ECサイトで成功する7つの成長戦略!売上UPのコツから成功事例まで徹底解説
ECサイトの戦略はどのように立てれば成功するのでしょうか?
こちらの記事では、EC戦略のトレンドに触れつつ、ユニクロ、ヨドバシカメラ、イオン、資生堂など、大手各社の事例についても解説していきます。
ぜひあなたの事業でも参考にしてみてください。
ECサイトにおけるマーケティング戦略の基本
かのピーター・ドラッカー曰く、マーケティングの目的とは「販売を不必要にすること」。
商品やサービスを提供するターゲットについて深く理解をし、積極的な販売活動をおこなわずとも自然と売れる仕組みをつくることがマーケティングであり、そのための戦略をマーケティング戦略と呼びます。
ECサイトを運営するにあたっても、その市場や顧客にみあったマーケティング戦略が存在します。
セオリーとして確立している、ECマーケティングの基本施策をご紹介しましょう。
ECサイトの売上の考え方
具体的な施策をみる前にまず、ECサイトの一般的な売上の考え方をおさえていきます。ECサイトの売上は、以下の方程式で算出します。
売上=集客×CVR(購入率)×客単価
集客とはサイトを訪れたユーザーの数。
そのうちどれくらいの割合の人がサイト上で購入に至ったかがCVR。
そして、一回の購入金額を示したものが客単価です。
ECサイトではこの3つの要素それぞれの改善を図ることで、売上を伸ばしていきます。
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競合サイト分析
新しくサイトを立ち上げる際、もしくはリニューアルする際は、扱う商材の競合サイトをよく研究する必要があります。
ライバルサイトについて知ることはそのサイトの顧客について知ることにつながり、ひいては自サイトにとってのターゲットを理解できるようになるのです。
ECに限らず、マーケティングの第一歩は顧客理解から始まります。
市場を深く知るために、競合サイト内での導線の作り方・広告の出し方・商材の見せ方などを注意深く観察してみましょう。
WEB広告
ECサイトの集客の主戦場はWEB上です。
WEB上に出す広告によって、商品やサービス、サイトそのものの認知度を上げ訪問者数の拡大を目指します。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面で上部に出てくる「広告」と打たれたサイトや、ブログサイトなどで画像バナーとともに出てくるサイトは広告枠を利用しています。
これらの広告枠には検索されたワードとの関連性や、検索エンジンで蓄積されたユーザーの行動にあわせ、より興味を抱きそうなものが表示される仕組みです。
商品やサービスに関心をもってくれる可能性の高いユーザーに対しアピールができるので、集客効果や新規顧客の獲得も期待できます。
レビューの充実
実店舗と比較した際のECサイトの弱みは、新規ユーザーの商品やサービスに対する信頼度をあげにくい点です。
洋服を例にするとわかりやすいでしょう。
実店舗では気になった商品を試着して自分に似合うかどうか試せますし、素材感を実際に手で触って確かめることもできます。
ケアの仕方やおすすめのコーディネートを店員に訊いてから購入を決めるという人もいるでしょう。
ですが、ECサイトでは基本的にそういったことはできません。
ユーザーは画面上の情報から商品・サービスの良し悪しを判断して購入に至ります。ここで「カートに入れる」ボタンを押してもらい、CVR(購入率)をあげなくてはいけません。
そんなとき、購入の後押しとなりやすいのがレビュー、「お客様の声」の存在です。
実際にその商品やサービスを使ったことのある消費者の声は、新規ユーザーの購入に対する不安感を解消する効果があります。
クーポンやポイントの配布などで積極的にレビュー促進を図ることでCVRの向上が期待できます。
メールマーケティング
サイトを利用したユーザーに対しおすすめ商品やセールなどイベントのお知らせ、購入促進のクーポンなどをメルマガで送ることをメールマーケティングと呼びます。
メールマガジンを配信することによって、ユーザーの訪問で発生するCVR・購入単価(=客単価)を越えて、顧客のLTVを向上させるのに役立ちます。
LTVとはLife Time Value(生涯購入金額)。
顧客ひとりがそのサイトで使う金額の総計を指す言葉で、購入単価や購入頻度などによって計算できます。
LTVの高い顧客が多いほど、サイトの売上はアップします。
そのためには、購入頻度の高いリピーターを増やさなくてはいけません。
効果的なメールマーケティングを実行するうえで肝心なのは、受け取る顧客に対して最適化された情報を提供すること。
顧客一人ひとりの購買行動にあわせた内容のメルマガを送ることで、より再来店を促しやすくなります。
ECサイトのマーケティングについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
クーポンやポイントの配布などで積極的にレビュー促進を図ることでCVRの向上が期待できます。
ECサイトで成功する7つの成長戦略!売上UPのコツを解説
それではここからはより踏み込んで、ECサイトの売上向上のための成長戦略をご紹介していきましょう。
WEBマーケティングの世界は流れがはやく、新しく効果的な戦略はすぐにトレンドとして多く実践されるようになり、やがて定着します。
ここからご紹介する7つの戦略も、ここ数年で定番化したものばかり。
「みんながやっていることと同じことをして効果があるの?」と思われるかもしれませんが、実績のあるアイディアは試す価値があります。まずは正攻法をおさえていきましょう。
もしより細かな日々の運用業務について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
1.売上最大化を狙った複数モール展開
売上を最大化するために、顧客との接点=チャネルを増やす施策のひとつとしてWEB上の販売窓口を複数設ける戦略です。
ECサイトのスタイルにはモールへの出店と自社ECのオープン、2種類が存在します。それぞれにメリット・デメリットがあり、かつモールごとに少しずつターゲット層が異なります。
国内でいえばモールのトップは楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング。
これら3者は認知度も高く、欲しいものがあるときに検索エンジンではなく直接モールEC内で探す、というユーザーも少なくありません。
そのため、モールに出店して知名度を高めて新規顧客を獲得、自社ECではブランディングを徹底してショップのファンを作る、といった戦略を立てられます。
ただし、複数のモールへの出店にはコストがかかります。業務面でも労力がかかりますので、金銭的・人的にリソースが十分に確保できているかを事前に確認しましょう。
2.ネットとリアルを融合させたオムニチャネル戦略
チャネルを複数に増やして売上の最大化をはかる施策としては、ここ数年はオムニチャネル戦略が定番化しています。
オムニチャネルは、顧客に対し複数のチャネル(実店舗、ネットショップ、SNSアカウントなど)でシームレスな買い物体験を提供することです。
たとえばオンライン注文した商品を送料無しで実店舗にて受取可能にする、店頭に在庫のない商品をオンラインで購入できるようにする、などが具体的な施策となります。
このようにして顧客の満足度を高め、ロイヤリティの高いリピーターを増やすことがオムニチャネルの目的です。
オムニチャネル化の推進は現場判断でできるものではありません。
在庫管理や物流面など根幹部を整える必要がありますので、実践する際は全社一斉に取り組むことが求められます。
なお、オムニチャネルではECサイトの購入比率があがり、実店舗が打撃を受けやすいというデメリットも存在します。
成功すれば実店舗とECを含め、ブランド全体を顧客に印象づけファンを作りやすくなりますので、リアルとネットの相互送客に力を入れるとよいでしょう。
3.海外に向けた越境ECの展開
ここ数年、日本のみならず世界中で活況をみせている越境EC。展開するメリットとしては、リアルで国外出店するよりも低リスク・低コストで海外の顧客に製品やサービスをアピールできる点。
また、実店舗があればインバウンド客の店舗送客にも役立ちます。
現在、日本の越境ECの主な取引相手国は中国とアメリカ。取引額は年々増加傾向にあります。
越境ECをはじめるなら、ターゲットとしたい国の顧客に強いモールへ出店するのがおすすめです。
たとえば中国ならば、「天猫(T-mall)」と「京東(ジンドン)」の2大モールがよいでしょう。
出店コストはかかりますが、集客力が期待できます。
また、より低リスクでスモールスタートを切りたいのであれば、「転送コム」を利用すれば最小限の越境ECをはじめられます。
4.アプリを展開した顧客の囲い込み
スマホの普及率が高まったことにより、効果的なマーケティング手法として登場したのが公式アプリの開設です。
来店クーポンをアプリ上で配布する、メルマガよりも目に留まりやすいプッシュ通知でお知らせを配信するなどが可能になります。
アプリの開発には相応の資金やノウハウが必要。
こちらも複数モール展開、オムニチャネルなどと同じくハイコストかつハイリターンな施策の部類に入るでしょう。
5.SEOを意識したコンテンツマーケティング
検索結果画面でより上位に自サイトを表示させるための対策をSEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)施策と呼びます。
SEOを成功させるためには、サイト内で顧客にとって満足度の高い充実した内容のコンテンツを用意する必要があります。
これがコンテンツマーケティングです。
他に紹介する施策に比べシステムの開発など大きなコストはかかりませんが、そのぶん効果が出るまでに労力と時間を要します。
6.マーケティングオートメーション施策の実施
マーケティングオートメーションとは、WEBマーケティングのプロセスのうち一部を自動化することです。
たとえばメルマガやアプリのプッシュ通知を、顧客のサイト上の行動履歴にあわせて内容を変えて出しわけます。
マーケティングオートメ―ションを導入すると、業務が効率化するうえで、より顧客一人ひとりにあわせた効果的な施策が打てます。
ただし、導入したからといってすぐに目に見えて売上がアップするような施策ではありません。
7.SNSを活用したソーシャル施策
LINE、Instagram、Twitter、FacebookといったSNSを活用する施策です。
直接利益につながるわけではありませんが、これらのメディアも重要な顧客とのコミュニケーション機会につながります。
ソーシャルメディアは拡散性が高いため知名度向上の施策を打ちやすく、かつ、カスタマーレビューのように顧客自身に商品やサービスに関する情報を発信してもらえる可能性もあります。
【事例】成功するEC戦略とは?各社の現状と今後の展開
それでは、実際に戦略を実践して成功した事例をみていきましょう。
※事例は各社サイト・IR等を参照し解説しております。
ユニクロ
コロナ禍の最中、2020年3月~5月期のECの業績で前年比147.7%を達成したユニクロ。
EC売上高は通期で1,000億円を突破する勢いです。
ユニクロは店舗、アプリ、ECを活用したオムニチャネル化が成功した事例です。
緊急事態宣言下で実店舗を稼働できない間も、デジタル広告やTVCMで積極的にEC送客をし新規顧客を獲得しました。
ここ最近では、公式アプリに加えて商品の着こなしを検索できるアプリ「StyleHint」をスタート。よりユーザーのファン化に貢献しています。
ヨドバシカメラ
印象的なCMソングでお馴染みのヨドバシカメラ。こちらもECサイト、ヨドバシ・ドットコムと実店舗の相互連携が巧みな事例です。
その成功を支えているのが、在庫と物流。
もともと出店エリアが都心部の駅前だったヨドバシカメラは、大型家電に関しては店頭購入の場合でも倉庫から直接配送する仕組みが成り立っており、ネット通販の推進も比較的スムーズだったのです。
なお、2016年にスタートした「ヨドバシエクストリーム便」は、なんと最短2時間30分で荷物を配送するというスピード感でさらに顧客満足度を高めました。
イオン
大手スーパーのイオンはグループ戦略として、デジタルシフトの推進を掲げています。
その一環として19年11月、AIやロボティクス機能を活用した次世代ネットスーパー構想を発表。
英国のOcadoSolutionsと提携し、同社がもつネットスーパーとしてのフルフィルメントや宅配のノウハウを反映させていく予定です。
ウォルマート
続いての事例は米国から。
世界最大のスーパーチェーンウォルマートは、数年前からEC事業に注力しており、今や国内トップクラスのEC企業となっています。
従来もっていた店舗網を活かした物流が同社の強み。店舗に配送拠点の役割を担わせることで配達の効率化に成功しています。
また、店舗受取のサービスも強化。オンラインで購入した商品を配送料無料でスムーズにピックアップできるようにしました。
ウォルマートは強敵Amazonに対抗するため、ベンチャーやDtoC-EC企業を多く買収してきました。
これにより新たな戦略や顧客層を取り入れ、事業の成長を促しています。
資生堂
2019年、プレステージブランドやメイド・イン・ジャパンのコスメティクスブランドへのマーケティング投資、イノベーション創出と共にWEBマーケティングに注力した資生堂は昨年比103.4%の売上1兆1315億4700万円を記録。
EC分野で成長が目立ったのが対中国事業。
中国のネット通販大手との協業が功を奏し、売上高は2,162億円にのぼりました。
とくに中国経済圏のビッグイベントである「独身の日(ダブルイレブン)」ではネットリアルともに大きな進歩を遂げ、2016年のデータに比べてEC売上は40%増、EC比率は30%にまで成長しました。
資生堂は今後も対アメリカ、中国の越境ECに力を入れていく見込みです。
ニトリ
リーズナブルな価格で人気のインテリア販売会社ニトリは、EC事業が好調です。
2020年2月期の決算発表ではECの売上が前期比の14.6%増をマーク。
これはコロナウイルス感染拡大の影響により自宅で過ごす人が増えてインテリア需要が増加、かつ実店舗の休業要請などで通販利用が活発化したことも一因でしょう。
ニトリはO2O施策に力を入れており、その一環として公式アプリをリニューアル。
雑誌やネット上の写真からオンラインショップ上の類似商品を見つけられる画像検索機能や、店内図の検索機能を追加し、よりユーザビリティを高めました。
また、EC事業では海外顧客をターゲットにした越境ECを積極展開しています。
中国、台湾などで事業の拡大に成功しました。
O2Oについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ニューバランス
ニューバランスがEC戦略において重視しているのが、顧客満足度の向上です。
直接のコミュニケーションが難しいチャネルであっても顧客からの信頼を得るため、ユーザーに寄り添った施策を実践しています。
たとえばECサイトに掲載されている「お客様からの声」ページ。実際に寄せられたユーザーからの意見とそれに対する改善策を見える化しています。
倉庫にはEC専任のスタッフを配置し、検品や出荷作業の質を向上。
そのほか、ユニークな取り組みとしてはECサイトにもかかわらず、電話受注も受け付けている点。
ネットリテラシーの高くない顧客にもうれしいサービスです。
オムニチャネル化やWEB接客の導入など、ユーザビリティ向上につとめるニューバランス。
今後はカスタマージャーニーの設計に注力し、顧客一人ひとりの消費活動にあわせたマーケティング施策を打ち出していく見込みです。
ECサイトの売上UPや目標達成するためにおさえておきたい本
おすすめ本:沈黙のWEBマーケティング
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WEB上で「成果を上げる」ためのマーケティングのノウハウをまとめた入門書。
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おすすめ本:ECサイト×ブランディング
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まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ECマーケティング戦略の基本から成功事例、おすすめ書籍までご紹介しました。
ぜひこれらの中からヒントを見つけ、ECサイトの売上アップにお役立てください。