【2021版】Instagramショッピング機能とは?導入方法からメリット・デメリット、広告出稿まで
Instagramには「ShopNow」というショッピング機能があります。投稿画像のタグからワンタップでECサイトに遷移することができる機能で、ECサイトで商品を取り扱っている企業にとって重要度の高い機能となっています。
今回は、「ShopNow」の導入方法やメリット・デメリット、広告の出稿方法まで詳しく解説します。
Instagramのショッピング機能(Shop Now)とは?
Instagramのショッピング機能とは、投稿内にタグづけする形で商品名と商品価格を表示できる機能です。さらに、ワンタップで商品詳細ページへ遷移できるのも特徴です。
Instagramの投稿は、キャプション(投稿内本文)に外部サイトのURLを記載してもリンクが有効化されない仕様となっており、ECサイトなどに誘導するにはプロフィールにURLを記載するしかありませんでした。しかし、ショッピング機能の登場によって、投稿内で商品を紹介してダイレクトに誘導でき、プロモーションに利用しやすくなっています。
Instagramのショッピング機能の設定方法
Instagramのショッピング機能は、かんたんな手順のみで設定可能です。導入にあたって費用などもかからないうえ、SNSマーケティングにおいて大きな効果を発揮するため、集客や販促にInstagramアカウントを活用する場合には必須で設定すべきです。
以下では、Instagramのショッピング機能の設定方法について解説します。
ショッピング機能の利用条件を確認する
Instagramのショッピング機能は、誰でも利用できるわけではありません。要件を満たすユーザーのみが利用できる機能となっています。利用条件は、以下のとおりです。
- Facebookの提供者契約とコマースポリシーに準拠している
- 主に有形商品を販売している
- Instagramビジネスプロフィールまたはクリエイタープロフィールをもっている
- Facebookページがリンクされている
- ビジネスプロフィールがFacebookカタログにリンクしている
なお、ショッピング機能の利用条件は、Instagramヘルプセンターにも記載してあります。
Facebookページを作成する
Instagramのショッピング機能を利用するには、Facebookページをもっている必要があります。Facebookページは、Facebook上に作成できるサイトです。PCユーザーはMeta for Businessのウェブサイト、スマートフォンユーザーはFacebookアプリから作成できます。
また、Instagramでビジネスアカウントを運用したり、Instagram広告を利用したりする際にも、Facebookページが必須です。
Instagramアカウントをビジネスアカウントに切り替える
Facebookページの作成後、Instagramのアカウントをビジネスアカウントに切り替えます。Instagramのビジネスアカウントは無料で利用でき、インサイトデータを得られるようになります。ビジネスアカウントが得られるデータは、主に以下の4つです。
- 投稿ごとのエンゲージメント(リーチ数、インプレッション数、コメント数、保存数)
- フォロワー数
- 年齢層
- 男女比率
また、ビジネスアカウントでは、Instagram広告の作成や問い合わせ先の掲載もできるようになります。
InstagramアカウントとFacebookページを紐づける
InstagramとFacebookページを紐づけるには、Facebookページの設定画面から「Instagram」の項目を開いて、Instagramアカウントにログインします。複数のアカウントを管理している場合、紐づけるFacebookページ、Instagramアカウントを間違えないよう注意しましょう。
Facebookページへ商品登録をおこなう
ショッピング機能で表示させたい商品は、Facebookページに登録しておく必要があります。商品の登録方法は、手動、またはデータフィードの2種類です。手動の場合、各商品につき、商品画像や名前、ディスクリプションなどを入力します。データフィードの場合、商品情報を記載したCSVファイルをアップロードすると、一括で登録が完了します。
Instagramショッピング機能の申請をおこなう
Facebookページの設定が終わったら、Instagramアプリでショッピング機能の申請をします。「設定」から「ビジネス」、「Instagramショッピングを設定する」と進んで、連携したいFacebookページを選択します。最後に、ショップURLを設定して終了です。審査の申請から審査結果の連絡までは1週間ほどかかります。
Instagramショッピング投稿のメリット
Instagramショッピング投稿は、無料で利用できるうえ、集客効果も見込めます。SNSマーケティングが注目される中、新たに導入する企業が増えているのは、さまざまなメリットが得られるためです。
以下では、ショッピング投稿のメリットについて解説します。
ECサイトへの集客効果が期待できる
Instagramショッピングを利用すると、投稿内からECサイトへダイレクトに遷移できるリンクを設置できます。Instagramを活用したマーケティングは以前からありましたが、投稿を見たユーザーがブラウザで検索しなければいけなかったため、集客効果はあまり望めませんでした。
しかし、Instagramショッピングの登場によってスムーズな導線を敷けるようになりました。事業者とユーザーの双方にとってメリットとなるでしょう。
無料で利用できる
Instagramのショッピング投稿は無料で利用できます。利用にあたって、Facebookページとの連携や商品登録などの作業は必要となりますが、コストをかけずに集客チャネルを増やせる点は非常に魅力的です。集客施策に予算をかけられない事業者でも導入できるほか、試験的な導入もしやすいでしょう。
広告出稿ができる
Instagramのショッピング投稿は、そのままフィード広告に転用できます。フィード広告とは、通常の投稿と並んでタイムラインに挿入される広告枠です。広告と明示されているものの、デザインは投稿と変わらないため、違和感なく受け入れられやすい点が特徴です。
ショッピング投稿をフィード広告として出稿すると、広告の配信面からダイレクトに商品詳細ページへ誘導できます。自社のアカウントをフォローしていないユーザーに対しても表示できるため、集客効果をさらに高められるでしょう。
Instagramショッピング投稿のデメリット
Instagramのショッピング投稿は、SNSマーケティングにおいて有効な手法です。しかし、デメリットもあるため、運用の際には注意すべきです。
以下では、ショッピング投稿のデメリットについて解説します。
設定に手間がかかる
Instagramショッピングの設定はそれほど難しくありませんが、SNSの操作に慣れていないと時間がかかります。一つずつ調べながら進めていくのは、なかなかたいへんに感じるかたもいるでしょう。
また、設定するだけでは意味がありません。投稿は基本的にフォロワーにしかリーチできないため、より多くのフォロワーを獲得するために、Instagramを運用する手間もかかります。
PR色が強いとユーザーに嫌がられる可能性も
Instagramのショッピング投稿は、商品のプロモーションに役立ちます。しかし、ユーザー心理として広告やPRが嫌われやすいことを意識すべきです。ビジネスアカウントとはいえ、過度なPRは避けるよう、気をつけるのがポイントです。
たとえば「1投稿あたりのタグ付けは1商品のみ」や「同じ商品のタグ付けは避ける」など、一定のルールを設けて運用していくとよいでしょう。
Instagramショッピング機能のインサイト
Instagramショッピング機能を利用すると、インサイトデータを取得できるようになります。インサイトデータは、マーケティングに取り組むうえで重要なデータです。ショッピング投稿を利用するかたは、インサイト機能についてもおさえておきましょう。
以下では、Instagramショッピング機能のインサイトについて解説します。
インサイト機能でわかること
ショッピング機能を利用する場合、通常の投稿の「インサイト」ではなく「宣伝のインサイト」を閲覧できます。インサイト機能で取得できるデータは、以下のとおりです。
- インプレッション
- リーチ
- いいね
- コメント
- 保存済み
- 製品ビュー
- 購入リンクのクリック
- 投稿の合計エンゲージメント
- 投稿の平均エンゲージメント
インサイト機能を活用してユーザー分析をおこなう
インサイト機能を利用すると、投稿ごとのユーザーのリアクションを定量的に把握できます。複数の投稿を比較して、どんな訴求がユーザーのアクションを促すのかをチェックするA/Bテストを実施できるほか、性別や年代などのユーザー属性をターゲティングに活かすことも可能です。インサイト機能は、ユーザー分析におおいに役立つでしょう。
Instagramショッピング投稿を広告配信する方法
Instagramのショッピング投稿は、そのまま広告に転用できます。広告用に素材を作成する必要がなく、広告配信ではフォロワー以外にもリーチできるため、集客力を高めるうえで有効な方法です。
以下では、広告配信する方法について解説します。
ショッピング投稿を広告に利用する要件
ショッピング投稿を広告に利用するには、3つの要件があります。
- 利用できるのはタイムラインに表示されるフィード広告のみ
- 広告フォーマットは1枚の静止画のみ(動画やカルーセルは不可)
- キャンペーンの目的は「ブランド認知度アップ」「リーチ」「投稿のエンゲージメント」「トラフィック」「コンバージョン」から選択
ショッピング投稿を広告利用する設定方法
ショッピング投稿を広告に利用するには、Facebookの広告マネージャ上で設定します。広告の作成手順は、通常の広告を作成する場合と同様ですが、以下の点に気を付けましょう。
- キャンペーンの目的は、要件に指定された5つのうちから選択する
- 広告配置は「Instagramフィード」を選択する
- 「既存の広告を使用」を選択する
ショッピング投稿を広告活用する方法
ショッピング投稿は、1つの投稿に複数の商品タグをつけられます。通常の広告は、1つの広告につき1つのリンク先しか指定できず、複数の商品を訴求するには複数の広告が必要です。そのため、コーディネートや組み合わせができる商品は、ショッピング投稿の広告配信に向いています。ユーザーは画像を見ることで、複数の商品を組み合わせて利用するシーンをイメージできるでしょう。
Instagram広告と比べて広告効果は高い?
ショッピング投稿を広告に利用する場合、すでに投稿した画像を広告として配信します。既存の広告素材を使うメリットは、事前に効果測定ができる点です。オーガニックのタイムラインでインサイトを分析した結果、もっとも反応のよい素材を広告として配信できるため、通常の広告配信に比べて、高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。
Instagramショッピング機能が使えなくなった場合の対処法は?
Instagramショッピング機能が突然利用できなくなった場合、以下の3つをチェックしましょう。
- リンク先のECサイトのURLが独自ドメインではない
- リンク先のECサイト内で商品ページが非表示になっている
- 商品のタグ付けができていない
Instagramのショッピング機能は、遷移先が独自ドメインでないと不具合が発生する可能性があるため、取得しておくべきです。とくに、ECモールやカートASPなどは独自ドメインでないケースが多く、注意が必要です。また、ECサイト側でページを非表示にしていることが原因で、ショッピング機能を利用できないケースもあります。ECサイトの設定を変更する際には、連携しているサービスに支障が出ない範囲にとどめなければいけません。たとえば、Instagramショッピング機能のうち、非表示になっている商品がいくつかあると機能全体を制限されてしまう場合もあります。
楽天市場でInstagramショッピング機能は使える?
Instagramのショッピング機能は、楽天市場で販売している商品にも利用可能です。通常の商品タグ付けと同様の手順で設定が完了します。
カートASP「BASE」でInstagramショッピング機能は使える?
Instagramのショッピング機能は、BASE出販売している商品にも利用可能です。BASEの場合、BASE上で提供されているアプリをインストールすれば、商品情報を毎日自動で同期できます。BASE Apps上で「Instagram販売」をインストールして、InstagramのビジネスアカウントやFacebookページの設定をすれば完了です。
まとめ
Instagramのショッピング機能は、Instagram上でビジネスアカウントを運営する事業者にとっては必須の機能です。無料で利用できるうえ、ユーザーを自然にECサイトや商品ページへ遷移させることができます。
また、1つの投稿や広告で複数の商品を訴求できる点もショッピング機能の特長です。インサイトを分析しつつ、リアクションのよい投稿を広告に転用できれば、効率よく販促につなげられるでしょう。