2022最新版!ECパッケージとは?シェアや市場規模などから7社を徹底比較
ECパッケージのメリットは、端的にいえばカスタマイズの自由度が高いことです。
そのため自社のECサイト運営に必要な機能を網羅できます。しかし一方で費用が高いなどのデメリットも。
当記事ではECのパッケージシステムを選ぶ際のポイントや、おすすめのパッケージを徹底比較・解説します。ぜひECサービスを選ぶ際の参考にしてください。
ECパッケージとは?
ECサイトを作るためには土台となるプラットフォームが必要です。プラットフォームにはいくつか種類があり、その中のひとつにECパッケージという選択肢があります。
ECパッケージとは、ECサイトの構築・運営に必要となるさまざまな機能を備えたショッピングカートシステムです。
まず、ECサイトの基本機能として商品や在庫の管理。
さらに、ページの見た目やユーザーの導線を整えるための編集機能や外部システムとの連携など、サイトを作っていく上で求められる機能がひとつのパッケージとしてセットされたもの、とイメージするとよいかもしれません。
実際にネットショップを立ち上げる際は、このパッケージされた機能を基礎とし、必要に応じてカスタマイズを加えていくことで構築していきます。
ECパッケージを選ぶなら知っておきたい選定ポイント3選
カスタマイズの幅が広く機能も充実しているECパッケージは、ある程度の規模を見込めるサイトの構築手法として人気です。
需要の多さに比例し、サービスを提供している企業も数多あります。
そのため、最初はどのECパッケージを採用すればよいか迷う方も多いでしょう。
無償か有償か?まずは費用を比較
新たに事業を立ち上げる、もしくは大幅にリニューアルをする際、当然各段階で相応のコストがかかります。できることなら、抑えられる費用は抑えたいところですよね。ECパッケージでサイトを構築する際、なるべく安価にする方法はないのでしょうか?
実はECパッケージは、大きく無償のものと有償のものに分けられます。オープンソースと呼ばれるものは無償でダウンロードが可能で、有償のものは販売会社から買い取る形になります。
後者の予算感はまちまちではありますが、最低でもおおよそ500万円程度はかかると見込んでおいてよいでしょう。
そう、有償のECパッケージはある程度高額なのです。「だったら無料のほうがいい!」と思われるかもしれません。たしかにオープンソースを選んだほうが、コストは格段に抑えられます。
ただし、社内にサイト構築に詳しく技術を持った人材がいない場合、あまりおすすめはしません。
なぜならオープンソースの場合、ダウンロード後のカスタマイズや、万が一不備が生じた場合の対応などをすべて社内で賄わなくてはならないためです。
その点有償のECパッケージであれば、カスタマイズやサポートを販売会社に任せられるケースが多いです。
自社のやりたいことが叶えられる機能は実装されているか?
これから運営していくネットショップをどんなものにしたいのか、きちんとイメージを持っておくことも重要です。
実店舗を持っているので、そちらとリアルタイムで在庫情報を共有したい。ECサイトとオウンドメディアを並行して運営したい。決済方法は多様なほうがいい、などなど。
ユーザー目線になって、どんな機能があればよりサイトが使いやすいものになるかをよくシミュレーションすることをおすすめします。
そうしているうちに、自分のサイトに“欲しい機能”が見えてくるはずです。それをきちんと網羅できるかどうかが、ECパッケージ選定のポイントのひとつとなります。
さらにいえば、サイトの表側だけでなく裏側、管理画面の使いやすさなども事前に確かめておきましょう。
実際にそのパッケージシステムを利用している他社のサイトを見てみたり、デモンストレーションをおこなうことが有効です。
システム会社の対応力、管理方法を確認しておく
当たり前のことですが、ECサイトは作って終わり、ではありません。
オープンさせた後に運用していく中で、社内でどの程度トラブルやメンテナンス事項に対応ができるのか、もしそれがまかなえない場合は、システム会社から十分なサポートを受けられるかどうかはぜひ重要視すべきです。
EC構築後も運営面でしっかりとしたサポートを受けたい場合は、ECサイト構築サービスmakeshop(メイクショップ)をご利用ください。
パッケージではなくASPという種類にはなりますが、安心のセキュリティ・サポートと豊富な機能を搭載しています。
さらに、ECパッケージのようにカスタマイズしたい方・大規模サイトを作りたい向けの「makeshopエンタープライズ」というプランもございます。15日間の無料体験から始められるので費用や準備も要りません。
おすすめECパッケージ比較7選
それではここから、人気のものを中心におすすめのECパッケージサービスをご紹介していきます。
(各パッケージサービスの導入事例として記載している企業・サイトは、2022年5月時点で各社HP等の情報を参考にしています)
ecbeing
導入事例:ABC-MART、JAL、SHIPSなど
ECパッケージの中でNo.1のシェアを誇るのがecbeing。導入実績はなんと1,400サイト以上で、さまざまな業種・業態で導入実績があります。
強みは開発部隊とマーケティング部隊による手厚いバックアップ体制。柔軟なカスタマイズ対応が可能で、サイト運営のコンサルティングまで任せられます。
ecbeingがおすすめなのは、中~大規模の企業。スモールスタートを望む企業にはあまり適していないサービスです。
※No.1:公式サイト発表より
EC-Orange
導入事例:Tabio、H.I.S.、ROYAL CANIN、パリミキなど
導入実績960社以上のEC-Orangeの特徴は豊富な外部連携。ECとPOSの在庫データを連携できるので、ネットとリアル店舗でオムニチャネル化を推進したい企業におすすめのサービスです。
EC-Orangeはまた、オープンソースのEC-CUBEを基に構築されています。そのためサイト保守の内製化ができますが、同時にセキュリティ面などでリスクも伴います。
コマース21
導入事例:講談社、PAL CLOSET、トイザらスなど
コマース21の提供会社はECサイトの構築を専門としたベンダーです。年商100億を超えるサイトのシステム構築経験もあり、とにかくECサイトに関してのノウハウ・実績に富んでいる点が大きな強み。
機能の自由度も高く、大量なデータの取り扱いにも対応ができますが、その分費用はお高め。ある程度の規模を見込んでおり、かつ資金力に恵まれた企業であればおすすめです。
ebisumart
導入事例:NTT西日本、YAMAHA、CASIOなど
ebisumartはカスタマイズが可能なクラウド型のECパッケージです。最大の特徴は、その最新性。クラウド型であるため、システムを常に最新状態に保てます。
週1回自動的にバージョンアップがおこなわれるため、利用者側でのシステム更新が必要なく、他のECパッケージでかかるようなシステム改修の費用がかかりません。
ただし、あくまでもクラウドシステムであるため、それ自体が会社的に使用できないという場合もあるでしょう。また、まだまだ事例数が多くない点も懸念事項かもしれません。
SI Web Shopping
導入事例:ピーチ・ジョン、UCC、とらのあななど
導入実績は1,100件以上、20年以上の歴史をもつECパッケージです。近年、小売業界のスタンダードとなりつつあるオムニチャネル化に必須である柔軟な連携性や、統合された顧客基盤などを実現します。
こちらのシステムは大規模サイト向け。費用も高額となるため、すでにある程度の基盤を持った大企業におすすめです。
HUE
導入事例:コープデリ、ダスキンなど
HUEは大手企業向けのERPシステム「COMPANY-EC」と連携したパッケージシステムです。ERPとは、Enterprise Resources Planningの略。
企業を構成する資源や要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を各部署に適切に分配し、友好的に活用する考え方のことで、一般に「基幹系情報システム」を指します。
HUEの導入でかなえられるのは複数業務のシステム一元化。業務プロセスを最適化し、効率アップに貢献します。また、最新の機能を無償で追加してくれる点もポイントが高いでしょう。
ただしこちらも、機能面の充実したシステムの例にもれず費用が高くつきます。また、そもそもCOMPANY-ECの導入を考えていない企業にはおすすめできません。
eltex DC
導入事例:ユニバーサルミュージック、ロイヤルホームセンターなど
大規模サイト向けのサービスが多い中、小規模ECサイトにもおすすめできるのがこのeltex DCです。拡張性が高く、ECサイトの業務は一通り網羅できます。
分析機能やプロモーションツールも充実しているので、マーケティング活動にも貢献し、カスタマイズ面でも柔軟性に富んでいます。
ECパッケージのメリット
ここまでお読みいただいて、なんとなくECパッケージがどのようなものであるかはおわかりいただいたかと思います。
ですがまだ、「実際に自分の作りたいサイトにECパッケージが適しているかどうか?」の判断はしにくいかもしれません。
そこでここからは、ECパッケージのメリットとデメリットをご紹介していきます。まずはメリットから。
ECサイトの運営に必要な基本機能を網羅している
ECパッケージには、ネットショップを立ち上げて運営していくために必要な一通りの機能が備わっています。多くのサービスで、その充実度は申し分ありません。
基本の商品・在庫の管理はもちろん、顧客管理や注文管理、メールの配信、アクセス履歴や売上の分析機能まで幅広く設定が可能です。
カスタマイズの自由度が高い
無料のASPカートサービスなどに比べ、多くのECパッケージでは幅広くカスタマイズの選択肢が用意されています。
なぜなら、もともとECパッケージ自体がカスタマイズされることを前提に作られているため。利用者は自社のユーザーニーズにあわせ、必要な機能をサイトに加えていくことができます。
セキュリティ面の安心感
ECサイトでは顧客の大切な情報も多く扱うことになるので、セキュリティ面はとくに気を付けたいところ。その点、ECパッケージには高い安心感があります。
といいますのも、ECパッケージの制作会社は、その開発内容を明らかにしていません。そのためシステム内部の仕組みは制作会社の開発担当者にしかわからず、外部からのウイルスなどによる攻撃に強いのです。
ただし、セキュリティ面で安心できるのは有償のパッケージの話。
先ほどご紹介したオープンソースの場合は誰でも解析可能なため、悪意を持ったユーザーが脆弱性をついてサイバー攻撃をする可能性もあります。
ECパッケージのデメリット
続いて、ECパッケージのデメリットもご紹介します。メリットとともに、ぜひご参考にしてみてください。
導入のコストが高い
すでにお伝えしておりますが、有償のECパッケージは決して安価ではありません。充実した機能がセットになっているサービスですので、そのぶん導入に際してのコストは高くなります。
そのため、ある程度の売上を見込める中~大規模なサイト、かつ初期の資金力に余裕のある企業でなければ導入は難しい可能性があります。
システムの最新性を保てない
もうひとつ、ECパッケージの弱点としてよく挙げられるのが、時間が経つとシステムが古くなってしまうという点です。
ECサイトのシステムに限らず、ネット関連のツールの変化には目まぐるしいものがあります。スマートフォンの新モデルが発表される頻度を考えてみて頂ければ、おわかりになるでしょう。
最新のシステムを導入しても、翌年にはさらに新しいものが開発されています。
常に変化するトレンドやニーズに応えられるサイトであるためには、システムは定期的にメンテナンスし、アップグレードをする必要があります。
当然その分コストはかかりますし、パッケージシステムの提供元企業とは密な連携が欠かせません。
まとめ
ECパッケージという構築手法を一言でまとめるなら、「値は張るけれど満足度の高いECサイト構築スターターキット」といったところでしょうか。
ショッピングカートASPやモールへの出店に比べるとハイリスク・ハイコストですが、そのぶん高いリターンも望めます。資金力に不足がなく、これからどんどん売上を作っていきたい企業・店舗にはぜひ導入をおすすめしたい手法といえるでしょう。
この記事でご紹介した主要なサービスの内容や、ECパッケージそのもののメリット・デメリットをよく吟味して、ぜひご自身のサイトに最適なシステムをお選びください。