば、既存顧客とのつながりを維持するために、具体的に何をどうしたらいいのかがわかるようになるでしょう。
そして、得た知識を実践することで、顧客がリピーターとして継続的に自社の商品を買ってくれ、売上アップに期待できます。
リピート化が重要な理由
突然ですが、質問です。
なぜ、ネットショップの担当者は「リピーターの囲い込み」に力を入れるべきなのでしょうか?
その答えは、下記のように大きくふたつ上げることができます。
リピート対策が重要な理由1「コストが低く、利益が上がる」
重要な理由のひとつめとして、人的なコストや広告にかけるコストが低いことがあげられます。
具体的には、リピート対策は広告など金銭的なコストをかけずに済むため、新規顧客を獲得するコストの3分の1から5分の1に抑えることができます。
つまり、顧客を獲得するための費用を抑えることができるため、仮に新規顧客の売上とリピーターの売上が同じでも、必然的に利益が大きくなります。
リピート対策が重要な理由2「売上が上がる」
重要な理由のふたつめは、新規に比べリピーターのほうが比較的容易に売上をあげられることです。
リピーター(既存顧客)は、いちど商品を購入しているため、使用した状況や感覚があります。
そのため、商品を買った際に感想をもらっておけば、顧客が響くポイントもある程度つかめるでしょう。
それを引き合いに出して訴求することで、新規顧客にアプローチするよりも高い確率で売上を上げることに期待できます。
また、追客をすることで思い出してもらい、商品を買ってもらいやすくなります。
最近のネットユーザー(ネットショップのお客様も含む)は、誤解を恐れずに言うと、忘れっぽい傾向があります。
「忘れっぽい」理由として、ユーザーはひとつのサイト上の情報だけでなく、興味のある情報へと次々に移っていき、たくさんのサイトを訪れる可能性が高いからです。
また、類似した商品を扱うネットショップは多数存在しているので、購入を決めるにあたり、各ショップを価格や口コミ、レビューなどで比較検討します。
ユーザーは、このような行動をとる傾向が高いため、お気に入り登録やブックマークでもしない限り、どのショップで購入したかを忘れやすいのです。
多くの競合ショップがある中で、利用する理由がない、または何も連絡がなければ忘れてしまい、いちど購入したお客様は別のショップで購入することでしょう。
既存顧客を追客することで、コストも抑えつつ、結果的にネットショップの売上をあげ続けることにつながります。
リピート化によって得られる効果
追客によるリピーターの獲得は、ネットショップの売上を持続的に上げるサイクルをつくることができます。
ネットショップの運営において、この売上向上のサイクルは必要不可欠になると言っても良いでしょう。
なぜなら、新規顧客を獲得する難易度やコストは、日を増すごとに高くなる傾向があるからです。
特に、新規参入企業が増えるリスクもありますが、それ以上に広告についての情報がどんどん開示されてきているので、以前のように情報によって差がつきにくくなっているリスクがあります。
広告の情報を知ることで、どんどん競合企業が新規顧客獲得の対策をしていけば、より一層競争が激しくなり、利益を削る消耗戦になりかねません。
だから、早いうちにコストが多少増えても耐えられる体力、すなわちリピーターでしっかり利益をあげて、あらゆるリスクに対応できるようにしていく必要があるのです。
先にあげたように、新規顧客を増やすための集客施策(リスティング広告やアフィリエイト広告、雑誌やカタログ掲載、SEOなど)は費用が高くなる傾向があります。
しかし、既存顧客に「もういちど」買ってもらう追客施策は、主にメルマガやブログ、SNSなどを利用するため、費用を安く抑えることができます。
つまり、追客は低コストでリピーターを獲得することができるので、ショップ全体の収益性があがります。
ショップの収益性があがれば、集客への積極的な投資が可能になり、下図の「追客した場合のいいサイクル」のように継続かつ安定した売上サイクルを作ることができるのです。
追客した場合のいいサイクル
- 集客で新規顧客を増やす
- 追客で新規顧客をリピートさせる
- リピーターが増える
- 売上・収益が上がる
- 集客できる費用が増える(以下繰り返し)
追客しなかった場合の悪いサイクル
- 集客で新規顧客を増やす
- 追客をしない
- 新規顧客が離れる
- 売上・収益が下がる
- 集客できる費用が減る(以下繰り返し)
そもそもショップに人が来ないことには商品は売れないので、集客に力を入れているのは当然のことです。
しかし、上記の理由から、新規顧客の獲得はしつつも、追客で新規顧客をリピーターにする必要があります。
自社の顧客と良好な関係性を築くことができれば、継続して買ってくれるだけでなく、口コミで広がっていき、新しいお客様を呼び込んでくれるなどにも期待できます。
リピート施策の種類と基礎知識
「リピーターが大切なのはわかったけど、具体的なリピート施策がわからない・・・」
そんなショップ様のために、リピート施策の種類と基礎知識をご紹介します。
これを読めば、各施策のメリットとデメリットを理解することができるので、是非おさえてください。
メルマガ
メルマガのメリット
メルマガは、チラシやダイレクトメールと異なり、デザインや印刷などをおこなう必要がないので、コストを安く抑えることができます。
また、難しいパソコンの知識やスキルは必要なく、希望するタイミングで配信できるので、顧客に対して商品やショップの訴求がしやすくなります。
メルマガのデメリット
メルマガ配信の頻度が毎日など多すぎると、よほど興味がある内容でない限り、ショップに対する印象が悪化し、ユーザーから配信停止や迷惑メール扱いされることがあります。
また、メルマガは一度に多くの顧客に情報を伝えられますが、書き方によっては全く読んでもらえず捨てられてしまうので、タイトルや内容に工夫が必要です。
具体的なタイトルの書き方、内容については、別ページにある効果の上がるメールのコツにて詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
チラシ・ダイレクトメール
チラシ・ダイレクトメールのメリット
インターネットが普及している今でも、チラシやダイレクトメールはターゲットの年齢層が高いほど有効です。
特に、チラシは商品に同封すると、目を通してもらえる機会が増えますので、チラシ内に電話注文やFAX注文の案内があると、年齢層が高いお客様には購入しやすい環境を提供することができます。
詳細なポイントは、ダイレクトメールのサンプルとコツにて解説していますので、あわせてご覧ください。
チラシ・ダイレクトメールのデメリット
メルマガと比べ、デザイン費用や印刷代、商品に同封しない場合は郵送費もかかるので、コストが高くなります。
そのため、費用対効果を考えると、ユーザーの性別や年齢などターゲットを絞りこむ必要があるので、送付先リストの作成に時間がかかる傾向があります。
ポイント・クーポン
ポイント・クーポンのメリット
来店した顧客に次回以降利用できるポイントやクーポンを発行することで、リピーターになってくれる可能性があがります。
さらに、ポイントやクーポンの有効期限を設定することで、顧客の購入を促し、購入確率を高められます。
ポイント・クーポンのデメリット
むやみにポイントやクーポンを発行すると、通常の価格よりも安く販売することになりますので、売上はあがりますが、利益がさがります。
また、ポイントやクーポン発行をやり続けると、やめた時点で、顧客が離れてしてしまうリスクが考えられますので、頻繁に発行するのは控えたほうが良いでしょう。
ブログ・SNS
ブログ・SNSのメリット
ブログやSNSは誰でも無料で始めることができ、ショップのコンセプトを広めることができます。
また、コメントに返信することで読者とのコミュニケーションがとれるので、顧客との信頼関係の構築に最適です。
ブログ・SNSのデメリット
あくまでブログやSNSはコミュニケーションツールなので、売り込みを全面に出し過ぎると顧客の反応が薄くなる傾向があります。
また、一番の難点は継続して更新作業を行うことなので、更新頻度を2~3日に1回にするなどして、ショップ運営の負担にならないようにするといいでしょう。
効果が上がる具体的な方法は、ブログの始め方とコツ、リピート化ツールとして必須!SNSのコツにて詳しく解説していますので、ご覧ください。
リピート化施策の基本の流れ
ネットショップにおいて、ユーザーを”リピーターに育てる”という考えは必要です。
不特定多数のユーザーをリピーターに育てるために、集客から追客までのプロセスを継続的におこなう必要があります。
そのポイントは「入口商品」で集客を実施し、集まったユーザーを追客することでまずは購入数を増やし、リピーターも増やすことです。
「入口商品」とは、購入のハードルを低く設定した”お試し商品”のことです。
扱っている商材にもよりますが、例えば、”単価を低めに設定した送料無料の商品”や”何種類かの商品が少しずつ入ったお試しセット”などが入口商品に該当します。
前述のとおり、ネットショップのユーザーは購入するまでに多くのサイトを価格、レビュー、口コミなどで比較検討する傾向があります。
いきなり「本商品」を販売しようとすると、ユーザーは吟味して比べるため、機会損失が起こりえます。
そのため、ユーザーの心理的な壁を下げ、気軽に試して(買って)もらえるように「入口商品」を紹介し、まずは機会の最大化を狙いましょう。
当然ですが、どんなにいい商品であっても、ユーザーにいちども買ってもらえないことにはリピーターになってもらうことはできません。
そこで購入しやすい入口商品を用意して、まずは多くのユーザーを集める必要があるのです。
入口商品によって新規顧客を集めることに成功したら、次はその顧客に対して追客を行い、本商品を購入させましょう。
本商品は入口商品に比べると、購入のハードルが上がります。
そこで、上記のリピート施策の種類と基礎知識でご紹介した、メルマガ配信、チラシ・ダイレクトメールの送付、ポイントやクーポンの発行、ブログやSNSのコミュニケーションを通じて、新規顧客をリピーターに育てていきましょう。
最低限おさえておくべきリピート化の施策
ネットショップにおけるリピート施策はいくつかありますが、難しく考える必要は全くありません。
あなたのショップで商品を購入してくれたユーザーの満足度を高めるだけで良いのです。
ここでは、ユーザーをリピートにさせるために、最低限おさえておくべきふたつの施策をご紹介します。
サンクスメールの送信
ネットショップでは、お店とお客様との”会話”は主にメールが中心になります。
それだけに、メールの内容次第でお客様に安心感をあたえ、満足度を高めることができます。
顔が見えないネットショップだからこそ、お客様は「自分は大切に扱われているのだろうか?」という気持ちが強くはたらきます。
この気持ちをくんで、メールにひと手間かけることが、リピーター促進につながります。
一般的なショップは注文から発送までに、3種類だけのメールを送る傾向があります。
- 注文確認メール
- 入金確認メール
- 発送完了メール
しかし、リピーターが多いショップは4種類のメールを送る傾向があるのです。
- 注文確認メール
- 入金確認メール
- 発送完了メール
- サンクスメール
発送完了メールの後で、サンクスメールを送ることで、お客様は「最後まで大切に扱われている」と感じます。
商品が到着する頃にメールを送ると効果的です。まめに配送追跡をすると良いでしょう。
なお、必要なメールを確実にお客様へ届け、人的ミスがおこらないようにしたいという方は、だれでも簡単にシナリオメールが自動で送れる、MakeRepeaterという便利なツールもあります。
気になる方は、MakeRepeaterのサービス紹介ページをご覧ください。
手書きの手紙を同封
ネットショップの仕事はやることが多くて、日々時間に追われるもの。
頭でわかっていても、受注するたびに手書きの手紙を書くのは当然労力がかかってしまいます。
しかし、ネットショップはメールのやり取りが中心になるからこそ、手書きの手紙は効力を持ちます。
実際、手書きの手紙を送ることでリピーターが増えるだけではなく、お客様のほうからお礼の手紙が送られてくるということもあるようです。
性別や年齢、購入回数などによって文面を変える必要はありますが、難しく考える必要はありません。
お店を利用したお礼や季節の挨拶などのシンプルな一言でも良いと思います。
少なくとも、面倒なことをお客様のために行っているショップはファンが多くなるはずです。
まとめ
本記事では、ネットショップ運営における、リピート化促進の基礎知識を紹介しました。
その中でもポイントをかいつまんで、あらためてリピート対策の流れを紹介します。
【1】商材にもよりますが、単品通販などで特に広告を使う場合は、入口商品(単価を低く設定した商品や無料商品)を設定することで新規顧客及びリピーターが獲得しやすくなる。
【2】獲得した顧客に対しては、最低限サンクスメールや手書きの手紙を送る。
【3】文中でご紹介したメルマガなどのリピート施策のメリットやデメリットを考慮に入れて追客をおこなう。
継続して安定したネットショップの運営をするためにも、新規顧客を追客し、リピーターにすることで、将来的にショップの売上と収益を上げることにつながります。
是非実践してみてください。