【初心者向け】ECサイト構築の完全ガイド!目的別にわかりやすく解説

ECサイト構築を検討している方のなかには、「何からはじめればいいか分からない」「体系的にまとめて欲しい」などの悩みを抱えている方も多いと思います。

とくにユーザーにとっての利便性が重要なECサイトでは、構築方法の選び方やサイトデザイン、ターゲット設定の方向性を間違えると、「思ったより利益がでない…」という結果をまねきかねません。

そこで今回は、ECサイト構築方法を目的別に詳しく解説します。費用面やメリット・デメリット、おすすめツールなども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

【目的別】あなたにあったECサイト構築方法

【目的別】あなたにあったECサイト構築方法

ECサイトを解説するにあたり、まず知っておきたいのが「ECサイトの構築方法の種類」です。
構築方法の選び方を間違えると、予想以上のコストがかかったり、必要な機能が搭載できなかったりと、予期せぬ方向へ進みかねません。
まずは、ECサイトを構築するには、どのような方法があるのかを知っておきましょう。

ECサイトを構築するおもな方法として挙げられるのが、以下の6つです。

⦁ ASP
⦁ モール型
⦁ クラウドサービス
⦁ パッケージ
⦁ オープンソース
⦁ フルスクラッチ

構築方法によってコストや機能性、カスタマイズの自由度などが変わるため、ECサイトを構築する目的にあわせて選ぶことが大切です。
目的別でのおすすめの構築方法を以下の表にまとめましたので、参考にしてください。

目的おすすめの構築方法
低コストでかんたんにはじめたい無料カートASP
(BASE・STORESなど)
集客力を活かしてスピーディに売上を上げたいモール型
(楽天・Amazon・Yahoo!など)
自由なカスタマイズ性やサポートの手厚さなど総合的な「コスパ」を重視したい有料カートASP
(makeshop・futureshopなど)
TV紹介など急激なアクセスが定期的に見込まれるクラウドサービス
(AWSなど)
予測しやすいコストで中~大規模システムを構築したいパッケージ
(ebisumartやEC-CUBEのパッケージ版など)
自社に開発力がありコストをおさえつつ自由なカスタマイズがしたいオープンソース
(Magentoなど)
大規模な予算があり完全な独自性で差別化をはかりたいフルスクラッチ

ECサイト構築方法一覧!それぞれの特徴とおすすめツール

ECサイト構築方法の分布図
ECサイト構築方法の分布図

上記の分布図は、ECサイトの構築方法を「コストパフォーマンス」と「機能の充実・カスタマイズの自由度」の2軸で表したものです。

どの軸に重きをおくかによってベストな構築方法が決まるため、「ECサイトを構築する目的」と「ECサイト構築で重要だと考える部分」をしっかり検討しておきましょう。

さらに、それぞれのECサイト構築方法での事業規模、初期費用、月額費用、構築期間などの目安を以下の表にまとめました。

構築方法事業規模(年商)初期費用月額費用構築期間カスマイズ性コストパフォーマンスサービス例
モール型1000万~10億円無料~無料〜10万円3時間~(審査期間除く)★☆☆☆☆(低)★★★★☆(中~高)楽天市場
Yahoo!ショッピング
Amazon
auPAYマーケット
無料カートASP~5000万円無料~無料(別途手数料)1時間~★★☆☆☆(低~中)★★★★★(高)BASE
STORES
有料カートASP5000万~1億円前後10〜100万円~10万円1週間~1カ月程度★★★☆☆(中)★★★★★(高)makeshop
futureshop
Shopify
パッケージ1億円~500万円~10万円~約3ヶ月~半年★★★☆☆(中)★★☆☆☆(低~中)ecbeing
コマース21
EC-ORANGE
オープンソース1億円~100万円〜500万円10万円~約3ヶ月★★★★☆(中~高)★★★☆☆(中)EC-CUBE
Adobe Commerce (旧 Magento)
Drupal Commerce
フルスクラッチ30億円~数千万円〜数十万円〜1年~数年★★★★★(高)★☆☆☆☆(低)
クラウド型EC1億円~20億円300万円~10万円~約3ヶ月★★★☆☆(中)★★★★☆(中~高)GMOクラウドEC
メルカート
ebisumart

ECサイトは規模や搭載する機能などにより、大きく費用が変動します。上記はあくまでも目安のため、具体的な金額は利用するサービスにてご確認ください。

各構築方法の特徴やメリット・デメリット、おすすめサービスについて、以下で詳しく紹介します。

モール型

モール型ECサイトとは1つの大きなショッピングモールのようなもので、そこに色々な業種の店舗が出店しています。知名度のあるモールとしては、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングが該当します。

モール型のメリット・デメリット

モール型の大きなメリットといえるのが、モール自体の知名度により集客力が高く、信頼が得やすいことです。

また、サポートが充実しているモールであれば困ったときに対応してくれるため、はじめてECサイトを構築する場合でも安心です。

一方で、同じ商品を扱うショップがあればブランディングによる差別化は難しく、価格競争に陥りやすい一面も。さらにモールへの出店料や手数料が必要な点や、顧客情報を元にしたマーケティングが難しい点もデメリットとなります。

ECモールの種類やメリット・デメリットの詳細は、以下の記事をご参照ください。
ECモールランキング!ECモールの意味や種類~メリット・デメリットまで解説

おすすめの出店モール

サービス名初期費用月額費用手数料流通規模特徴
Amazon無料小口出品:商品ごとに100円
大口出品:4,900円
5~15%(商品カテゴリーにより変動)6兆7,937億円(推定)集客力が高く、とくに型番商品に強い
楽天市場60,000円25,000〜130,000円2〜7%5兆6,301億円楽天経済圏の大きさ・会員数の多さ
Yahoo!ショッピング無料無料ストアポイント原資負担:1~15%
キャンペーン原資負担:1.5%他
1兆7,547億円初期費用と月額料金が無料で手軽に始められる

国内でのECサイト流通規模第1位のAmazonは、ほかのモール型ECサイトとは異なり「商品を出品」する形となります。そのため出品数により月額費用が決まり、さらに手数料は商品カテゴリーによって変動するのが大きな特徴。

また、初期費用・月額費用ともにもっとも高額な楽天市場は、ほかの2社と比べて手数料の上限が低く設定されています。

Yahoo!ショッピングは低コストでECサイトが構築できるというメリットの反面、上位2つのモールと比較すると会員数や流通規模では大きな差が開きます。

ASP

ASPとはApplication Service Providerの略で、ネットワークを通じてアプリケーションを提供する事業者やサービスのことです。また、 ASPはECサイトだけに特化したサービスではなく、販売管理や会計管理など、さまざまな形態のサービスがあるのも大きな特徴。

ECサイト向けASPでは、カート機能や決済関連、配送などEC業務をおこなうにあたって最低限の機能を初期設定で備えています。

カートASPのメリット・デメリット

カートASP最大のメリットといえるのが、低価格でECサイトを構築できることです。というのも、カートASPには無料と有料の2種類あり、無料のカートASPではモール型ECサイトよりもコストをおさえて構築・運用できます。

また、有料カートASPは無料カートASPよりも機能が充実しているため、制限も少なく色々な表現ができることも魅力のひとつ。ただし、カートASPでは基本的にあらかじめ用意された機能を使い運用するため、個別でのシステム開発はできません。

また、一般的なカートASPでは自社開発のシステムとの連携機能は考慮されておらず、自社の基幹システムや物流システムとの連携が難しくなります。

カートASPのおすすめ構築サービス

サービス名初期費用月額費用無料お試し期間カスタマイズ性難易度
BASE無料スタンダードプラン:無料
グロースプラン:16,580円
販売手数料:2.9〜3.6(+40円)%
低~中※追加アプリによるカスタマイズ構築:やさしい
サポート:なし
makeshop11,000円〜プレミアムプラン:12,100円
エンタープライズプラン:55,000円〜
販売手数料:0円
あり(15日間)中~高構築:標準
サポート:あり
futureshopfutureshop:22,000円~
futureshopomni-channel:752,000円
futureshop:24,000円〜
futureshopomni-channel:160,000円
販売手数料:0円
あり(3週間)中~高構築:やや難しい
サポート:あり
Shopify無料4,850〜44,000円(プランにより異なる、PLUSのみ$2,300/月)
決済手数料:2.9〜3.9%(Shopifyペイメント利用時のみ無料)
あり(3日間)中~高構築:標準
サポート:あり

BASEをはじめとする無料カートASPは、初期費用が無料で操作も容易なため、「試しにECサイトを構築してみたい」という場合に向いています

しかし、カスタマイズ性や機能性が低く、ある程度こだわったECサイトを構築したい場合には、無料カートASPだけでは不十分になる可能性があります。

また、無料カートASPは有料カートASPに比べて、費用が高く設定されているのが一般的。費用面・機能性など、総合的にみると有料カートASPのほうがコスパがよくなるケースも多いので、とくに年商目標が高い場合は有料カートASPがおすすめです。

クラウド型EC・Saas型

クラウド型ECとは、名前の通りクラウド環境でECサイトの構築から運用までが可能なサービスです。
カートASPとの大きな違いは「常に最新のシステム環境で各社固有のカスタマイズやシステム連携も可能」という点です。

EC構築運用のシステムを自社で所有せずレンタルをすることで、サーバーやアプリケーションの開発費用が不要になり、機能のバージョンアップや保守サービスも提供会社がおこなってくれるため、専門性の高いシステム部署などを作る社内リソースを割かずに済みます。

クラウド型ECのメリット・デメリット

クラウド型ECの大きなメリットといえるのが、カスタマイズ性の高さや既存のシステムと連携できるところです。また、サーバー数の増減が可能なことから、サーバーダウンによる機会損失の防止が可能な点もメリットとなります。

その一方で、クラウド型ECはランニングコストが大きく、月額数十万円以上かかるケースも少なくありません。選択肢としては売上金額がすでに一定以上あり、現状のカート機能に不満が発生している、といった段階で検討するようなイメージです。

クラウド型ECとカートASP、パッケージとの違いやおすすめサービスについて、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
クラウドECとは?ASP・パッケージとの違いやおすすめサービスの徹底比較

クラウド型ECのおすすめ構築サービス

サービス名初期費用月額費用無料お試し期間カスタマイズ性難易度
GMOクラウドEC5,000,000円~300,000円~
販売手数料:0%
なし中~高構築:標準
サポート:あり
メルカート190,000〜690,000円定期プラン:59,000
おすすめプラン:99,000円
DXプラン:199,000円
販売手数料:0%
なし中~高構築:標準
サポート:あり
ebisumart100,000円〜スタートアップ:30,000円〜
スタンダード:50,000円〜
エキスパート:70,000円〜
販売手数料:0〜2%
なし低〜中構築:やさしい
サポート:あり

クラウド型ECは初期費用・月額費用ともにカートASPより高くなりますが、販売手数料が無料もしくは低額な点がポイントです。ここでおすすめしたクラウド型ECのなかでは、makeshopエンタープライズがもっとも初期費用・月額費用が安く、コストをおさえたECサイト構築が可能です。

また、メルカートとebisumartはそれぞれ月商規模にあわせた料金プランを用意していますので、各社サービス内容をしっかり比較して選びましょう。

パッケージ

クラウド型の中にも色々な種類があり、パッケージ型と呼ばれるものは、導入時にシステムがある程度パッケージ化された状態のものを指します。とはいえカスタマイズができないわけではなく、自由度は高く企業の独自性を持たせることも可能です。

ただし、カートASPと比較すると導入費用やランニングコストは非常に高くなるため自社の売り上げ規模を考える必要があります。

ECパッケージのメリット・デメリット

ECパッケージは、中・大規模サイトにとってバランスのいいサービスです。大きな理由はカスタマイズの自由度の高さで、年商1億円以上の中・大規模サイトの多くがECパッケージを利用しています。

そのためECパッケージには実績が蓄積されており、一般的に求められる機能はほぼ網羅されていると考えてよいでしょう。

その反面、ECパッケージは初期費用が高く、予算は最低でも数百万円~。また、システムが陳腐化しやすいという弱点もあり、定期的にサイトリニューアルをしなくてはいけません。リニューアルには当然費用がかかるため、ECパッケージを使い続けるには高いコストがつくことになります。

ECパッケージの詳細については、以下の記事をご覧ください。
ECパッケージとは?シェアや市場規模などから7社を徹底比較

パッケージのおすすめ構築サービス

サービス名初期費用月額費用無料お試し期間カスタマイズ性難易度
ecbeingスモールプラン:500万円〜
ミドルプラン:1,000万円〜
エンタープライズプラン:3,000万円~
スモールプラン:20万円〜
ミドルプラン:30万円~
エンタープライズプラン:50万円
あり(1ヶ月間)構築:やさしい〜標準
サポート:あり
コマース21数千万円〜数十万円〜数百万円構築:-
サポート:あり

ecbeingは国内でのECサイト構築が1,600サイトを超える人気のパッケージです。幅広い業態・業種に対応できる柔軟性の高さや、ビジネスモデルにあわせて構築できるのが強み。

また、コマース21はビジネス構想想定からシステム開発・運用までワンストップでの事業成長を支援してくれるパッケージです。そのため「ECサイトを構築する」というだけでなく、ビジネス全般のサポートを任せたい企業におすすめです。

オープンソース

オープンソースは「インターネット上で公開されている」という意味を持ち、ライセンス費用が掛からずにデザインやカスタマイズが自由にできます。

オープンソースでカスタマイズが自由ということは、サーバーへのインストールやセキュリティ保守などをすべて自社でおこなう必要があるため、技術力のある企業向きになります。

オープンソースのメリット・デメリット

オープンソースには豊富なプラグインが揃っています。サーバーの立ち上げには費用がかかりますが、無料のオープンソースを使うことでコストをおさえてECサイトを構築できます。

デメリットとしては、ある程度の高い技術力が求められることから社内負担が重くなりやすい点と、外部からの攻撃を受けやすくなる”セキュリティ面”です。

以下の記事でオープンソースのメリット・デメリットをさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
ECサイトのオープンソースとは?メリット・デメリットからおすすめの比較まで

オープンソースのおすすめ構築サービス

サービス名初期費用月額費用無料お試し期間カスタマイズ性難易度
EC-CUBELiteプラン:無料
Standardプラン:70,000円
Liteプラン:6,800円~
Standardプラン:49,800円〜84,800円
なし
Adobe Commerce (旧 Magento)要問い合わせ要問い合わせ

EC-CUBEは、ECサイト構築の基本的な機能をすべて無料で利用できるオープンソースで、基本機能をベースに自由にサイトを構築できます。必要に応じて有料プラグインを導入することで、越境ECにも対応可能。

さらにオープンソースの弱みである、セキュリティ面への取り組みも積極的におこなっている点も魅力です。

Adobe Commerceは無料のオープンソースパッケージ、「Magento Open Source」の有料版オープンソースソフトウェアです。海外のオープンソフト「Magento」がベースとなっているため、英語が使用されている部分もあり、英語が苦手な方は使いづらいと感じるかもしれません。費用については要問い合わせとなっています。

フルスクラッチ

フルスクラッチはゼロからECサイトを作るため、完全オリジナルの自社ECを作り上げることが可能です。しかし1からシステムを開発する大規模な構築になるので、もちろん費用面ではもっとも高くなりますし開発期間も長くなります。

フルスクラッチのメリット・デメリット

サイトを0からオリジナルで立ち上げるフルスクラッチでは、構築でとことんこだわりを追究できます。十分な技術力さえあれば、デザインも機能もすべてが自由。費用・労力・時間をかけた分だけ理想のECサイトに近づけられます。

ただし、すべての構築手法の中で、最も深い知識と高い技術力が求められるのがフルスクラッチです。相応の人材や費用を用意できる企業でなくては、フルスクラッチでのECサイト立ち上げは難しいでしょう。加えてシステムも陳腐化しやすいので、定期的なメンテナンスが必要です。

フルスクラッチでの費用やメリット・デメリットを以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
フルスクラッチとは?ECサイト構築の費用や作り方、メリットデメリットまで徹底解説

迷ったらこれ!EC構築の初心者に一番のおすすめ方法

迷ったらこれ!EC構築の初心者に一番のおすすめ方法

ECサイトをはじめて構築する方や、どの方法でECサイトを構築するのがよいかわからない方は、「makeshop」を選ぶのがおすすめです。

makeshopは機能の充実度・カスタマイズ性・コストのバランスがよく、コストパフォーマンスの高いカートASPです。

さらに、無料体験中から契約後、開店後と各ステップでのサポートが充実しており、不明点があればいつでも問い合わせできるところも魅力。12,000社以上のショップに導入されているため採用事例も多く、実際に売れてる店舗を参考にしながらECサイトを構築することも可能です。

まずは15日間の無料体験で機能性や使いやすさを確認してみて、よさそうであれば検討してみるのがおすすめです。

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ECサイト構築にかかる費用

ECサイト構築にかかる費用

一口に「ECサイト構築」といっても、さまざまな費用が発生するため、どの部分にいくらの費用がかかるのか把握しておく必要があります。
そこでこの章では、ECサイト構築にかかる費用を詳しく解説していきます。

EC販売で発生する手数料

一般的にECモールやASPといった構築手法のEC販売では、以下のような手数料が発生します。

⦁ 決済手数料
⦁ 販売手数料
⦁ 振込手数料
⦁ オプション手数料
⦁ アフィリエイト広告手数料
⦁ 支払い手数料
⦁ 事務手数料

初期費用や固定費のかからない無料サービスであっても、前述の通り手数料が発生するパターンが多いです。場合によってはランニングコストがかさみ、有料サービスよりも利益率が落ちてしまうこともあるので注意しましょう。

ECサイト構築システムにかかる費用

ECサイトを構築する際、以下のようなシステムの契約や申請が必要になります。
その際にかかる費用の目安は次のとおりです。

⦁ サーバー費用:数百円〜10,000円/年(サーバー構築:10〜60万円程度)
⦁ ドメイン費用:1,000円〜7,000円程度/年
⦁ 独自SSLサーバー証明書:5万円〜8万円/年、(EV型:20万円程度/年)
⦁ 各ツールの導入費用:必要なツールにより異なる
⦁ プラグイン・拡張機能:無料〜数千円/月(買切り型は1,000円~数万円)

上記はすべてランニングコストとして考えておくべき項目となります。予算を圧迫することがないよう、あらかじめ利用予定のサービスの費用をすべて洗い出し計算しておきましょう。

人件費

ECサイトの構築方法によっては、多くの人員リソースが必要になります。当然ながら携わる人数が多いほど人件費はふくらみ、ECサイト構築の総額も高くなります。

ECサイト構築にかかる人件費の一例としては、
⦁ エンジニア
⦁ デザイナー
⦁ ディレクター
⦁ その他作業者

などが挙げられ、自社で構築する場合はフロント業務・バックオフィス業務両方の人員の確保が必要となります。社内リソースが不足している場合や、自社での構築が難しい場合は外注費用がかかります。

初期仕入れ費用

ECサイトを構築して商品を販売するには、当然ながら「商品の仕入れ」が必要です。初期仕入れにかかる費用が高すぎては利益を出しにくくなる可能性があり、仕入金と販売価格のバランスに十分注意しなければなりません。

仕入れ費用は目指す月商や取扱商品により大きく異なりますが、以下の方程式で必要な仕入金を計算できます。
必要販売個数=目指す月商÷平均商品単価
仕入金=必要販売個数×原価

また、原則「在庫量=月商」になることはないため、目安として目指す月商に対して、2~3倍の在庫量をもつようにしましょう。たとえば、目指す月商が100万円の場合、在庫量は販売価格で200~300万円分を目安に用意しておくイメージです。

なお、利用する決済手段によって入金までの期間が変わるため、余裕をもった運転資金を確保しておきましょう。

その他費用

ここまで紹介した以外にも、次のようなコストがかかります。

⦁ 梱包資材費用
⦁ プロモーション費用
⦁ Web広告費用
⦁ カスタマーサポート
⦁ 物流サービス費用

どの部分を内製してどの部分を外注するのかにより、費用は大きく変わります。ECサイト構築方法を検討するとともに、「社内リソースを使う部分」と「外注する部分」の振り分けも考えておきましょう。

ECサイトは無料ツールと有料ツールどちらで構築すべき?

ECサイトは無料ツールと有料ツールどちらで構築すべき?

前述のとおり、ECサイトの構築方法には無料と有料のサービスがあります。しかし、それぞれにおすすめできるケース、おすすめできないケースがあるため、ニーズに応じて選択することが大切です

以下では、ケース別におすすめのECシステムについて解説します。

初期費用をおさえたいなら無料カートASP

初期費用をおさえたい場合、無料カートASPがおすすめです。カートASPはWeb上のシステムを利用するため、サーバーをはじめとする費用がかからず、大幅に費用をおさえられます。

その分、決済手数料は高額となりやすいものの、スモールスタートには最適な構築方法です。

お手軽にECシステムを作りたいなら無料ASP

手軽さを重視したい場合、無料カートASPがおすすめです。カートASPは、Web制作に関する知識がない方でもECサイトを構築できるようチューニングされています。

直感的な操作のみで完結する仕組みとなっているため、時間や工数をかけずにECサイトをつくりたい方に向いています。

集客面に不安があるなら無料のモール型

集客に不安がある場合、無料モール型ECサイトがおすすめです。モール型ECサイトは、プラットフォーム上に既存のユーザーが多くいるため、集客しやすい点が特徴です。

一方、ブランドと比較されやすいプラットフォームでもあり、ほかの商品と差別化が図れないと難しいでしょう。

お問い合わせやサポート性を重視するなら有料ASP

お問い合わせやサポートへの対応を重視する場合、有料カートASPがおすすめです。無料カートASPは機能面で弱いサービスが多いものの、有料のカートASPの多くはサポート体制に力を入れています。

そのため、はじめてのECサイト構築で不安な方や、困ったときにすぐ質問できる環境が欲しい方には、有料カートASPがおすすめです。

カスタマイズ性を重視するなら有料ASP

さまざまなカスタマイズを希望する場合、有料カートASPがおすすめです。一般的にカートASPはカスタマイズができませんが、有料カートASPは機能の追加や編集にも柔軟に対応できます。ECサイトの使い勝手は売り上げに直結する要素でもあり、ユーザーにとって使いづらいサイトでは効率よく売上を伸ばせません。

カスタマイズに柔軟な有料カートASPであれば、誰にとっても使いやすいECサイトを構築できて、売上アップにつなげやすくなります。

EC機能の多さや便利さを重視するなら有料ASP

EC機能の多さや便利さを重視する場合、有料カートASPがおすすめです。有料カートASPは手軽さと機能性を両立しています。オプションの利用やアプリのインストールによって機能を追加できるため、幅広い要件を満たせるでしょう。

とくに、makeshopのように機能の充実した有料カートASPを選ぶと失敗しにくくなるのでおすすめです。

企業としてEC事業で売上規模を大きくしたいなら有料ASP

規模の大きなECサイトを目指す場合、有料カートASPがおすすめです。無料カートASPは初期のコストがおさえられる反面、売上規模が大きくなるほど手数料が高くなります。

企業として低リスクでEC事業に取り組むのであれば、無料カートASPよりも手数料が安い有料カートASPを選びましょう。また、有料カートASPは登録可能な商品数やデータ容量が多く、将来的な事業規模の拡大にも対応可能です。

ECサイト構築の手順について

ECサイト構築の手順について

ECサイトの構築手順としてもっとも大切なことは、どのようなサイトを作るかを明確にすることです。
まずはサイトのコンセプトや事業計画を立てシステムの要件定義をおこない、構築方法を選びましょう。

具体的な流れは次のとおりです。
⦁ コンセプトや事業計画を明確にする
⦁ システムの要件定義をおこなう
⦁ 月商規模や将来的な目的に合わせて構築方法を選ぶ
⦁ 制作会社に依頼、もしくは社内でデザインやシステムを構築

また、構築方法によって細かい部分の手順は異なります。以下で各構築方法の例を挙げて、手順を解説していきます。

モール型の構築手順

手順1:出店申し込み

楽天市場の出店案内ページより、「出店申込」のボタンをクリックします。

次に、必要な情報を入力します。事前に問い合わせをしている場合は担当のコンサルタントに連絡するか、資料請求時の案内メールより申し込むことも可能です。

出店に必要な書類をすべてそろえて、提出書類を印刷し指定の箇所に捺印します。Web上からすべての書類をアップロードして、出店審査に申請しましょう。

資料請求・WEBからの出店申し込みをした後、約2週間〜1ヵ月程度でアカウント開設が可能な状態になります。

手順2:契約

アカウント開設後は、楽天市場の店舗運営システムであるRMSの利用が可能になります。この日から費用が発生するため、20日以内に指定の口座に初回出店料を入金しましょう。

なお、期日までに入金できない場合はサービスの利用停止の措置をとられるため、注意が必要です。

手順3:オープン準備

RMSを使用して楽天市場内に店舗を構築します。決済方法や配送方法の準備、サイトデザインや商品の出品など審査・運営に必要な最低限の部分を整えましょう。

店舗ページが完成したら、RMSの申請画面の必要事項を記入し、「オープン審査」に申請します。

手順4:開店

オープン審査が完了すれば、晴れてショップの開店です。ターゲットにあわせたキャンペーンやイベント企画などを積極的におこない、注文数を増やしていきましょう。

ASPの構築手順

さまざまなカートASPがあるため設定方法や構築方法も多岐に渡りますが、ここではmakeshopでの構築手順を例に挙げて紹介していきます。

手順1:makeshopのアカウントを作成

makeshopの公式サイトから「1分でかんたん無料体験してみる」のボタンをクリックします。

次の画面で必要事項を入力し、無料体験に申し込みます。

申し込みボタンを押したらログイン画面が表示されるので、ショップIDとパスワードを入力してmakeshopへログインします。

手順2:ショップ作成

管理画面にログインしたら、入力できる項目から埋めていきましょう。初心者マークのある部分から設定していくと迷いにくく、スムーズに進められます。

ここではショップのトップページやサイト内バナー、ロゴなどのイメージ部分を決めていきますが、用意されているテンプレートを使用して簡単におしゃれなショップページを作ることも可能です。

以下の記事で売れるECサイトのデザインについて詳しく解説しています。ご興味のある方はチェックしてみてください。
売れるECサイトのデザイン3つのポイントからおしゃれな参考事例まで一挙解説!

手順3:決済・注文関連の設定

ショップのデザインと商品ページの設定が完了したら、決済や注文関連の設定をおこないますmakeshopには決済サービス「MakeShopペイメント」が用意されており、管理画面トップから申し込みできます。

クレジットカード決済やAmazon Pay、楽天ペイ、PayPayなどの決済手段から、導入したいものを選びましょう。

ほかにも、会社情報や担当者情報、ECサイト情報、金融機関情報などの必要事項を入力していきます。
決済サービスに関する項目を入力・申し込み後に、審査や提出書類に関する手続きをおこないます。

手順4:配送関連の設定

配送料金や、どの運送会社を利用するのかや配送料金などを設定していきます。商品の発送に関する判断が難しい場合は、makeshopが用意しているオンラインマニュアルを活用しましょう。配送設定やその他のショップ作成手順について詳しく解説していますので、確認しながら作業を進めていくのもおすすめです。

手順5:商品管理

ショップに出品する商品の登録をおこなっていきます。カテゴリーの設定、商品名、商品画像、商品説明文などを入力していきましょう。

手順6:特定商取引法に基づく表示

ECサイトを運営する上で重要な法律である「特定商取引法」についての掲載を必ずおこないましょう。
必要事項を入力するだけで完了しますが、もしショップ作成中にわからない部分があれば、ガイドを見たり専門のECアドバイザーに電話やメールで問い合わせたりも可能です。

makeshopでは無料期間中〜構築後もプロのECアドバイザーのサポートが受けられるため、はじめてECサイトを構築する場合でも安心です。

クラウド・オープンソース・フルスクラッチの構築手順

モール型やASPとは異なり自由なカスタマイズが可能な分、一般的なシステム開発が必要になるため、しっかりとした工程を踏んで構築をおこなっていきます。

手順1:要件定義

企画書の内容を具体的に細分化していき、システム要件に落とし込んで要件定義書の作成をおこないます。

この要件定義書を元に以降の作業を進めていくため、ベンダー側と要件のズレが生じないように綿密に打ち合わせをしておきましょう。 以降の工程は基本的にはベンダー主体の作業になるので、この要件定義の段階で抜け漏れが無いように伝えることが大事です。

手順2:設計

要件定義書を元に、ベンダー側で作業をおこなう工程になります。画面設計・機能設計・項目定義などをおこない、ベンダー側がシステム設計書を作成。 確認し、問題が無ければ次の工程へ進めます。

手順3:開発

作成されたシステム設計書を元に、ベンダー側でプログラムの開発が開始されます。

手順4:テスト

システム開発が完了したら、最終のテストをおこないます。テストではシステムが設計書通りに動作するか、外部システムと連携が問題なくできているかなどをおこないます。
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ECサイトの構築についてのQ&A

ECサイトの構築についてのQ&A

最後に、ECサイト構築でよくある質問と回答をまとめました。ECサイト構築において知っておきたい内容をピックアップしていますので、ぜひ最後までご覧ください。

Q. サイト制作の目安期間はどのくらいで考えておけばいいでしょうか?

A. 一般的なWEBサイトであればおよそ1ヵ月〜1ヵ月半程度が目安ですが、ECサイトの場合は出品する商品のページを用意したり、決済や配送関連など準備が多岐に渡るため、短くても3ヶ月程度かかります

また前述のオープンソースやフルスクラッチになるとシステム開発からになりますので、かなり長期的になるでしょう。

Q. 自分でプログラミング言語を学べばECサイトの構築はできますか?

A. 結論から言えば可能です。ただし、サイトの構築手法によって求められるスキルの程度には差があります。モール型やASP型であれば、運営業務の必須言語としてHTML、CSS、JavaScriptあたりは覚えておくといいでしょう。
アプリケーション開発をおこないたい場合は、Java・Ruby・PHPなどの言語が必要になります。

Q. ECサイト構築に必要なスキルは?

A. ECサイトを構築するためには、次の4つのスキルが必要です。

⦁ HTML、CSS、Javascriptなどのクライアントサイド言語
⦁ PHP、Java、Ruby、Pythonなどのサーバーサイド言語
⦁ サーバーに関する知識・スキル
⦁ 画像制作スキル

これらのスキルをすべて自社で確保するのが難しい場合は、外注に出すという手もあります。 また、実際にネットショップを開設してからは、上記とは別にECサイトを運営するためのスキルが求められます。

Q. 成功させるためのポイントはありますか?

A. ECサイトにおける成功とはやはり、売上予算を長期にわたり達成することです。ECサイトの売上は、集客×CVR(購入率)×客単価の方程式で考えられます。

集客を強化するためには、SEO対策やインターネット広告。CVRの向上のためにはサイトユーザビリティの向上やWEB接客などを利用した顧客へのアプローチ。客単価アップのためには適切な送料無料ラインの設定、関連商品の最適化など。

このようにさまざまなマーケティング施策を打ち、各項目の数値を引き上げて売上を伸ばしていくのがECサイト運営のセオリーです。

また、オンラインの世界は流行の移り変わりの早いもの。新しい情報に遅れないよう、時流にあったサイト運営ができるようにしておきましょう。

そして何より大切なのはユーザビリティへの配慮です。使い心地のよいサイトにはファンがついてくれる可能性がありますが、逆に商品購入への導線がわかりにくいなどの欠点があると、ユーザーは簡単に離脱していってしまいます。常に顧客目線を忘れずに、使いやすいサイトであることを意識しましょう。

Q. やっぱり自社サイトは必要でしょうか?

A. ECサイトと別に自社サイトをもつことは、それぞれメリットとデメリットがあります。メリットとしては、ブランド力の向上や幅広い客層にアピールできる広告塔としての役割をサイトが担ってくれる点。SEO対策の面でも効果が期待できます。

一方で、運用がその分負担になってしまうのはデメリットです。

もしECサイトで販売する商品情報とは別に、企業理念やブランドストーリーをアピールする場を作りたいのであれば自社サイトは有効です。どんなユーザーにどんな情報を届けたいのか、この点を意識して考えてみましょう。

Q. ECサイトを構築するのにおすすめのサービスは?

A. ECサイト構築サービスにはさまざまな種類があり、それぞれメリット・デメリットをもつています。どのうちのどれがおすすめかは、ショップを開設する目的や想定する年商規模、商品数により変わります。

詳しくはこちらをご覧ください。
ネットショップの開業におすすめサービスを徹底比較!

Q. 売れる商品ページの作り方やコツは?

A. 売れる商品ページをつくるうえで意識すべきポイントは、以下の3つです。

⦁ 商品情報を充実させる
⦁ 商品画像のクオリティを高める
⦁ 説明文で商品の魅力を伝える

まず、商品情報が少ないとユーザーは購入に踏み切れません。寸法やサイズ、ディテールの写真、価格やラインナップなどの情報はもれなく記載すべきです。 また、商品画像や説明文をとおして、商品の魅力を伝えることも重要です。画像のクオリティや説明文の内容は、購入の可否を左右します。

インターネットで売れる商品・売れない商品の違いについては、以下の記事をご参照ください。
ネットで売れる商品と売れない商品の違いは?売れる商品の特徴の見つけ方とコツ

売上が上がる商品ページの作り方について、デザインや商品説明、画像まですべて解説しています。あわせてご覧ください。
売上が上がる商品ページの作り方とは?デザイン・商品説明・商品画像まで全て解説

Q.EC担当者向けのECサイト構築の勉強に役立つ本は?

ECサイト構築を学ぶにあたり、おすすめの書籍は次のとおりです。

⦁ マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営
⦁ ECサイト[新]売上アップの鉄則119 オムニチャネル時代の集客から接客まで (WEB PROFESSIONAL)
⦁ 先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務

「マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営」は、「売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。」のマンガ版になります。文字ベースより、マンガによってより分かりやすく直感的に理解しやすいため、ECサイトの一連の流れを知る点においては大変有用な一冊となっています。
マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営

また、「ECサイト[新]売上アップの鉄則119 オムニチャネル時代の集客から接客まで (WEB PROFESSIONAL)」は、ECの戦略設計から構築・ページ作り・分析・改善まで段階毎に並べながら、ちょっとしたポイントやコツを取り上げている内容です。

深堀りした解説、いわゆる座学的な内容というよりは、「ざっと読んでみて気になった項目」からインスタントに着手できる内容で、売上を上げていく課程において、課題の発見や解決などに有用に使える一冊です。
ECサイト[新]売上アップの鉄則119 オムニチャネル時代の集客から接客まで (WEB PROFESSIONAL)

「先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務」は、先述の「マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営」と同様、広く浅くざっと学べるといった内容になっています。
モール型のECサイトなども解説されており、ASPとモール型のどちらで構築すべきかを迷っている場合はおおよその中身の理解にもつながります。
先輩がやさしく教えるEC担当者の知識と実務

EC業界全般の知識を深めたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ECとは?業界やメリットから通販サイト運営の基本知識や参考事例まで徹底解説!

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