定期購入ネットショップとは?成功事例や人気のカートシステムを解説!
「定期購入」という購入形態は、今や珍しいものではなくなってきました。化粧品やサプリ、日用品などの商品を中心に多くの商材で定期購入形式での販売が行われています。今回は、これから定期購入を導入したいと考えている方に向けて、定期購入が出来るサービスの紹介をしていきます。
定期購入とは
定期購入とは、ある商品を継続的に購入し続けることです。たとえば、健康食品や化粧品などの消耗品でよくみられます。
定期購入はどの商品でもできるわけではありません。家具や家電をはじめ、長期間の買い替えが必要ないものに関しては、定期購入での販売は不向きでしょう。
一方、日々使うようなものであれば、ある程度消費するのも速いうえ、次の購入のタイミングなどもわかりやすいため向いているといえます。
定期購入カートと総合カートの違い
定期購入カートとは、定期購入に特化したカートシステムです。一方、総合カートは一般的なネットショップを想定して開発されたシステムであり、商品を販売する際に必要なページ作成から顧客管理などの機能が揃っています。
定期購入カートと総合カートの違いとしては、少ない商品に絞って特化型のページ作成ができる点、定期購入に最適化された仕組みづくりができる点などです。そのため、定期購入のビジネスモデルでネットショップを立ち上げるのであれば、定期購入カートを選択する必要があります。
定期購入ネットショップのビジネスモデル
定期購入ネットショップにもいくつかのビジネスモデルがあります。
以下では、それぞれのビジネスモデルの特徴について解説します。
定期通販
定期通販とは、ある商品を一定の間隔で購入してもらい、商品を発送するビジネスモデルです。日々使うもので消費の速い商品などが定期通販に向いています。
たとえば、食品や化粧品などのカテゴリはある程度消耗も早く、なくなるタイミングを把握しやすいため、定期的な購入が適しています。
単品リピート通販
単品リピート通販とは、一つの商品のみを販売するビジネスモデルです。定期通販と同様、食品や化粧品などと相性がよく、商品数が限られることから特定のニーズを満たす商品を展開するケースがほとんどです。
また、単品リピート通販においては、ほかのネットショップでは購入できない商品を販売します。マネタイズの柱が少ない分、競合他社に流れないよう、販路を限定してしっかり囲い込みをすることが重要です。
頒布会
頒布会とは、毎月異なる商品が届くビジネスモデルです。定期通販や単品リピート通販ではつねに同じ商品を販売するのに対し、頒布会では商品の内容が異なります。
特定のカテゴリやブランドのなかでさまざまな商品を楽しめる点が、ユーザーにとってのメリットとなっており、気に入っている商品をくりかえし購入するニーズには応えられません。
定期購入カートを選ぶ際のポイント
近年、定期購入が一般に浸透するにつれて、定期購入カートを提供するベンダーも増えています。そのため、どのシステムを選ぶべきかがわからない方も多いのではないでしょうか。
以下では、定期購入カートを選ぶ際のポイントについて紹介します。
必要な機能がそろっているか
まず、どのような機能がそれぞれのカートシステムに備えられているのかを見る前に、自社における必須機能を明確にしましょう。
どのカートシステムであっても、基本的な機能はそれほど変わりません。そのため、システムごとの機能を比較するよりも、あらかじめ要件を決めておき、要件を満たすシステムを選ぶ方がスムーズです。
また、要件を明確化する際にはどのようなネットショップにしたいかを決めておくのがおすすめです。完成後の姿をイメージすることによって、必要な機能も明確になるでしょう。
決済手段が充実しているか
定期購入カートを選ぶ際には、決済手段が充実しているかどうかをチェックすべきです。ネットショッピングにおいては、クレジットカード決済・コンビニ決済・銀行振込と、さまざまな決済手段が考えられます。
たとえばクレジットカード決済のみを導入していると、クレジットカード以外の決済方法を希望するユーザーが離脱してしまう可能性が高くなります。一方、決済手段が充実していれば決済手段による離脱がなくなるため、機会損失の防止にもつながるでしょう。
セキュリティ対策がされているか
定期購入カートを選ぶ際のポイントとして、セキュリティ対策も意識しておく必要があります。
ネットショップの運営をする際には、クレジットカード情報や住所をはじめ、顧客の情報を預かることになります。万が一顧客情報が流出してしまうと、大きな損害が発生してしまううえ、運営企業に対する信頼度も損なう結果になります。
セキュリティ対策としては、データの暗号化や2段階認証の導入などを検討しましょう。また、自社だけで対策するには限界もあるため、外部機関の審査を受けるのも方法の一つです。
サポート体制は十分か
カートシステムの導入後は、基本的に自社で運用をしていく必要があります。しかし、悩みや問題が発生した際に相談できる窓口があるかどうかはチェックしておくべきです。
とくに安価なシステムの場合、サポートに力を入れておらず、レスポンスが遅かったり、解決できなかったりするケースもあります。たとえ社内にシステムに詳しい担当者がいたとしても、あらゆる問題を解決できるわけではないため、サポート体制が充実しているシステムを選ぶことが大切です。
定期購入ネットショップにおすすめのカートシステム
続いて、定期購入のビジネスモデルをとるネットショップにおすすめのカートシステムについて紹介します。
makeshop
makeshopの最大の特徴はテンプレートが豊富なうえ、カスタマイズ性が高く、独自性のあるネットショップをつくれる点です。HTML/CSSの知識がある方はもちろん、知識がない方でも自由にカスタマイズできる仕様になっています。
価格面においてもパッケージなどで構築するより安く済むにも関わらず、機能としても申し分ありません。
ecforce
ecforceは、2017年にサービスが始まった新しいカートシステムです。ecforceの特徴は有名企業の導入実績が多く、サポート内容も充実している点です。
とくにメーカーが直接顧客に商品を販売するD2Cモデルであれば、D2Cに必要な機能を備えたecforceがおすすめです。料金は高めの設定になっていますが、D2Cで成功してきたノウハウをもとにサービスを提供しています。
リピスト
リピストは、新規立ち上げ店舗においても、平均年商約1億円の実績を残しています。対象のビジネスモデルとしては、定期通販や単品通販をはじめ、D2C通販のサポートも行っています。
また、リピストはシステム固定費が安めに設定になっており、もっとも安いライトプランでは月額14,800円から導入可能です。そのため、スタートアップなどのコストを抑えたい層の方であっても利用しやすくなっています。
たまごリピート
たまごリピートは、定期購入と頒布会専門の通販システムのサポートを行なっています。
基本的な機能はもちろん、バックヤードの管理機能なども基本プランに盛り込まれているため、さまざまな管理業務を自動化できます。そのため、たまごリピートを導入すると、作業のコストカットにもつながります。
また、自動クレジット決済が備えられているため、販売力の向上にも役立つシステムです。
サブスクストア
サブスクストアはたまごリピートと同じテモナ株式会社が提供しています。 たまごリピートと異なる点はサブスク、D2Cなどを中心に必要な機能を備えており、定期購入システムを一元管理できるシステムになっています。
また「サブスクコンビネーター」というサブスクをサポートするサービスも行なっています。
こちらに関しては主にインフラの提供や事業の運営支援、M&Aのマッチングなど、事業を拡大した企業にとっておすすめのサポートサービスとなっています。
楽楽リピート
楽楽リピートは、リピート通販やD2Cに特化したカートシステムです。楽楽リピートでは、サイトの構築からネットショップの運営のほか、売上施策に至るまでの作業を依頼できます。
また、決済方法が豊富な点も特徴となっており、クレジットカード払いをはじめ、楽天ペイやAmazonPayなどの方法でも決済が可能です。
リピートPLUS
リピートPLUSは、定期通販・D2C・サブスクのすべてに対応した定期通販専門のカートシステムです。通常業務に関する効率化はもちろん、売上を向上させる際に必要な機能も揃っています。
また、950以上の機能を実装しているうえ、企業の要望に応じてつねに対応できるよう、機能のアップデートを続けています。そのため、利便性の高い機能を利用できる点がメリットといえるでしょう。
Shopify
Shopifyは、世界で100万以上、日本でも1万以上の開設店舗数を誇っており、世界的にみても人気のカートシステムです。ただし、定期購入専用のサービスをするのであれば、専用のアプリ料金が別途でかかる点、決済手段を別で設定する点に注意が必要です。
また、Shopifyの導入ショップでは、平均的な月次売上成長率が150%近くなっています。大手企業においても導入しているところが多く、信頼性も高いのが特徴です。
カラーミーリピート
カラーミーリピートは、初期費用無料に加えて、月額費用が10,780円から利用でき、他社と比較しても費用の安さはトップクラスです。また、商品を販売するまでの期間においても、商品を登録してから販売開始までの時間は最短で10分程度となっています。
決済方法については、クレジットカードでの決済が可能であり、決済代行者とは個別契約と手続きがないため、すぐに利用を開始できます。スピーディーに導入しやすい環境が整っているといえるでしょう。
定期購入ネットショップの成功事例
次に、定期購入ネットショップで成功した企業の事例について紹介します。
【化粧品】資生堂
資生堂は、下地やベースメイクなどの商品を販売している企業です。資生堂では「ワタシプラスby SHISEIDO」というサービスを運営しており、美容に関する情報や美容体験コンテンツを提供しています。
実際に顧客の悩みに寄り添ったり、商品の使用感を体験できたりと、商品の購入につながるだけでなく、ネットショップのファンを増やすことに成功しています。
【食品】サントリーウエルネス
サントリーウエルネスは、化粧品や健康食品を販売している企業です。商品力の高さに定評があり、顧客満足度を高めることによってリピーターを獲得しています。
とくに定期購入においては、リピーターの存在は必要不可欠です。商品に対して満足してもらえないと、定期購入の解約や評判の低下につながるため、つねに顧客の声やニーズをもとにサービスを改善していくことがポイントです。
【化粧品】FANCL
FANCLは、健康食品や化粧品、雑貨などを展開する企業です。ネットショップの運営は1997年から行っており、コロナ禍における実店舗休業中もネットショップを中心に売上をあげています。
2020年度の売上高は600億円以上となっており、定期購入通販に成功しているモデルといえるでしょう。
定期購入ネットショップに関するFAQ
最後に、定期購入ネットショップに関する疑問について解説します。
定期購入カートでBASEは使える?
BASEは定期購入カートとしても使えます。ただし、指定できる販売間隔が決まっており、「Pay IDアプリ」から定期認証品の注文はできない点には注意すべきです。
定期購入を軸に運営を考えているのであれば、ほかのカートシステムも検討してみるのがおすすめです。
カラーミーショップで定期購入は使える?
カラーミーショップも定期購入に対応しています。ただし、通常の商品と定期購入の商品は同時に販売したり、購入したりすることができません。
加えて決済方法も限られているため、定期購入を軸に運営を考えているのであれば、ほかのカートシステムもあわせて検討してみましょう。
カラーミーショップとカラーミーリピートの違いは?
カラーミーショップは総合通販カートとなっており、カラーミーリピートは定期販売ページを作成するサービスです。
決済方法や機能などの面で違いがあるため、導入前にはチェックしておきましょう。
まとめ
最後に、定期購入ネットショップに関する疑問について解説します。
定期購入カートを選ぶ際には、事前に自社がどのような運営をしたいのか明確にしておくことが重要です。要件をまとめたうえで適切なカートシステムを選ぶことによって、スムーズに運営を開始できるようになるでしょう。
また、カートシステムにはそれぞれ独自の特徴があります。そのため、候補となるシステムを洗い出したうえで、費用や機能を比較検討したうえで選ぶのがおすすめです。