ネットショップコンサルティングの相場と失敗しない選び方を詳しく解説
コロナ禍を経てネットショップを新規出店した企業は多いですが、「売上が伸びない」「戦略が立てられない」とお悩みの方も多いですよね。ネットショップ運営に行き詰まったときに頼りになるのが「ネットショップコンサルタント」です。成功事例から自社にとって最適な施策をアドバイスしてくれる強い味方ですが、丸投げしては成功しません。コンサル会社によって得意・不得意な分野があるので、しっかり見極めることも大切です。今回はEC店長歴12年の筆者が、ネットショップコンサルティングを選ぶときのコツをご紹介します。
ネットショップコンサルティングとは?
コンサルティング(consulting)は、簡単に言うと「相談サービス」のことです。自社の課題や悩みを洗い出し、解決するためのアドバイスがもらえます。ネットショップコンサルティングは、EC運営の最終ゴール「売上」を達成するために、現状の課題を洗い出し、ゴール達成のアドバイスをもらえます。
ネットショップコンサルティングの担当者を「ネットショップコンサルタント」や「ECコンサルタント」と呼びますが、店長クラスのEC経験者が多く在籍しています。ネットショップならではの運営に関する悩みを、現場目線で理解してもらえます。
ネットショップコンサルティングで依頼できること
ECコンサルでは、主に次の業務を依頼できます。
- ネットショップの構築・改善の支援
- EC事業を成功させる戦略の立案
- 集客対策(SEO、SNS、メルマガなど)
- 優良顧客化・リピート率改善サポート
ひとつずつ見ていきましょう。
ネットショップの構築・改善の支援
「ネットショップの出店方法がわからない」、「システムを替えたいけど…どれを選べば良いかわからない」とお悩みであれば、コンサルに相談してみましょう。ネットショップはカートASPをはじめ、パッケージやクラウドなどさまざまな構築方法があります。取り扱う商材やターゲットユーザによって、最適な構築方法は異なります。自社にとって最適な構築方法を客観的な視点で提案してもらえます。
EC事業を成功させる戦略の立案
かの有名な孫子兵法に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という名言があります。彼(ライバル企業やマーケット)を知り、己(自社)を知れば、絶対に負けないという格言。まさにECコンサルの提言は「勝つための戦術」です。
EC市場は年々拡大しておりますが、比例して新規参入するライバル企業も増えており、「たまたま」や「まぐれ」で成功することはありません。コンサルにおける第三者の目線は、自分では思いつかなかった強みや弱みを知る機会になります。
集客対策(SEO、SNS、メルマガなど)
ネットショップの成功は「集客」にあると言っても過言ではないでしょう。無数にあるネットショップの中から選んでもらうために、次の集客対策は欠かせません。
- SEO(自然語検索)
- SNS(Facebook、Twitterなど)
- リスティング広告
- アフィリエイト広告
優良顧客化・リピート率改善サポート
ネットショップの経営を安定化させるためには、リピーター顧客の囲い込みが大切です。リピーターになってもらうためには、主に次の施策を行います。
- メルマガ(ステップメール、バースデーメールなど)
- 会員登録してもらう
- SNSアカウントにフォローしてもらう
「良い商品を販売すれば成功する」と考える事業者の方は多いですが、似たような商材が多い市場においては、優位性を保てず顧客を奪われてしまいます。「○○を購入するならこのお店」と認知してもらうために必要な施策を、自社の状況に沿ったアドバイスがもらえます。
ネットショップコンサルティングを依頼するメリット
自社にノウハウがあれば別ですが、コンサル依頼することで次のメリットがあります。
- 最短で売上アップを目指せる
- 人件費を最適化できる
- 外部専門家のノウハウを吸収できる
ひとつずつ見ていきましょう。
最短で売上アップを目指せる
ネットショップの売上が思うように伸びない理由は「集客力」や「商品の魅力」などさまざまですが、原因を見つけるまで大きな労力を要します。そしていざ改善策を実行するにも、EC運営の定型業務に追われてしまい、時間が割けないことも常々あります。最短でゴールを達成させるには、的確な改善施策を素早く実行し、成果を見ながら改良することです。そのためにはマンパワーは必要ですし、「的確な施策」を打ち出すノウハウは欠かせません。改善を怠ると売上を逃すことになります。機会損失を防ぐためにも早めの行動が大切です。
人件費を最適化できる
コンサル依頼の他に、専門家を社員として雇用する方法もあります。その場合の相場は、店長クラスで年収500万円が目安。ただし店長クラスであっても全方位の業務に長けているわけではありません。ECプラットフォームが変われば再学習の時間も必要です。EC業界はトレンドの変化とシステムの陳腐化が早いので、知見をアップデートするだけでも時間と労力がかかります。経営に柔軟性を求めるなら、適材適所でコンサル契約した方が良い選択となるでしょう。
外部専門家のノウハウを吸収できる
コンサルティングで提言された改善施策は、基本的にコンサルタントとともに二人三脚で進行します。課題の分析や施策の優先など、実務から学ぶことができます。また、コンサル契約が満了した後も、応用を利かせて自社で経験を積むことができます。
ネットショップコンサルティングを依頼するデメリット
つづいてネットショップコンサルティングのデメリットを見ていきましょう。
成功率は100%保証ではない
コンサルティングのサービス全般に言えますが、依頼しても100%成功するとは断言できません。狙う市場の規模が小さく、売上アップに限界があるかもしれませんし、競合する企業や商材が強いと思うような成果がでないこともあります。集客においても、検索エンジンやSNSのアルゴリズムは日々変化しており、自助努力では対抗できない部分もあります。
作業をすべて丸投げができない
コンサルティングは基本的に二人三脚で施策を実行しますので、ある程度の作業は自社で負担しなくてはいけません。予算に応じて制作などの業務を委託できますが、関わることでより高い成果が期待できることもあり、「すべて」を丸投げはできません。
コンサルティング費用がかかる
もちろんコンサル費用は発生します。自社で課題を解決できればコンサルティングを依頼する必要もありませんので、自社にとって費用対効果があるかをよく考えましょう。
ネットショップコンサルティングの料金相場は?
ECコンサルの相場は、依頼する作業ボリュームによって異なります。料金相場は、次の3パターンが目安です。
No. | 予算(月額) | コンサル内容 | サポート内容 |
---|---|---|---|
1 | 5万円~10万円 | 運営上の悩みや課題をヒアリングし改善策のアドバイスを行う | メールやチャットなどオンラインで簡単なコンサルティングを15分ほど行う |
2 | 10万円~30万円 | コンサル側で分析・リサーチを行い一歩踏み込んだ改善策のアドバイスを行う | 月1回程度の定例会議を開催し、コンサルティングをオンラインまたは対面で行う。 |
3 | 30万円~50万円 | コンサル側で分析・リサーチを行い、施策作業もコンサル側で一部~全部を行う | 専門家を常駐させているほどの手厚いサポートを受けられる。ノウハウを内製化するための研修会なども行う。 |
依頼できる内容はコンサルティング会社によってことなりますが、ECサイト構築や最適化など、制作業務も委託できる場合があります。コンサル費用を抑えるなら、自社でできる作業は自社でやること。ただし取り組むことで生産性が落ちるなら、時間に投資して委託したほうが費用対効果は高まります。
ECコンサルティング会社の選定・比較のポイント
ネットショップコンサルティング会社は「コンサル料が安いから」、「有名なコンサル会社だから」という理由だけで選ばないようにしましょう。失敗しない選び方をご紹介します。
コンサルティングの実績が豊富であること
ネットショップの売上を伸ばすには、「集客」・「購入率」・「客単価」のいずれかを改善します。どの施策においても高度な専門性とノウハウが求められます。集客が得意なコンサルティング会社は必ずしも客単価の向上が得意とは限りませんので、実績をしっかり確認しましょう。コンサル実績を参考に、自社の商材やジャンルに近い経験があるとなお良いです。
会社の規模で選ぶ
会社規模が大きいコンサルティング会社は、実績と経験値が豊富です。施策をトータル的に任せたいのであれば、大手コンサルティング会社を選ぶと良いでしょう。もちろん中・小コンサルティング会社においても、特化した分野に長けている会社も存在します。依頼を検討するにあたって、「どの課題解決を優先的に解消したいか?」を整理してから選ぶと良いでしょう。
スピーディーなサポートを受けられるか
コンサルタントとの連絡は、基本的に電話、チャット、メールです。予算に応じて定例会議を開催するコンサルティングや社内講習を開催するなどのサポートがあります。サポートが手厚い分、コンサル料金も高くなります。自社において、どれほどサポートを望むかを判断材料にしましょう。
コンサルタントの人柄・相性
ネットショップコンサルティングは、基本的に専任のコンサルが1名つきます。コンサルティング会社を選ぶうえで重要視したいのが、担当コンサルの人柄・相性です。ネットショップの知見や経験値はもちろん、親身になって対応してくれる人間力があるかでコンサルの成果が左右されます。「この人なら信頼して任せられそう」と託せるかどうかを見極めましょう。
「makeshop」のECコンサルティングがお勧め
ECの流通額が日本一のASPカートといえば「makeshop」ですが、同社の知見と実績を生かしたECコンサルティングが注目されています。市場や競合他社サイトの動向分析はもちろん、makeshopが独自につちかった1万店の成功事例から知見を得られるのはメリットが大きいです。特にアパレル・化粧品・食品に強い傾向があるので、同じ商材を扱うEC事業者の方は相談してみましょう。
まとめ
今回はネットショップコンサルティングについて紹介しましたが、いかがでしょうか?高額なコンサルを依頼しても成果がでない原因で最も多いのは、「コンサルタントに任せっきり」にしてしまうこと。そして「コンサルのアドバイスを実践しないこと」の2つにつきます。コンサルトと二人三脚で施策を実行することが大切です。