Amazonマーケットプレイスの見分け方と出品方法をわかりやすく解説!
Amazonに出品されている商品は、Amazonが直接販売する商品だけではありません。一般の個人や法人が販売する商品も混在し出品されています。
Amazonに出品できる商品は、新品に限らず中古品やコレクター商品も可能。しかも出品の手続きは驚くほどかんたんなので、不要になった古本1冊から出品することもできます。
Amazonは国内最大のECモールであり集客力は抜群。Amazonマーケットプレイスの基本を抑えて、Amazonの出品に乗り出しましょう。
Amazonマーケットプレイスとは?
マーケットプレイスとは、インターネット上で売り手と買い手が自由に参加できる場所のことです。生産者が出品し販売する「直売所」のネット版をイメージするとわかりやすいかもしれません。
Amazonマーケットプレイスは、「一般の出品者」が販売できる仕組みであり、利用することでAmazonに商品を販売することができます。
Amazonが直接販売している商品は半数以下
Amazonの流通総額は公表されていませんが、2019年の年次報告書のデータから推測すると「一般の出品者」の販売は全体の58%とのこと。
Amazonマーケットプレイスの配送は、「Amazonから発送する」ものと、「自己発送」するものがあります。前者はAmazonの倉庫に保管し配送する方法で、後者は出品者が独自で梱包して発送する方法です。いずれにしても、Amazonの豊富な商品数は一般の出品者が担っていることに変わりはありません。
Amazon公式とAmazonマーケットプレイス出品者の見分け方
Amazonで販売されている商品が、Amazonの直販か、一般の方が出品するマーケットプレイスかを見分ける方法はかんたんです。商品ページを見てみましょう。
「カートに入れる」ボタンの下部に記載される「販売元」が「Amazon.co.jp」の出品は、Amazon公式が販売する商品です。それ以外の出品は、「販売元」に「出品者名」が表示されます。
なお、出品者が商品を自己発送する場合は、「出荷元」に「出品者名」が表示されます。Amazon倉庫から配送するFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用している場合は、出荷元が「Amazon」と表示されます。
マーケットプレイスの商品は送料無料とは限らない
Amazonが発送する商品の場合、プライム会員は送料無料です。通常会員は、注文金額が2,000円以上で全国送料無料となります。
出品者が販売・自己発送する商品は、カテゴリーや商品ごとに送料が設定されており、無料とは限りません。配送料が気になる方はプライムマーク『✔prime』がついている商品を選びましょう。
マーケットプレイスの商品は即日配送できるとは限らない
Amazonが発送する商品の場合、発送作業が迅速なので、翌日~翌々日に商品を受け取れます。
一方で出品者が自己発送する商品は、出品者が商品を保管し、注文が入り次第梱包して発送する形態です。出品者は個人や副業の方も存在しますので、注文受付後すぐに発送できるとは限りません。
また、配送方法も宅配便とは限らないため、配送まで時間がかかることも。自己発送の商品はお届け日数に余裕をもって購入する必要があります。
Amazonマーケットプレイスに出品して売れるための条件
Amazonマーケットプレイスで売れるには、次のいずれかの条件を満たすことがポイントです。
- Amazon発送(FBA)を利用する
- 自己発送の場合はFBAと同等の送料無料・即日発送をおこなう
購入者の目線でみると、商品を選ぶうえで「送料無料」と「即日配送」はとても重要です。上記の条件を満たした出品は、プライムマーク『✔prime』がつき、購入を後押ししてくれます。
自己発送であっても条件を満たし、実績を積み重ねることで「プライムマーク」が授与されます。プライムマークのあり・なしはAmazonでの販売促進に大きな影響を及ぼします。
マーケットプレイスの成功の鍵はFBAにある
FBA(フルフィルメント by Amazon)は、商品をAmazonの倉庫(フルフィルメントセンター)に保管し、お客様から注文受付・発送・返品などの一連の出荷業務を一手に任せられるサービスです。
出品者はFBA利用の手数料がかかりますが、購入者様に対してもAmazon公式と同等のサービスを提供できるため、信頼につながり売上成果となります。
お客様目線で考えると、送料無料や即日配送のほかにも、返品やサポートが充実していることが重要。Amazonは24時間365日サポートを受けられるので、自己発送とは比較できないほど圧倒的な品質と信頼があります。
Amazonマーケットプレイスに出品するメリット
オンラインで商品を販売するなら、ECサイトやメルカリなどのフリーマーケットなど、さまざまな方法があります。その販路のひとつであるAmazonマーケットプレイスに出品するメリットは何か?詳しくご紹介します。
Amazonの莫大な集客力
Amazonマーケットプレイスに出店する最大のメリットは集客力であることに間違いありません。Amazonは月間で5,000万人以上が利用する国内最大のECモールです。集客力は圧倒的で、かつAmazonがお客を呼び寄せてくれるため、ニッチな商品であっても売れやすいのが特徴です。
商品の出品がかんたん
Amazonマーケットプレイスは、出品がとてもかんたんです。楽天市場やYahoo!ショッピングでネットショップを立ち上げるとなると…サイトづくりや運営、集客をすべて構築しなくてはならず、大きな労力とコストがかかります。
Amazonマーケットプレイスでは、既存の商品ページに相乗り出品できるため、単純に商品登録するだけでOK。出品の手間がかかりません。
FBAの利用でEC業務を代行できる
出品のかんたんさに加えて、FBAを利用すれば、Amazonの倉庫へ商品を送るだけで、あとはAmazonが注文後の梱包、発送、サポートをすべて代行してくれます。
また、送料も個別に運送会社と契約する運賃よりも安くなるため、オフィスや人件費を構える固定費を考えると、FBAを利用したほうが安く済む場合もあります。
Amazonが売上金を回収してくれる
ECサイトの場合は、商品が売れた後に利用者へ振込先の連絡をおこない、入金確認をおこなう手間があります。Amazonマーケットプレイスを利用すると、売上金の回収と振込を代行しておこなってくれるので手間がかかりません。
また、フリーマーケットのような「値下げ交渉」はなし。注文が確定次第、配送処理をおこなうだけで済みます。なお、Amazonマーケットプレイスの入金サイクルは14日間です。14日ごとに締めて5営業日以内に入金されます。
Amazonマーケットプレイスに出品するデメリット
続いてAmazonマーケットプレイスに出品するデメリットを見ていきましょう。
手数料が高い
小口出品の場合は、月額料も無料で1品売れるごとに100円の成約料がかかります。この手数料に加えて、販売手数料が加算されます。
販売手数料は出品するカテゴリーによって異なりますが、おおむね15%です。さらに本やCDなどのメディアを販売する場合は、15%の成約料が加わります。
価格競争が起きやすい
Amazonマーケットプレイスの魅力は、膨大な商品点数と迅速な配送サービスやサポートなどがありますが、「最安値」も大きな要因です。
Amazonマーケットプレイスはかんたんな手続きで出品できることもあり、出品者の数は年々増えています。そのため、相乗り出品するライバルが多い場合は、価格競争が起きやすくなります。
継続的にAmazon販売するためには、ライバルが多い商品に出品を避けるか、薄利多売の戦略を取る方法などありますが…いずれも険しい道のりです。
リピーターを作るのが難しい
Amazonマーケットプレイスは、なんだかんだ「商品」と「価格」が売れ行きを左右します。
楽天市場などの「出店型」ECモールであれば、お店の品揃えや独自サービスによって独自性を図ることができます。独自性によって共感するファンが増えリピーター収益が期待できます。
Amazonマーケットプレイス自体は利便性が高いため、今後も安定的にリピーターは維持されるでしょう。しかしながら個々の「出品者」に対してリピーターを作るのは難しいのが実情です。
Amazonマーケットプレイスの出品方法
Amazonマーケットプレイスに出品する手順はかんたんです。流れを見ていきましょう。
出品用アカウントを作成する
■Amazonアカウント登録手順
https://sell.amazon.co.jp/sell/account-registration
次の2つの書類を用意してアップロードすれば申請完了です。
- 有効期限内の顔写真入りの身分証明書(パスポート、運転免許証)
- 過去180日以内に発行された各種取引明細書(クレジットカードの利用明細書など)
申請は約3営業日ほどで完了します。登録は個人でも可能なので、副業サラリーマンや主婦でも出品できます。
審査が完了したあとに、クレジットカードや銀行口座、お店の名前などを初期登録すれば、出品準備は完了です。
Amazonに商品登録する
出品アカウントを登録したあとは、出品したい商品を登録します。Amazonマーケットプレイス内で販売されている商品を出品する場合は、商品名やJANコード(日本商品コード)などで検索します。
すでに販売されている商品の出品を「相乗り出品」と呼びます。相乗り出品はすでに存在する商品ページ内に出品するため、自分でページや説明文を作成する必要はありません。
Amazonマーケットプレイスに登録されていないオリジナル商品を販売する場合は、JANコードなどの製品コードを取得したうえで商品詳細を登録します。
商品を発送する
Amazonマーケットプレイスで販売する商品は、出品者が発送方法を決めます。
- 自己発送
- FBA(フルフィルメント By Amazon)
出品した商品が売れた場合、Amazonセラーセントラルという管理画面で確認ができます。または、登録したメール宛にも届きますので、確認後に納品書を印刷し梱包・発送します。
FBAはAmazonの倉庫に商品を保管し、注文後の梱包や発送、返品などの配送業務を代行するサービスです。代行手数料は別途かかりますが、配送作業のすべてを代行できるため非常に楽です。また、Amazonマーケットプレイスでは、FBA利用の出品者を優先的に上位表示されるため、商品が売れやすくなります。
Amazonマーケットプレイスの手数料
Amazonマーケットプレイスの出品者は「小口出品」と「大口出品」の2パターンに分けられます。
項目 | 小口出品 | 大口出品 |
---|---|---|
月間登録料 | 無料 | 4,900円/月 |
基本成約料 | 100円/回 | 無料 |
販売手数料 | 8%~15% | 8%~15% |
小口出品は、販売する商品が少ない出品者向けのプランです。月額登録料は無料で、1点売れるごとに100円の基本成約料がかかります。
大口出品は、月額登録料は4,900円かかりますが、基本成約料は無料。つまり月50点以上の商品を売るのであれば、大口出品がお得になります。また、大口出品では一括出品できる機能や、スポンサープロダクト広告の利用ができるなど、サービス面が充実します。
販売手数料は、商品カテゴリーなどにより異なりますが、おおむね15%かかります。
※Amazon出店の方法や手数料について、次のページで詳細を紹介しております。あわせてご参考にどうぞ。
出品者とのトラブルは「Amazonマーケットプレイス保証」が適用される
お客様目線で考えると、一般の出品者から商品を購入するのは不安です。
- 希望の日時に商品が届く?
- 偽物や不良品ではないか?
- トラブル時にサポートや保証は受けられる?
Amazonマーケットプレイスにおいて、購入者が安心して買い物ができるよう、トラブル時に購入者を保護する「Amazonマーケットプレイス保証」というプログラムが設けられています。
出品者と連絡がつかない場合にAmazonが保証
購入者より返品リクエストを受け取った場合、出品者はAmazonが定める「返品ポリシー」に従い返品対応をおこなう必要があります。返品ポリシーの条件は商品やカテゴリーによって異なりますが、原則として商品到着から30日以内の返品・交換をおこなわなければいけません。返品ポリシーの詳細について、次のページを一読しておきましょう。
(Amazon)返品・交換の条件
自己発送の場合は、独自の返品・交換条件を設けることができます。ただし、Amazonの返品ポリシーと同等か、それ以上の返品ポリシーを提供する必要があります。
返品リクエストの承認後は、購入者から出品者へ直接返品されます。返金する際は、商品の受領後に注文管理ページ(Amazonセラーセントラル)より処理をおこないます。
なお、自己発送の場合の返品送料は、購入者と出品者のどちらが負担するかを任意で決めることができます。ただし購入者都合による返品などの理由でない限り、購入者に返品送料の負担を求めるとトラブルになりかねませんので気をつけましょう。
Amazonマーケットプレイス保証で出品者は損する?
購入者よりAmazonマーケットプレイス保証が申請されると、取引状況の調査がおこなわれます。出品者に落ち度がある場合、全額返金のうえ出品者のペイメントから引かれます。出品者に落ち度がない場合は申請が却下となります。出品者と購入者の双方の主張が認められる場合は、Amazonが全額負担してくれます。
なお、Amazonマーケットプレイス保証が申請されると、出品者側の評価(顧客満足度指数)が下がります。顧客満足度指数が下がると商品が売れづらくなり、著しく評価が低い場合はアカウント停止や閉鎖されることもあります。
すべての申請が受理されるとは限らない
「顧客至上主義」のAmazonですが、すべての申請者に対して保証を適用するわけではありません。申請が却下される理由に次のケースがあります。
- 商品に問題はなかった
- 商品内容が出品者の記述どおりだった
- 商品が届かない申請だったが、実際は届いていた
- 購入者が詳細な情報提供に応じなかった
- 購入者が商品を返品しない
Amazonマーケットプレイス保証は購入者を守るプログラムですが、申請者に落ち度がある場合、出品者を守ってくれる制度でもあります。
なお、購入者は無制限に申請を出せられるわけではありません。回数が多すぎる場合は支払い方法を制限されることや、アカウント停止となることもあります。
Amazonマーケットプレイスのよくある疑問
最後にAmazonマーケットプレイスの出品でよくある悩みや疑問にお答えします。
送料は出品者が決められる?
大口出品の場合、送料は次の3パターンから選び設定できます。
重量課金制 | 「配送1件ごと」の送料と「重量(1kgあたり)」の金額を加算 |
商品個数制 | 「配送1件ごと」の送料と「商品1点ごと」の金額を足した金額を加算 |
購入金額制 | 購入金額に応じて、送料を変更。 |
小口出品の場合は、カテゴリーごとに設定された送料が適用されます。
なお、送料が複雑であればあるほど、Amazonで売れるために必須となる「ショッピングカートボックス」を獲得する道から遠ざかってしまいます。Amazonで戦うには送料無料(0円)が望ましいです。
支払い方法は決められる?
Amazonの支払方法は、大きく分けて次の3つあります。
- クレジットカード
- コンビニ・ATM・ネットバンキング・電子マネー払い
- 代金引換
大口出品の場合は、任意で設定することでコンビニ決済や代金引換を追加できます。ただし、出品登録した初期段階は設定できません。利用するためには販売実績が必要です。
決済方法の選択肢が多いほど購入者にとって利便性が高く、購入率アップにつながります。販売実績を早く積み上げて、利便性を高めましょう。
注文後のキャンセル方法と対処方法は?
商品のキャンセルは、注文履歴に表示される「商品をキャンセル」よりおこなうことができます。
ただし、出品者が商品の出荷した後は、「商品をキャンセル」ボタンが非表示となります。出荷後にキャンセル希望の場合は、出品者宛に直接Eメールで連絡が入りますので、キャンセルポリシーにのっとり対処します。
購入者から高評価をもらうには?
Amazonのカスタマーレビューの評価は購買行動に大きな影響を与えます。高評価をもらうためには、商品や配送の品質を向上させることが大前提。カスタマーレビューは意図的に書くことや依頼は禁止ですが、購入者へ投稿を誘導することは問題ありません。Amazonでは購入者へ「フォローメール」を送信する機能があり、購入のお礼とともにレビューの投稿を誘導することができます。
「マーケットプレイスに出品する」ボタンが表示されないときは?
出品したい商品の出品ボタンがない場合、セラーセントラルより登録できます。手順は以下のとおりです。
- 出品したい商品のAISNをメモします。
- セラーセントラルにログインし「商品登録」をクリックします。
- 検索フォームにAISNを入力し検索します。
- 該当商品に表示される「出品する」より登録します。
領収書はかんたんに発行できる?
領収書は、購入者が注文履歴から印刷をおこないます。出品者側の発行手続は一切ありません。なお、コンビニ払いや代金引換など一部の決済は、各会社より領収書が発行されます。
注文後にキャンセルされたら?
商品の出荷前であれば、注文者は注文履歴からワンクリックでキャンセルが可能です。出荷後は「返品リクエスト」より連絡をもらいます。返品リクエストを受け取った際は、返品・返金処理をおこないます。(FBAの場合はAmazonが返品処理を代行してくれます。)なお、返品リクエストに48時間以内に返答しないとAmazonマーケットプレイス保証を申請されてしまい、出品者の評価が落ちるので注意しましょう。
個人の出店で失敗しないためには?
Amazonマーケットプレイスは個人でもかんたんに出品できます。ただし手数料が高めの設定なので、手数料を含んだ利益率を念頭に、商品の仕入れと販売をおこないましょう。また、副業で年間20万円以上の所得が見込まれる場合は、納税義務が発生します。ビジネスとして出店し売上を伸ばしていくなら、個人事業主の開業届を出しましょう。
初心者でも上手くいく?
ご紹介したとおりAmazonマーケットプレイスの出品はかんたんにできますが、その分競争が激しいです。不安が残る方は、Amazon以外のネットショップ開業方法も選択肢に入れてみましょう。
どのサービスを選べばいいか分からず悩んでいる方は、ECサイト構築サービスmakeshop(メイクショップ)を検討してみてはいかがでしょうか。11年連続ショップ売上高No.1の売れるサービスで、サポート体制も強化しております。15日間の無料体験期間中から新規出店アドバイザーがご相談に乗ります。(もちろんご相談も無料です)
※No.1:流通額=受注金額。ネットショップ・ECサイト構築サービス運営企業各社の発表数値より、ASPサービス単体の数値を算出し比較(自社調べ 2023年3月時点)
まとめ
Amazonマーケットプレイスについてご紹介しましたが、いかがでしょうか?Amazonマーケットプレイスで出品するのは、案外かんたんであることがお分かりいただけたかと思います。
Amazonは月間で5,000万人以上が利用する国内最大のECモール。Amazonマーケットプレイスに出品することで集客はAmazonがおこなってくれるため、販路としては最適でしょう。
ただし良質な出品者ばかりではないため、出品者の評価や信頼は売れ行きを大きく左右します。Amazonマーケットプレイスで商品を効率的に売るためには、Amazonの利用者から高い評価がもらえることが大切です。良い評価がもらえるよう、質の高い出品と配送を心がけましょう。