ECサイト構築におすすめのCMSとは?各社の特徴を比較したおすすめ9選!

専門知識不要でECサイトを構築したいと考え、CMSの導入を検討している人は多いでしょう。
今回は、CMSをECサイト構築に用いるメリット・デメリットや、ECサイト構築におすすめのCMSを、国内向けと越境ECに適した海外製に分けてご紹介します。

そもそもCMSとは?

CMSとは、Contents Management Systemの略称です。
CMSとはWebサイトを構築するためのシステムで、CMSを利用すると直感的な操作でWebサイトをデザインできます。
CMSを利用してデザインできるWebサイトには、コーポレートサイト、オウンドメディア、ランディングページ、ECサイトなど、さまざまなものがあります。

ECサイト構築でCMSを利用するメリット

まず、CMSにはWebサイトの構築や更新が手軽にできるメリットがあります。
また、ECサイトでは、コーポレートサイトやオウンドメディアなどのWebサイトと比べると、決済や在庫管理をはじめ、多様な機能が必要です。
CMSを利用すればこれらの機能を簡単に実装できます。
以下では、ECサイトの構築でCMSを利用するメリットについて解説します。

HTMLなどの専門知識がなくても簡単に導入できる

Webサイトの構築では、HTMLでページ内の画像やテキストなどの各要素を指定してCSSでレイアウトの調整、JavaScriptでデザインに動きをつけるなど、さまざまなプログラミング言語を使用します。
しかし、CMSではレイアウトを選択して要素を移動させたり、編集したりするだけでWebサイトを構築できます。
多くのCMSは、コーポレートサイトやオウンドメディアなどのWebサイト用とECサイト用に分かれています。
理由は、それぞれ必要な機能や適したレイアウトが大きく異なるためです。前者ではECサイトに必要な機能が備えられていないため、ECサイト用のCMSを利用しましょう。

誰でも簡単に更新できる

CMSはWebサイトの構築だけでなく、その後の運用も簡単にできるようにシステムが組まれています。
ECサイトの場合、コーポレートサイトやオウンドメディアなどと比べて、商品の追加や画像の編集、新商品発売のお知らせ投稿など、構築後にWebサイトを更新する機会が多いです。
しかし、更新時にもWebサイトに関する専門知識が必要となると更新できる人員が限られるため、適切なタイミングで更新できなかったり、引継ぎにも時間がかかったりと複数のデメリットが生まれます。
誰でも簡単に更新できることで業務の属人化を防ぎ、急なトラブルにも対応しやすくなるでしょう。

カスタマイズが手軽に行える

CMSを利用してECサイトを構築すると、機能やデザインを手軽にカスタマイズできる点もメリットです。
AmazonやZOZOTOWNなどのECモール上に出店する場合、そもそもプラットフォームにない機能やデザインは実現できません。
しかし、CMSではプラグインをインストールしたり、CSSを直接編集したりすることで、新たな機能やデザインを追加できます。

必要に応じて機能を加えたり、他社サイトとの差別化を図るうえで自社独自のデザインを組んだりできる点はCMSならではのメリットです。

ECサイト構築でCMSを利用するデメリット

CMSを利用すると構築や更新、カスタマイズが手軽にできる一方、デメリットもあります。
たとえば、カスタマイズの自由度の低さやセキュリティ面の不安などはデメリットとしてあげられることが多い点です。
以下では、ECサイトの構築でCMSを利用するデメリットについて解説します。

カスタマイズできる範囲は狭い

CMSはカスタマイズしやすいものの、カスタマイズの自由度はそれほど高くありません。
独自開発する場合はニーズに応じて機能やデザインを自由に追加できますが、一般向けのCMSは機能性よりも手軽さを重視して開発されているため、ユニークな機能を盛り込むのは難しいでしょう。
ただ、CMSの中でも、サービスによってカスタマイズの幅は大きく異なります。自社で利用したい機能がある場合は、あらかじめどのCMSであれば実現できるかを検討したうえで、利用するサービスを選択する必要があります。

セキュリティ面が不安

CMSのデメリットとしてセキュリティ面の不安もあげられます。
とくにオープンソース型のCMSは要注意です。
オープンソース型とは、CMSを構成する内部のソースコードを公開していることを指します。
ソースコードを公開すると世界中のユーザーがコードを編集して、新たなプラグインやデザインテンプレートを作成できるため、サービスの規模が拡大しやすくなるメリットがあります。
一方で、ソースコードを公開してしまうと、悪意をもったエンジニアからセキュリティ上の欠陥を突かれやすくなるのも事実です。
オープンソース型のCMSを利用する場合は、セキュリティを強化するためのプラグインやソフトウェアを導入すべきでしょう。

独自開発するとコストが大きくなる

CMSを独自開発すると、機能やデザインの自由度が高くなるだけでなく、セキュリティ面のぜい弱性もカバーできます。
しかし、構築にかかるコストも高くなるため、手軽に導入するのは難しくなります。
CMSのデメリットをカバーできる一方、新たにコスト面でデメリットが生じてしまうでしょう。

ECサイト構築でCMSに必要な機能

ECサイトを構築するにはさまざまな機能が必要です。
必要な機能は、構築に入る段階でリストアップしておくとよいでしょう。
Webサイトを構築する際に実装する機能は、フロント機能とバックエンド機能の2種類に分けられます。

前者は顧客が利用するためのシステム、後者はショップ様が利用するためのシステムです。
以下では、ECサイトで求められる機能について、それぞれの分類ごとに解説します。

顧客向けのフロント機能

ECサイトで必須となるのは、商品一覧、商品の検索機能、カート機能、決済機能の4つです。
いずれもECサイトでは当然のように備えられている機能です。
そのため、リストアップを忘れがちですが、Webサイトを構築する際は1から機能を追加する必要があります。
そのほかに近年では、モバイルデバイスから利用するユーザーも多いため、スマートフォン対応も大切です。
また、ユーザーが利用しやすいサイトを作るうえでは、ログインやマイページ、FAQなどの機能も備えておくとよいでしょう。

管理者向けバックエンド機能

バックエンド機能は、ECサイトを管理するスタッフが販売状況や在庫状況、顧客データを管理するうえで必要です。ユーザーからは見えませんが、実務でもっとも多く利用する部分になります。実際に業務にあたるスタッフにヒアリングして、どんな機能があったら便利かをリサーチしておくとよいでしょう。

バックエンド機能の中で必須となるのは、商品の管理機能、顧客管理機能、セキュリティ対策、売上管理機能などです。
商品の管理機能には、受注、発送、在庫の管理なども含まれます。

ECサイト構築の完全ガイド|作り方の種類・費用から手順まで解説【比較表も】

国内向けECサイト構築CMS5選

ECサイトには、国内向けECサイトと越境ECサイトの2種類があります。
越境ECサイトとは、国境を越えて海外のユーザーに商品を販売するECサイトの総称です。
ECサイトを構築するCMSを選ぶ際、国内のユーザー向けに販売する場合と、海外のユーザー向けに販売する場合で利用すべきCMSが異なります。
以下では、国内向けECサイトを構築するうえでおすすめのCMSを紹介します。

EC-CUBE

画像引用元:https://www.ec-cube.net/

EC-CUBEとは、国内でもっとも有名なECサイト用CMSです。
オープンソース型CMSのため、無料で利用できる点が最大のメリットです。
同じくオープンソース型のCMSとしてWordPressも有名ですが、WordPressはECサイトの構築に適していないため、EC-CUBEの利用をおすすめします。
ECサイトに必要な機能はほとんどそろっており、商品登録や受注管理の点ではCSVファイルを利用したインポートやエクスポートにも対応しています。国内における導入実績も豊富です。
オープンソース型のデメリットとしてサポート体制の不十分さはあるものの、書籍や検索エンジンで調べれば多くの情報が得られるため、基本的な操作で困ることはほぼないでしょう。

makeshop

画像引用元:https://www.makeshop.jp/

makeshopは、情報通信大手のGMOグループが運営するCMSです。
導入および運用には、初期費用と月額費用がそれぞれ11,000円かかります。
リーズナブルな価格帯でありながら、豊富な機能を備えており、コストパフォーマンスに優れたサービスです。
機能性の高さだけでなく、デザイン面における自由度の高さもmakeshopの強みです。
170種類以上のテンプレートを備えているうえ、HTMLやCSSの直接編集にも対応しており、独自のデザインを反映できます。
また、オープンソース型のサービスとは異なり、サポート体制も充実しているため、初心者でも利用しやすいサービスです。

Welcart

画像引用元:https://www.welcart.com/

Welcartとは、WordPressにショッピングカート機能を実装するためのシステムです。
WordPressは世界でもっとも利用されているCMSですが、機能の面でECサイトの構築に向いていない点がデメリットでした。
しかし、WelcartのリリースによりWordPressを利用してECサイトを運営できるようになっています。
また、Welcartを利用したECサイトの構築をプロに依頼できるWelCustom、Welcartの機能を拡張できるWelStore、Welcartのサポートを受けられるWelRescue!!などの連携サービスも豊富です。

ecbeing

画像引用元:https://www.ecbeing.net/

ecbeingとは、年商数千万円以上の大規模ECサイトの構築に適したCMSです。
導入や運用にかかる費用は、売上目標やターゲット、機能や課題に応じて見積もりを算出するため、個別の問い合わせが必要です。
ecbeingは数多くあるCMSの中でも売上をあげることに焦点をあてています。
マーケティング系統の機能が充実しており、ユーザーの行動やアクセスの分析に長けています。
一方、主力サービスがECパッケージであるため、自動更新されるクラウド型のサービスと比べると保守費用が高くなりがちな点はデメリットです。

Commerce21

Commerce21とは、中規模以上のECサイトの構築に向いているECパッケージです。
通常のECパッケージはカスタマイズを行わない場合が多いのに対し、Commerce21はカスタマイズを前提として開発されています。
そのため、さまざまなカスタマイズに対して柔軟に対応できる点が魅力です。
たとえば、キャンペーン時の商品名や価格の変更をECモールにも反映したり、在庫を保管している拠点ごとに異なるシステムに連携したりと、ニーズに応じて必要な機能を実装できます。

越境ECサイトに適した海外製CMS4選

E越境ECサイトを構築する際は、多言語対応や海外通貨への対応など、国内向けのECサイトとは異なる機能が必要になります。
そのため、越境ECサイトの構築に適したCMSを選択することが大切です。海外製のCMSで世界的に展開しているサービスであれば、これらの問題をクリアできます。

なお、設計の際はUI(ユーザーインターフェース。ユーザーが利用する各種ページのデザイン)の面で、海外のユーザーにもわかりやすいデザインを実現できるよう心がけましょう。
以下では、越境ECサイトに適した海外製CMSについて解説します。

Shopify

画像引用元:https://www.shopify.jp/

Shopifyは、世界的に有名なECサイト構築用のCMSです。175か国以上で利用されており、日本ではなじみのない決済方法にも数多く対応しています。
料金体系は、月額29ドルのベーシックプラン、月額79ドルのスタンダードプラン、月額299ドルのプレミアムプランの3種類です。
また、Shopifyのプラットフォーム上に機能を追加できるアプリが2,000以上もリリースされています。基本的な機能は月額費用のみでまかなえるものの、必要に応じて機能を拡張できる点で、料金体系はShopifyのメリットです。

Adobe Commerce

Adobe Commerceは、オープンソース型CMSです。
無料で利用できるCommunity Editionのほか、有償ライセンスが付与されるEnterprise Edition、Enterprise Cloud Editionもあります。
Adobe Commerceの特徴は、複数のWebサイトを一元管理できる点です。越境ECサイトでは、多言語に対応するケースも多く、プロモーションサイトやECサイトを複数用意することもあります。その場合、管理が煩雑になりやすい点がデメリットですが、Adobe Commerceであればドメインの異なるサイトであってもまとめて管理できます。

osCommerce

osCommerceは、オープンソース型のドイツ製CMSです。2000年にローンチされたサービスで、20年の歴史があります。
osCommerceの魅力はオープンソースならではの豊富なアドオンです。アドオンの種類は9,000以上にものぼり、インストールするだけでさまざまな機能を追加できます。
また、osCommerceでは、ユーザーがスムーズにログインや購入をできるカートシステムを備えています。そのため、購入を検討しているユーザーの離脱防止にもつながるでしょう。

Zen Cart

画像引用元:http://zen-cart.jp/

Zen Cartは、osCommerceから派生したCMSです。osCommerceよりも日本向けのカスタマイズが充実しており、日本で越境ECを運営するユーザーに最適化されています。
国内向けのECサイトはもちろん、他言語、多通貨に対応しており、越境ECサイトの構築にも適しています。
商品ページにおける購入者レビューの閲覧、複数の配送先登録など、ユーザーの利便性を向上させるための仕組みも豊富です。
また、WordPressやGeeklogをはじめとする各種CMSとも連携可能です。メディアサイトとECサイトの連携により、集客や販促に力を入れやすい仕組みになっています。

まとめ

ECサイトを構築する際はCMSを利用するのがおすすめです。CMSの利用により手軽かつ本格的なECサイトを構築できます。さらに、ECサイト用のCMSでは基本的な機能がすべてそろっているうえ、ユーザーを購入に導くための工夫もなされています。 ECサイトを選ぶ際は、販売先が国内か海外か、フロントエンドとバックエンドで必要な機能の2点から検討すべきです。適切なCMS選びは売上をあげやすいECサイトづくりにつながります。

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