
ECサイトのリニューアルを成功させる10個のポイント!手順や費用感
ECサイトのリニューアルを実施すべきタイミングやポイント、手順を詳しく紹介しています。費用相場についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ECサイトのリニューアルは、見た目を新しくするだけではなく、売上アップにつながるものでなければなりません。
そのため、「スマホで見づらい」「表示が遅い」などの課題を明確にし、目的をもってリニューアルを実施することが重要です。
とはいえ、リニューアルのタイミングや、気をつけるべきポイントがわからない方も多いと思います。
そこで本記事では、ECサイトのリニューアルを実施すべきタイミングやポイント、手順を詳しく紹介します。費用相場についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ECサイトリニューアルのタイミングは?

ECサイトのリニューアルのタイミングは、何かしらの課題や問題が生じているときが基本です。
なかには、「今よりもっと見栄えをよくしたい」「なんとなく変えたい」などの理由でリニューアルを検討する方もいるかもしれません。
しかし、ECサイトのリニューアルを実施する本来の目的は、サイトが抱える問題やユーザー体験などの課題を解決すること。
そのため、「なぜリニューアルが必要なのか?」という理由が明確かどうかが、成功と失敗を左右する大きなポイントとなります。
ここでは、リニューアルを検討すべきタイミングや課題をケース別に紹介しつつ、リニューアル時のポイントもあわせて解説します。
システムの老朽化
どのようなECサイトも、立ち上げた当初は最新のシステムで構築されていますが、何年か経つと老朽化します。
すると、エラーや遅延が頻繁に発生したりセキュリティが弱くなったり、最新のネット技術に対応できなくなったりします。
とくに注文処理や在庫管理、決済システムなどでトラブルが起き始めた場合は、業務に大きな影響をおよぼす可能性も。
サポートが終了しているような、古いバージョンのプラットフォームやCMSを使っている場合、SSLや脆弱性への対策ができないなど、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクも高まります。
また、システム自体が古く動作が重くなると、表示速度が遅くなって離脱率を高める可能性もあります。
サイトの安全性を高めてユーザーの離脱を防ぐためにも、老朽化したシステムは入れ替えましょう。
リニューアル時のポイント
システムが老朽化している場合、まずは現状を把握しましょう。そのうえで、必要に応じて移行や再構築を検討します。
たとえば、ShopifyやSTORESなどのクラウド型ECプラットフォームに移行することで、最新のシステム環境を保てるようになり、サイトの動作が安定します。
また、オープンソース型で構築している場合は、最新バージョンへのアップデートをしましょう。現在のECサイトに必要なシステムがないと判断した場合は、カスタム開発も視野に入れるとよいでしょう。
サイトの移行時は、以下のデータの抜け漏れがないように、慎重に計画を立てたうえで実行します。
- 商品データ
- 顧客情報
- 注文履歴
- メディアデータ
- カテゴリ構成や商品タグの設定
なお、最新の暗号化技術(TLS1.2以上)対応や、定期的なセキュリティ診断を導入することで、セキュリティが強化されてサイトの安全性が向上します。
事業拡大による機能面の不足
立ち上げ当初は十分だった機能も、事業規模が大きくなるとだんだん不足の部分が生じてきます。
たとえば、取り扱い商品が増えるとサイト内のカテゴリが複雑になったり、検索しても目的の商品を見つけられなくなったりする可能性があります。
また、多店舗展開・海外展開などを検討している場合、システムが多言語・多通過や決済・配送方法に対応できないケースもあるでしょう。
このように、売上をさらにアップさせるための販促施策がおこなえなかったり、利用したい外部システムとの連携ができなかったりする場合は、新規のサイトへの移行が必要になることもあります。
リニューアル時のポイント
事業拡大にともなう機能面の不足を感じているケースでは、より大規模なECサイトに対応できるシステムへの移行を検討するタイミングです。
たとえば、「Shopify Plus」や「Salesforce Commerce Cloud」といったサービスであれば機能の拡張性が高く、外部システムとの連携も可能です。
また、海外展開を検討中で、運営中のサイトが越境ECに対応していないのであれば、海外向けのECサイトを新しく構築しましょう。
多言語対応・多通貨表示・各国に対応した決済手段は、越境ECには必須のシステムとなります。
近年のECサイトでは、いかに「パーソナライズできるか」も売上アップに大きく影響します。
そこで、CRMツールを導入し、閲覧履歴にもとづいたおすすめ商品の表示や会員ランク制度、クーポン配布などを組み合わせることで、マーケティング面の強化も強化しましょう。
レスポンシブなどスマホへの対応
昨今、ECサイトを閲覧する多くのユーザーがPCではなくスマホやタブレットを利用しています。とくにtoC向けの商材であれば、その傾向は強いでしょう。
そこで、以下のような症状がみられた場合、早めのリニューアルがおすすめです。
- スマホからの直帰率・離脱率が高い
- ページの読み込みスピードが遅い
- スマホ画面ではボタンが小さく押しづらい
Googleの検索アルゴリズムでも、サイトがモバイル対応しているかどうかが重要視されています。ここで評価を落とされると検索順位が下がり、機会の損失につながりかねません。
なお、スマホからのアクセスが多いわりに売上の大部分がパソコンからの場合、スマホでの表示や操作性になんらかの課題があると考えられます。
リニューアル時のポイント
スマホからのオンラインショッピングが増加している今、「モバイルファーストデザイン」を基本にしたUI・UXの最適化は避けられない要素といえるでしょう。
たとえば、小さな画面サイズでも押しやすいサイズのボタンや配置。読みやすい文字サイズ・鮮明な画像・画面内におさまるコンテンツの表示などを意識した設計は必須となります。
さらに、サイトの読み込みスピードを高めるために、圧縮効率が高い「WebP(ウェッピー)形式」で画像を軽くしたり、AMP対応によってモバイル表示の高速化を図ったりするのも効果的です。
Google Search Consoleの画面左にある「エクスペリエンス」をクリックすると、「ウェブに関する主な指標」という項目が表示されます。
「ウェブに関する主な指標」をクリックすると、モバイルとPCの両サイトのモバイルフレンドリーの指標を確認できます。
「良好」と表示されていればモバイルフレンドリーなサイトと判断できるため、一度チェックしてみてください。
デザインやUX(ユーザー体験)の劣化
デザインやUX(ユーザー体験)は、ECサイトの印象に大きく影響する要素です。
とくに、古いデザインのままサイトを運営していると、「見た目の古さ」や「操作のしづらさ」がネガティブなイメージを強めることになりかねません。
機能面に問題がない場合でも、訪問者に魅力が伝わらなければ、「売れるECサイト」にはならないのです。
また、訪問者が探したい商品が見つけにくい構造だったり、決済までステップが長かったりすると購入されにくくなり、売上機会の損失につながります。
リニューアル時のポイント
デザインやUX面で問題がある場合は、思い切ってトレンドを取り入れたリニューアルを検討しましょう。
たとえば、シンプルなレイアウト、ブランドカラーとフォントの統一、高品質な画像・動画の活用などを取り入れることで、視認性と訴求力を高められます。
さらに、以下のようにユーザー目線で「使いやすいサイト」を意識することで、コンバージョンにつながりやすいECサイトへと改善できるでしょう。
- 購入ボタンをわかりやすい色・サイズ・場所に変更する
- 決済までのステップを最小限
- 検索機能を強化して絞り込みやすくする
- ナビゲーションメニューを整理して、目的の商品を見つけやすくする
- レビューや口コミをみやすい位置に配置する
このように、デザインやUXに直結する部分を改善していくことで、離脱されにくく購入されやすいECサイトを構築できます。
SEOや集客の問題
インターネット上の検索結果から集客するのであれば、SEOはアクセスや売上に大きく影響します。
SEO対策が不十分な場合や、サイト構造が検索エンジンに評価されにくい状態であれば、検索順位を上げるのは困難です。
検索結果の1ページ目に表示されていたページが圏外になっていたり、Google Analyticsで「オーガニック流入」が減っていたりする場合は要注意。
SEOの弱さを感じる場合は、コンテンツの改善だけでなく、サイト全体の構造や表示速度など多方面からの改善が必要となります。
リニューアル時のポイント
SEO対策を目的としたリニューアルは、「検索エンジンに評価されること」を最優先で考えます。
サイト自体の階層をシンプルにするためにカテゴリページを整理したり、重複やばらつきのあるURLを統一したりすることで、クローラビリティの向上を目指せます。
また、検索意図に沿ったコンテンツの強化も実施しましょう。
ターゲット層の悩みを解決するブログ記事やQ&Aページを用意し、販売中の商品につなげて使用シーンなどを紹介するのも有効です。
構造化データを活用してリッチスニペット(検索結果に表示されるサイト内の情報)を狙えば、クリック率の改善も期待できます。
ECサイトリニューアルの成功ポイント10選

ECサイトのリニューアルは、将来の成長のための投資です。せっかく費用をかけるのだから、最大限の成果を得たいですよね。
そこで知っておきたいのがECサイトリニューアルを成功させるためのポイントです。
ここからは、ECサイトをリニューアルする際におさえておきたいポイントを10個紹介します。

1.ECサイトをリニューアルする目的を明確化する
最初に、リニューアルによってどのような課題を解決し、またそれに伴ってどのような成果を得たいのか、目的を明確にしておきましょう。リニューアルの際になにを優先すべきかがはっきりします。
たとえば「カートの離脱率を下げてCVRを高めたい」「スマホユーザーの購入を増やしたい」「SEOからのアクセスを増やしたい」など、ECサイトの課題によってリニューアルの目的は変わります。
このとき、リニューアル後の目標は具体的に設定するのがよいです。たとえば、「WEB接客システムを導入し、CVRを2ポイント改善する」「メールマガジンを刷新して、リピート購入率を15%アップさせる」など数字を伴うKPIを設定します。
2.現状のECサイトの課題を洗い出す
現状のサイトにはなにが足りず、なにが売上アップの妨げになっているでしょうか?現状を分析して、一度課題点をすべてリストアップしてみましょう。
ECサイトの売上の基本方程式は、「集客数×客単価×CVR(コンバージョン率)」ですが、単に「売上が伸びない」という悩みでも、各数字を因数分解することによって、とくになにが問題であるのかが見えてきます。
サイト自体のセッション数は増加しているのにコンバージョンが悪いのであれば、購入までの導線に難点があるのかもしれません。
逆に、客単価やCVRは一定数を保っているのに売上が思うように伸びないのであれば、集客のためのプロモーションがうまくいっていないことが考えられます。
このような課題を洗い出すには、「Google Analytics」や「Google Search Console」などの解析ツールを活用します。
サイトに連携した解析ツールで、直帰率の高いページやモバイルユーザーの離脱率、検索流入キーワードなどを確認しましょう。
また、「ヒートマップ」を使って、ページ内のどこがよくみられているかを可視化するのも有効です。
3.失敗例を参考にリスクがあることを想定しておく
ECサイトのリニューアルには、成功事例だけでなく失敗事例も調べておきましょう。
失敗には必ずその要因が存在します。それを知ることで、自社がリニューアルに乗り出すときに気をつけておくべきポイントも見える化するのです。
たとえば、ECサイトのリニューアルでよくある失敗として、「URL変更にともなうリダイレクト設定忘れ」が挙げられます。
リニューアル時にURLを変更する際、旧URLから新URLへの301リダイレクト※を設定し忘れると、検索順位が大きく下落してSEOに深刻な影響を及ぼすことに。
(※301リダイレクト・・永久に転送するHTTPステータスコード)
この場合の対策としては、事前に移行するURLをリストアップしておき、適切に設定します。移行後は、Google Search Consoleでの確認を忘れずにおこないましょう。
また、デザインを大幅に変更したことで、かえって使いづらさを感じさせるケースもめずらしくありません。
デザインをリニューアルした場合は、ABテストを実施して改善ポイントを探すことが大切です。
4.経営層だけではなく現場の意見も取り入れて企画設計をおこなう
企画設計をおこなう際は、経営層や予算設計に関わる管理職だけでなく、必ず現場スタッフにも参画させるようにしてください。これは規模の大きな事業者ほど注意したい点です。
たとえば、「特定のカテゴリで商品が見つけづらい」「管理画面がわかりづらく、入力ミスが頻発している」などの細かな部分は、実際に手を動かしてサイトを運営している担当者にしかわかりません。
また、実店舗とは違って顔の見えないECサイトでは、カスタマーサポートも重要な役割を担います。
そこで、どのような問い合わせが多いかや、どのような接客方法を導入すればよいのかなどの意見をカスタマーサポート部門から集めましょう。
現場で対応するスタッフの意見に応じて、「チャットボットを導入しよう」「LINE公式アカウントで問い合わせを受け付けよう」などの具体的な対策を検討することが大切です。
ほかにも、マーケティング部門や開発チームなど、ECサイトにかかわるすべての部署の担当者からのヒアリングを実施しましょう。
各部門の課題や要望を把握することで、リニューアルの成功に近づきやすくなります。
5.事業規模が大きくなる前に内製化を進めておく
ECサイトの業務は、事業規模が大きいほど自社で内製化できたほうがよいです。
社内で人材が育っていない場合、幾つかの業務を外部へ委託したほうが効率的に感じるかもしれません。サイトが小規模であれば、費用もそこまでかさまないでしょう。
しかし、サイト規模が大きければ大きいほど、目指す売上金額も大きくなります。
外注に頼りすぎると、修正対応や企画の実施にタイムラグが生じたり、想定以上のコストがかかったりと、非効率になるリスクも考えられます。
そのため、商品ページの更新やキャンペーン時のバナーの差し替えなど、細かなコンテンツ管理は社内で対応しましょう。
WordPressやShopifyなどのCMSを活用すれば、専門知識がなくても比較的簡単に更新できます。
また、ECサイトの分析に欠かせない、「Google Analytics」や「Google Search Console」を使いこなせるスタッフの育成も検討しましょう。
社内でサイトを分析できるようになれば、スムーズかつ的確な改善施策を実施できるようになります。
自社ECサイトの運営すべてを内製化する必要はありませんが、段階的に始められる部分から進めておくことをおすすめします。
6.システム連携先との状況を確認しておく
すでに外部の基幹システムなどとサイトをデータ連携している場合、リニューアル後もスムーズに引き継げるかどうかを確認しておきましょう。
リニューアル時に新しい決済サービスや在庫管理システム、CRM、マーケティングツールなどの外部システムと連携する場合は、事前に互換性をチェックしておきます。
たとえば、PayPay・Amazon Payなどの決済サービスを導入する場合は、決済時にエラーが出ないかどうかや、問題なく利用できるかを試します。
また、WMSやERPなどの在庫・受注管理システムも、API接続が維持されるかや、リアルタイムで在庫更新が反映されるかなどを検証しておきましょう。
リニューアル前にすべてのシステムの連携状況を洗い出し、開発担当のエンジニアとも確認をとりながらテスト環境でエラーが出ないかをチェックしておくと安心です。
7.スケジュール管理を徹底する
ECサイトのリニューアルは、多くの工程と担当者がかかわるため、スケジュール管理を徹底する必要があります。
まずはサイトのリニューアルオープン日を定め、そこから逆算してスケジュールを設計しましょう。
以下のようなフェーズごとに必要な日数を見積もり、それぞれに中間目地点を設定すると、スムーズに進行しやすくなります。
- 要件定義
- デザイン制作
- システム開発
- テスト
- 本番公開
たとえば、「デザインは◯月◯日までに確定」「開発完了は◯月◯日まで」「本番公開は◯月◯日」のように、あらかじめ期限を設定しておくと、リニューアルにかかわる全員の認識を統一できます。
公開直前に慌てて変更・修正するのを防ぐためにも、テスト期間は最低でも1ヶ月程度設けるなど、余裕をもったスケジュールを検討しましょう。
なお、繁忙期になるとトラブルのリスクが高まるため、繁忙期直前のリニューアルは避けるのが無難です。
8.UI・UXを意識したサイトデザインにする
UI・UXは、それぞれユーザーが実際にサイトを使ってみたときの、前者は入力操作や表示について、後者はサービスなどにより得られる体験のことを指します。
よりざっくばらんな言い方をすれば、ユーザーにとって使いやすく満足できるサイトにすることを意識しましょうということです。ユーザビリティを高める、という言い方もできるでしょう。
たとえば、商品をすぐに探せるようにカテゴリをわかりやすく整理したり、検索バーを目立たせたりすることで、直感的に使えるECサイトになります。
また、購入フローにおいても、会員登録を必須にせず「ゲスト購入OK」にするなど、余計なステップを省くのもよいでしょう。
モバイルファースト設計を意識するのであれば、指で押しやすいサイズのボタン配置、縦スクロール中心の構造にすることで、スマホでも快適に操作できるサイトになります。
トレンドなども意識しつつ、メインとなるターゲット層からみて快適なサイトを心がけましょう。
9.オウンドメディアなどのコンテンツマーケティングで潜在層を獲得する
広告に頼った集客は即効性がある一方で、コストがかさみやすく、長期的な運用は負担になります。
そこで近年では、「コンテンツマーケティングで売上を伸ばす」という考え方が定着してきました。
とくにオウンドメディアの運用は、SEO強化につながり、検索結果からの自然流入を増やせる方法として多くのECサイトで実施されています。
商品に関するテーマで記事を投稿することで、購入されやすい潜在顧客との接点づくりが可能になります。
SEO評価があがれば集客に貢献しますし、良質なコンテンツは顧客満足度をあげ、リピート率やCVRにも効いてきます。リニューアルの際にはぜひ取り入れたい施策です。
10.将来的な事業規模を見据えておく
当面の数字だけでなく、将来の事業規模を見据えたリニューアルをおこないましょう。
たとえば事業の拡大スピードが速かった場合、一度リニューアルをしたばかりにもかかわらずすぐにまた次の課題が出てきてしまう、ということになりかねません。
そのため、ECサイトを大きく成長させたいのであれば、将来を見据えてスケーラビリティの高いECプラットフォームを選びましょう。
スケールしやすいShopify Plus・Magento・Salesforce Commerce CloudなどのECプラットフォームを選ぶことで、将来的な大規模展開や越境ECにも柔軟に対応できます。
このように、リニューアルの段階で、「3年後や5年後にどのようになっていたいのか」を想定しておくことで、長期的に運用できるECサイトを目指せるようになります。
リニューアルで迷ったら?
「本当に今のタイミングでリニューアルすべき?」と悩むのであれば、まず現状の課題や問題点を整理してみましょう。
どの部分に課題があるのかを明確にすることで、リニューアルの必要性を判断しやすくなります。
そのうえで、現在使っているシステムのオプションや、外部ツールで解決できるかを確認してみてください。
「どうしても現在のシステムでは対応できない」「解決できない」という状況であれば、部分的なリニューアルを実施して解消できたかを検証しましょう。
フルリニューアルは失敗のリスクが高いため、部分的な改善を試しながら効果・検証を繰り返していくことが大切です。
ECサイトをリニューアルする際、「どのサービスを選べばいいの?」と悩む方も多いでしょう。
当然複数サービスを比較検討していただく必要があるのですが、makeshop(メイクショップ)を選択肢のなかに入れてみてください。
利用している全店舗の流通総額が12年連続業界No.1と、売れるサイト構築に強く、近年は中・大規模サイトにも対応しています。
またクレジットカードで購入された際にかかる決済手数料は業界最安水準の3.19%〜で利用可能なため、ランニングコストを安く抑えられます。
まずはサービス概要資料を無料ダウンロードしてご覧いただけます。貴社のリニューアルの参考になれば幸いです。
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ECサイトリニューアルの手順とは
リニューアルに対する明確なビジョンが定まったところで、いよいよ着手をしていきます。ECサイトのリニューアルはどのような手順でおこなわれるか、順を追って解説します。

1.サイトリニューアルの企画書を作る
まずは企画書の作成です。なんのためのリニューアルであるかが明確にわかるようにします。どのような数値目標を達成するため、現状なにが必要であり、そのためにはどれくらいの費用や時間、人材を用意すべきかを取りまとめましょう。
企画書には、課題から見えてきたリニューアルの目的や範囲を整理して記載します。この時点で、スケジュール感や予算、必要な人員も含めておきます。
フォーマットに決まりはありませんが、GoogleドキュメントやExcelなどを使って作成するとよいでしょう。なお、完成した企画書を関係者と共有しておくと、認識のズレ防止やスムーズな進行につながります。
2.サイトリニューアルのプロジェクトチームを作る
社内でリニューアルに関わる業務を推進していくプロジェクトチームを立ち上げます。
この中には、チームを引っ張るリーダーやマネージャーを立てるとともに、マーケティング担当・デザイナー・エンジニア・カスタマーサポートなどを含めましょう。
大規模なリニューアルでは、並行して複数の業務が進行します。リーダーの役割は、リニューアルに関する対応を取りまとめ、スケジュールに則って業務を進行していくこと。開発会社や他部署と連携をとる際の窓口役にもなります。
また、業務に詳しい人がいなくては、現状のルールや運営状況をリニューアルにきちんと反映させることができません。
社内メンバーはもちろん、外部の制作会社や開発会社とも連携しながら、必要な担当者を集めていきましょう。
3.リニューアル後のサイト像を検討する
本格的にリニューアルを進める前に「リニューアル後のサイト像」を明確にしておくことが大切です。イメージが曖昧なままでは、イメージどおりのサイトにならず、失敗する可能性が高まります。
そのため、ターゲットユーザーにあわせたデザインや機能、購入までの導線を検討しましょう。
このとき、競合他社のECサイトを検証して、どのようなデザイン・機能になっているかを確認するのもおすすめです。
たとえば、「レビュー機能を追加しよう」「レコメンド機能が必要」、「決済ステップを短くしよう」などの具体的な変更点を固めておくとスムーズです。
そのうえで作成するのがRFP、開発業者へ提示する提案依頼書(Reqest For Proposal)です。要望をかなえるシステムを導入するため、開発業者から出してもらうのは最適な提案であってほしいもの。そのコミュニケーションを成功させるために、きちんと作成されたRFPが必要となります。
4.開発会社を決定する
社内の要望や現状を踏まえ、まずは開発会社のリサーチからはじめます。このときただネット検索をするのではなく、以下のポイントをチェックしてみてください。
- ECサイトの課題を解決できる技術があるかどうか
- 商材との分野の実績があるかどうか
- 予算に合うかどうか
- サポート体制があるかどうか
ほとんどの事業者がサイトに問い合わせフォームを設けているので、そこから連絡をとりましょう。営業担当者から折り返し連絡がくるはずです。そこでリニューアルの意図を伝え、コンペへの参画を依頼します。
いよいよ候補者が出そろったらコンペを開きます。各社には共通した内容で提案依頼をしてください。このとき着目すべきポイントは、費用、実績、デモ画面、そしてこちら側の意図をきちんと汲めているかどうかです。
コンペの内容をもとに依頼する開発会社を定め、社内の承認を得て正式に決定します。
なお、必ず3〜5社程度の開発会社に見積もりを依頼して、「もっとも信頼できる」と感じる開発会社を選びましょう。
5.開発するシステムの要件定義をおこなう
開発会社と「どんな機能が必要か」「どんなサイトを目指すか」をすり合わせる工程が要件定義です。
実際にECサイトを運営するうえで発生する業務を洗い出し、リニューアルによって最大限効率化できるようにします。
また、商品登録・検索機能・決済システムなどの基本機能にくわえて、レビュー機能や会員ランク制度などの、追加が必要な機能も整理しておきます。
社内では見えなかった部分の課題に開発会社の視点から気付いてもらえる部分もあり得ます。この領域は細かく打ち合わせを重ねましょう。
そのほか、サーバーはどうするのか、デザイン面、決済方法、配送方法などもあわせて確認していきます。
6.サイトの運用準備をおこなう
システムの開発がスタートしたら、サイトの運営側はリニューアルオープンに向けて運用準備をはじめます。リニューアルは「完成して終わり」ではなく、安定した運営体制を整えることも重要なポイントとなります。
そこで、以下のことを進めておきましょう。
- データの引継ぎ
- 業務に必要な運用ルールの決定
- スタッフ向けの操作マニュアルの作成
- リリース後も開発会社と連携がとれるよう、保守の対応
また、リリース直前には実際に注文するなどの動作確認をおこない、不具合がないかチェックしておきましょう。
ECサイトリニューアルにかかる費用・コスト相場

ここからは、ECサイトリニューアルに必要な費用・コストの相場を紹介します。
リニューアル内容や規模によって費用は大きく変わるため、おおよその目安を把握しておきましょう。
1. ECサイトリニューアルにかかる主な費用項目
ECサイトリニューアルにかかる費用相場を、項目ごとに表にまとめました。
項目 | 内容 | 費用相場 |
---|---|---|
ディレクション費 | リニューアルの進行・全体の管理 | リニューアル総額の10%~30% |
サイト設計費(SEO対策) | サイトの骨組みの設計・機能の選定SEOの強化 | 10万円~30万円 |
デザイン費 | UI/UXのデザインワイヤーフレーム作成 | トップページ:5〜16万円下層ページ:2〜7万円ランディングページ:10〜25万円(1ページあたり) |
コーディング費 | ビジュアルと機能を実装 | 15万円~30万円 |
動作確認費 | 予定通りにリニューアルできているかの検証作業 | 10万円程度 |
コンテンツ制作費 | サイトに掲載するコンテンツ作成 | 1記事あたり1万円〜5万円写真撮影は数万円〜10万円程度/1日 |
なお、費用はリニューアルの範囲や対象ページ数、実施する内容によって大きく異なります。あくまでも参考目安としてご覧ください。
2. 費用別リニューアルプランの相場
次に、費用別リニューアルプランの相場をみていきましょう。
ここでは、小規模・中規模・大規模の3つに分けて、それぞれの相場と内容を紹介します。
小規模リニューアル(50万円〜150万円)
ECサイトの一部のみを変更する小規模リニューアルの場合、費用相場は50万円〜150万円程度となります。
ShopifyやBASEなど既存のECプラットフォームを使いながら、テンプレート変更やUI改善、表示速度の最適化といった軽微なリニューアルです。
たとえば、「スマホでの表示を見やすくしたい」「トレンドのデザインに変更したい」「レビュー機能を追加したい」などをイメージするとわかりやすいでしょう。
費用はデザイン変更で30万〜80万程度、SEOの強化で10万〜50万円程度、機能追加は10万〜50万円程度が目安となります。
中規模リニューアル(150万円〜500万円)
中規模リニューアルは、デザインと機能の両方をリニューアルしたい場合や、商品数の増加によって管理が難しくなった場合に適しています。
費用相場は、デザインリニューアルで100万〜200万円、システム移行で100万〜300万円、外部システムとの連携で50〜150万円程度かかるのが一般的。
ワイヤーフレームからのデザイン設計や、「EC-CUBEからmakeshopへの移行」といった大幅なシステム変更を実施することもあります。
大規模リニューアル(500万円〜1,000万円以上)
ゼロから構築しなおすような大規模リニューアルは、大手のECサイトやグローバル展開を視野に入れている場合に実施します。
フルスクラッチ開発による独自システムの構築を実施し、多言語・多通貨機能やスマホアプリ開発、AIレコメンド機能など、高度な機能を追加します。
大規模リニューアル全体の費用相場は、フルスクラッチ開発で500万円〜1,000万円以上。アプリ開発が300万〜1,000万円、多言語・多通貨対応が100万〜300万円となります。
3. 費用を抑える方法
ECサイトリニューアルの費用は、優先順位を明確にして、必要な範囲に絞って進めることで抑えられます。
たとえば、Shopifyやmakeshopなどの既存テンプレートを活用することで、デザインをイチから作る必要がなくなり、デザイン費を削減できます。
さらに、すべてを外注化するのではなく社内でできる部分は社内で対応し、デザイン制作やシステム開発のみ外部に依頼するなど、作業の分担を検討するのもよいでしょう。
また、リニューアルを一度に終わらせようとすると、不要な部分までコストをかける可能性があります。
「まずはデザインだけ変更して、次にシステム連携を実施する」などのように、段階的にリニューアルを実施することで、費用を抑えながら無理なく進められます。