ShopifyPlusとは?料金プランと機能、メリット・デメリットまで徹底解説!

Shopifyには「ShopifyPlus」というプランがあることをご存じでしょうか?従来のShopifyでは対応できなかった、大規模なECサイトを構築することができるエンタープライズ向けのプランです。今回は、「ShopifyPlus」のメリット・デメリットや料金体系について解説をします。

Shopify Plusとは?

Shopify Plusとは、大規模なECサイトを作成するためにチューニングされたShopifyの上位サービスです。中小規模のECサイト構築に最適化されたShopifyとは異なり、Shopify Plusには専用の機能が追加されています。
以下では、Shopify Plusの概要について解説します。

Shopifyのエンタープライズプラン

Shopify Plusは、Shopifyのエンタープライズ向けプランです。従来のShopifyは、ベーシックプラン、スタンダードプラン、プレミアムプランの3プランで構成されています。しかし、最上位のプレミアムプランであっても、取引量の多いECサイトの構築には不十分な面がありました。
一方、Shopify Plusは、大企業や卸売ECのニーズにも対応しており、いわばプレミアムプランよりも上位のプランとなっています。

あらゆる管理を自動化できる

Shopify Plusでは、在庫や顧客、キャンペーン、受注など、あらゆる管理を自動化できます。管理の自動化に役立つのがShopify Flowです。
Shopify Flowでさまざまな業務に関するワークフローを設定しておくだけで、通知や処理を自動化できます。たとえば、受注時に顧客特性や金額、販売チャネルにもとづくタグを追加したり、リスクの高い注文を受けたときに通知やキャンセルをしたりと、店舗の運営をサポートします。

Shopify Plusのメリット

Shopify Plusには、コスト、操作性、機能の面で多くのメリットがあります。とくに従来のShopifyでは対応できなかった大規模なECサイトや、卸売ECサイトなども構築できる点は、Shopify Plusならではのメリットです。
以下では、Shopify Plusのメリットについて解説します。

コストを抑えてECサイトを構築できる

1つめのメリットは、コストを抑えられえる点です。
Shopify Plusは、月額2,000ドルから利用できます。月額399ドルのプレミアムプランと比べると非常に高額にも思えますが、Shopify Plusは大規模なECサイトを構築するためのサービスです。
ECパッケージ業者に外注して大規模ECサイトを構築する場合、安くても数百万円のコストがかかります。一方、Shopify Plusであれば月額2,000ドルのコストで運営できます。Shopifyよりも圧倒的に機能が充実しており、パッケージで構築したECサイトと比較しても機能面で大きく劣ることはないでしょう。
ECサイトの規模、機能、クオリティを考慮すると月額2,000ドルの費用はそれほど高くはないはずです。

シンプルな操作性で使いやすい

2つめのメリットは、シンプルな操作性です。
Shopify Plusでは、100種類以上のテンプレートから好みのデザインを選択して、ECサイトを構築できます。コーポレートサイトやオウンドメディアなどのWebサイトと比べて、ECサイトではショッピングカートや受注、配送、在庫など、求められる機能が多くなります。そのため、構築や管理に関する操作も煩雑になりやすいです。
しかし、Shopify Plusは、直感的な操作でデザインの調整や機能のカスタマイズができます。ユーザーにとって簡便な操作は、従来のShopifyも得意としていた部分であり、Shopifyの強みを引き継いでいます。

アプリが充実していて自由度が高い

3つめのメリットは、アプリの種類が充実している点です。
Shopify Plusでは、アプリをインストールして便利な機能を追加できます。アプリを利用して追加できる機能の例は、キャンペーンや送料設定の自動化、既存システムからのデータ移行、BtoBストアの開設などです。Shopify Plus専用のアプリもリリースされており、従来のShopifyではカバーできなかった部分を解消できるでしょう。
また、Shopifyでは別途課金が必要なアプリも多くありますが、Shopify Plusではサービス利用料の中にアプリの利用料も含まれています。アプリのインストールに際して費用面の懸念が生じない点もShopify Plusの利点です。

越境ECにも対応できる

4つめのメリットは、越境ECに対応できる点です。
越境ECに対応する場合、言語、通貨、配送など、さまざまな課題があります。しかし、Shopify Plusはもともと越境ECを得意とするShopifyの派生サービスであるため、越境ECの構築に最適化されています。BASEやSTORESをはじめ、ECサイト構築サービスにはさまざまなものがありますが、Shopify Plusは越境ECにもっとも強いサービスといっても過言ではありません。

Shopify Plusのデメリット

Shopify Plusは、大規模な越境ECサイトの構築や機能面では強みをもっていますが、万人向けでない面もあります。たとえば、英語が苦手な人、細部までデザインしたいがWeb制作の知識がない人などにはおすすめできません。
とくにShopify Plusは、従来のShopifyに比べてコストが高いため、利用を検討する際はデメリットをしっかり理解したうえで決めましょう。
以下では、Shopify Plusのデメリットについて解説します。

英語が理解できないと使いづらい

1つめのデメリットは、サービスを利用するために英語力が求められる点です。
Shopify Plusは、Shopifyと同じくカナダ発のサービスです。そのため、オリジナル版は英語で作成されています。日本語に対応しているため、基本的な機能は日本語で利用できますが、テンプレートやアプリなどの一部は英語のみのサポートです。
なお、Shopify Plusのサポートサイトも英語版となっています。Google翻訳をはじめとするWeb翻訳サービスを利用する手もありますが、完璧に和訳できるわけではないため、細部の意味やニュアンスはみずから調べる必要があるでしょう。

デザインにはHTMLやCSSに関する知識が必要

2つめのデメリットは、デザインをするうえでWeb制作に関する知識が必要となる点です。
おおまかなデザインは直感的な操作で完結しますが、細部のカスタマイズにはHTMLやCSS、Shopify専用のプログラミング言語であるLiquidの知識が求められます。
しかし、ブランドのコンセプトを反映したり、ユーザー体験を意識したUIを実現したりするには、細かい調整が必要となるケースもあります。とくに大企業の運営するECサイトであればなおさらです。
サイトの配色、ボタンやアイコンの挙動など、細部までこだわったデザインにする場合は、社内でリソースを確保するか、外注する必要があるでしょう。

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サポートが弱い面もある

3つめのデメリットは、サポート面の弱さです。
Shopifyを利用しているユーザーは、電話、チャット、メールの3つの手段で、サポートへの問い合わせができます。しかし、電話とチャットは英語のみの対応です。そのため、日本語で問い合わせる場合、リアルタイムでの相談はできません。
Shopify Plusではコンサルタントによる優先サポートが料金に含まれているため、Shopifyに比べるとよりスピーディーなサポートを受けられるでしょう。ただ、日本語での電話相談やビデオ通話でサポートを受けられるサービスもあるため、それらと比べるとサポートが弱い面は否めません。
もしサポート面に不安を感じるなら、他のカートASPを検討してみるとよいでしょう。

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Shopify Plusのプランと料金

Shopify Plusは、従来のShopifyとは料金体系が大きく異なります。
まず、従来のShopifyにおける料金プランは、月額33ドルのベーシックプラン、月額92ドルのスタンダードプラン、月額399ドルのプレミアムプランの3種類です。いずれのプランも初期費用は無料、1か月から契約が可能です。別途、クレジットカードの決済手数料と、Shopifyペイメント以外の場合は取引手数料がかかります。

一方、Shopify Plusは月額2,000ドルと、プレミアムプランよりも大幅に高額な設定となっており、最低契約期間は12か月です。実質、年額24,000ドルの契約となるでしょう。また、月商が80万ドルを超える場合は従量課金制になり、売上の0.25%が月額料金となります。
Shopifyのプランと同様、クレジットカードの決済手数料と、Shopifyペイメント以外の場合は取引手数料もかかりますが、負担は低く設定されています。

Shopify Plusのプランと料金

従来のShopifyが中小規模のECサイト向けに開発されていたのに対し、Shopify Plusは、大規模なECサイトやより本格的な越境ECサイト向けにチューニングされています。そのため、Shopify Plusのみで利用できる機能も数多くあります。
以下では、Shopify Plusのみで利用できる機能について解説します。

チェックアウトページのカスタマイズ

チェックアウトページとは、カート画面から注文完了ページまでの導線となるページを指します。チェックアウトページは、ユーザーが購入に至る最終段階であるため、いかにして離脱を防ぐかは非常に重要です。
ほかのページとトンマナを合わせてユーザー体験を改善したり、住所や連絡先などの会員情報を呼び出したりと、さまざまなカスタマイズが可能です。
とくに注文完了ページに関して、ユーザーは購入完了直後が次のアクションを一番起こしやすい傾向があります。そのため会員登録の訴求や再度ページの回遊を促したり、他にも各種計測タグを設置し、従来のShopifyで対応できなかった広告も配信したりとメリットが大きいでしょう。

スクリプトエディタ

Shopify Plusでは、スクリプトによってパーソナライズされた割引やプロモーションを実施できます。具体的には、特定の条件を満たすユーザーに対して、割引やプロモーションを自動で適用する機能です。
利用できるスクリプトは、項目スクリプト、決済スクリプト、配送スクリプトの3種類です。たとえば、項目スクリプトでは1Buy1Freeや2点以上の購入で10%オフなどの割引、決済スクリプトではデフォルト決済サービスの変更、配送スクリプトでは送料の自動設定ができます。

コンサルタントによる優先サポート

Shopify Plusでは、専任コンサルタントがつきます。ECサイト構築時にはローンチエンジニア、構築後はアカウントマネージャーがサポートします。前者はECサイトの構築や機能に関する相談、後者はローンチ後の事業展開や販売戦略についての提案が主な役割です。
いずれもShopifyの運用やECサイトの運営に豊富な経験をもつスペシャリストのため、大きな助けとなるでしょう。

Shopify Plus専用API

Shopify Plusでは、従来のShopifyで利用可能なAPIのほかに、専用のAPIを利用できます。専用APIには、ユーザーが閲覧している商品と関連する商品を表示させるProduct Recommendations、Shopifyストアと、その他のストアでログイン情報に互換性をもたせるMultipass/single sign-on and userなどがあります。いずれもユーザー体験の向上を図れるため、売上の向上につながる可能性が高いでしょう。
また、既存のAPIについても制限が解除され、容量と速度が約5倍になります。APIの制限解除により提供できるサービスの幅が広がる点は、Shopify Plusならではの利点です。

Shopify Flow

Shopify Flowは、業務の自動化をサポートするツールです。Shopify Flowでは、ユーザー属性によるタグづけ、特定の条件を満たしたユーザーへのクーポンメール配信などの業務を自動化できます。
通常であれば複雑なプログラムを組む必要がありますが、Shopify Flowではテンプレートの選択や組み合わせのみで、あらゆる業務の自動化を実現可能です。また、Shopify Flowで自動化できる業務は100種類以上にのぼります。

9つのストアを追加可能

Shopify Plusでは、メインとなるECサイトのほかに9つのストアを追加できるため、合計10のECサイトをShopify Plusの仕様で運営できます。Shopify PlusではtoB向けの卸売ECにも対応できるため、国内toB向けのECサイト、国内toC向けのECサイト、海外toC向けの越境ECサイトなど、さまざまなストアの一元管理に向いています。
ただし、1つのShopify Plusアカウントで管理できるストアは、同一ブランドに限られる点には注意が必要です。

卸売ストアの開設

Shopify Plusでは、エンドユーザー向けのECサイトだけではなく、事業者向けに卸売販売をするためのECサイトを開設できます。数量や価格に応じた割引や請求書の発行など、卸売ECにおいて便利な機能も豊富です。
なお、卸売ストアでは独自のパスワードを設定することで、指定の業者のみに販売を許可したり、特別単価で販売したりもできます。パスワード保護により卸売価格の流出を防げるため、オンラインでの卸売が容易になります。

複数通貨への対応

Shopify Plusでは、越境ECにおけるハードルの1つである通貨の違いを解消するための機能が実装されています。グローバルIPアドレスからユーザーの座標、国や地域を特定して、通貨および価格を自動で表示します。
また、価格の設定ロジックも自由に変更可能です。四捨五入や端数の設定などを適用しておけば、異なる通貨間での販売で問題が生じることもありません。

登録ロケーション数20か所追加

Shopifyでは、商品を管理する倉庫や実店舗をロケーション登録できます。在庫数や配送元を一元管理するうえでロケーション登録は必須ですが、Shopifyではロケーションを登録する店舗を追加するごとに月額89ドルのコストがかかっていました。一方、Shopify PlusではECサイトと連携するロケーションを20か所まで無料で登録できます。
さらに、Shopify Plusでは、オンラインとオフラインの販売状況をシームレスに管理できるShopify POS Proも無料で利用可能です。とくに大規模なECサイトを運営する場合、拠点が複数にまたがるケースも多いため、ロケーション登録機能やPOS機能は重宝するでしょう。

既存ストアのデータインポート

Shopify Plus専用アプリのTransporterを利用して、既存ストアから顧客、商品、受注に関するデータをインポートできます。プラットフォームのスイッチにより販売や在庫に関する情報が引き継げないと、顧客とのトラブルにつながるリスクもあります。しかし、Shopify Plusであれば既存ストアからデータをインポートして移行後も確認できるため、スムーズにスイッチできるでしょう。
また、Importerにはトラブルシューティング機能もついているため、データのインポート中にエラーが発生した場合も安心です。

Googleタグマネージャー

Googleタグマネージャーは、Googleアナリティクスやサーチコンソールなどの計測タグを一元管理できるツールです。Googleタグマネージャーを利用すると、個々のページでタグを書き加えたり、変更したりせずとも、一括でタグの追加や編集、削除ができます。
Shopify Plusは、Googleタグマネージャーに対応しているため、Googleアナリティクスやサーチコンソールを利用してアクセス解析をするユーザーにも適しています。

まとめ

Shopifyの最上位プランであるShopify Plusは、従来のプランでは対応できなかった大規模ECサイトを構築できます。専用のアプリやAPIにより自由度の幅が広がっているうえ、チェックアウトページのカスタマイズ、複数ストアの一元管理など、プラットフォーム自体にもさまざまな機能も追加されています。いずれも規模の大きなECサイトや本格的な越境ECサイトを運営するうえでは、重要な役割をもつ機能です。

一部のサポートが英語のみである点や月額料金が高額である点などのデメリットはあるものの、使いこなせればコストパフォーマンスに優れたサービスといえるでしょう。

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