ネットショップの運営で必須のメールとテンプレート・例文を解説
ネットショップの運営において、メールは欠かせません。
効率的にネットショップを運営するために、メールのテンプレートをあらかじめ作成しておきましょう。
今回はネットショップに必須のメールテンプレートと、「好感度」をあげるための方法をご紹介します。
ネットショップ運営に必要なメールのテンプレート
ネットショップの運営では、購入いただいたお客様へ配信するメールと、個別のお問い合わせに対して送信するメールの2種類があります。
前者はあらかじめテンプレートを作成して自動配信するのが一般的。
後者は手作業でメール送信を行います。
自動配信メール
購入いただいたお客様に対して送信するメールは、あらかじめ定型文で作成して自動配信を行います。
メールは主に次の6つがあります。
No. | 種類 | 内容 |
---|---|---|
1 | 注文確認メール | 注文が完了したことを伝えるメール。 |
2 | 入金依頼メール | 注文確認後に、受注を確定し入金を依頼するメール |
3 | 入金催促メール | 入金の確認が取れない場合に催促するメール |
4 | 入金確認メール | 入金確認が取れたことを伝えるメール |
5 | 発送完了メール | 商品の発送が完了したことを伝えるメール |
6 | フォローメール | 商品発送後に、配達状況や到着確認を確認するメール |
ASPカートやパッケージのECプラットフォームを利用すると、上記のメールテンプレートを管理画面で登録できます。
一度登録しておけば、あとは状況に応じて自動配信できます。
手動送信メール
お客様からの個別な問い合わせは、手動でメール送信を行います。
ネットショップでよくある問い合わせは次のとおりです。
種類 | 内容 |
---|---|
購入前 | 最短のお届け日について 入荷・在庫状況について 送料について 海外発送について 配送時間帯について |
購入後 | 購入内容の変更・キャンセル 決済方法の変更 配送状況の確認 クレーム対応(未着や破損など) |
購入前と購入後で問い合わせの内容は異なりますが、おおむね上記のパターンです。
もちろんWebページを熟読すれば解決できる質問も多いですが、一定数はメールや電話で問い合わせがあります。
想定される問い合わせの回答テンプレートを、あらかじめ作成しておくと良いでしょう。
ネットショップで送信するメールのフォーマットと構成
メールの構成は大きく分けて次の4項目があります。
- 件名
- ヘッダー
- 本文
- フッター
この4項目のポイントを理解することで、スムーズにテンプレートを作成することができます。
ひとつずつみていきましょう。
「件名」はわかりやすく・読みやすくする
お客様はの多くは、メルマガやスパムメールなどを大量に受信しているので、件名が分かりづらいと埋もれてしまうことがあります。
件名をわかりやすく明記することで、「見落とし」を防ぐことができます。
項目 | 件名の例文 |
---|---|
注文確認メール | ご注文ありがとうございました!【ネットショップ名】 |
入金確認メール | ご入金を確認いたしました【ネットショップ名】 |
発送完了メール | 商品を発送いたしました【ネットショップ名】 |
件名は「要件」+「ネットショップ名」がオススメです。
要件を左側に入れることで判読しやすくなります。また、ネットショップ名を加えることで既読率をアップさせることができます。
なお、件名の文字数を15~30文字にすると、件名を1行表示させることができるのでオススメです。
件名は長すぎず、要件をシンプルに記載しましょう。
「ヘッダー」で好感度をアップさせる
ヘッダーはお客様が最初に読む文章です。
次のような「挨拶文」と「要件」を記載します。
項目 | ヘッダーの例文 |
---|---|
挨拶文 | 〇〇ショップの△△と申します。この度は〇〇ショップをご利用いただき、誠にありがとうございました。 |
要件 | 本日、ご入金を確認させていただきました。 |
ヘッダーは3行~4行にシンプルにまとめると、ユーザーにとって読みやすく受け入れやすくなります。
また、スタッフの名前や季節の挨拶文を入れると高感度がアップしオススメです。
ちなみにスタッフの名前は漢字が難しい場合、ひらがなを併記すると良いです。読み方がわかるとお客様も安心して問い合わせができるようになります。
「本文」はポイントを抑えて伝える
本文は件名と同じように、内容がわかりやすく書くことを意識しましょう。
ポイントは最初に要件を書き、その後に補足や説明を書くことです。
伝えるポイントを抑えて、回りくどい言い回しにならないように気をつけましょう。
「注文確認メール」を例にあげると、本文は次のようになります。
<ご注文内容の変更について>
本メールの送信日を含む●日以内にご連絡をいただいた場合のみ
キャンセル・変更を承っております。
ご連絡は〇〇からお願いいたします。
■ご注文情報・配送先
──────────────
商品名:
商品番号:
商品価格(税込):
数量:
合計(税込):
──────────────
■クレジットカード決済・代金引換のお客様
発想の準備を進めさせていただきます。発送が完了しましたら、
改めてメールにてご連絡させていただきます。
■銀行振込のお客様
ご入金を確認でき次第、発送の準備を進めさせていただきます。
下記に合計金額をお振込みお願いいたします。
—————————
銀行名 :XXXXX
店番 :XXXXX
口座番号:XXXXXX
口座名義:XXXXXX
—————————
<商品の発送について>
ご入金の確認ができ次第となります。
ご指定が無い場合は、最短にて出荷させていただきます。
ご不明な点などがございましたら、お気軽にお知らせください。
今後とも【ショップ名】をどうぞよろしくお願いいたします。
発送致しましたら、再度ご連絡差し上げますので
今しばらくお待ち下さい。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
「フッター」はショップ情報を記載
フッターには、メールの下部にショップ情報を記載します。記載する情報は次のとおりです。
- ショップ名
- 住所
- 電話番号
- 営業時間、定休日
- メールアドレス
- ECサイトのURL
- SNSやブログなどのリンク
フッターは、自動配信メール、手動配信メールを問わず全てのメールに記載します。
お客様が安心して取引できるよう、しっかり記載することが大切です。
なお、本文とフッターを区別するために、「=======」や「ーーーーーーーー」などの装飾ラインを付けましょう。
なお、フッターは全てのメールに共通で記載します。
メールを作るときに気をつけるポイント
メールを作成するときは、次の6項目を気をつけましょう。
- テキスト形式で作成する
- 行間を適度にとる
- 漢字を多用しすぎない
- 記号や罫線を使う
- 機種依存文字を使わない
- フォントデザインに気をつける
ひとつずつ解説します。
テキスト形式で作成する
メールの形式は「HTML形式」と「テキスト形式」の2種類があります。
ネットショップにおいては、メルマガ以外は「テキスト形式」で送信する方法が一般的です。
理由は次のとおりです。
- お客様の環境やメールソフトに影響されにくい
- セキュリティなどではじかれる可能性が少ない
HTML形式は装飾も自由にできて見栄えが良いですが、お客様の環境次第で正常に表示できないことがあります。
また、迷惑メールやスパムメール扱いされて「迷惑メールフォルダ」に振り分けられる可能性があります。
確実に届くテキスト形式で送信しましょう。
行間を適度にとる
特にご年配のお客様にとって、モニター上で文章を読むのはストレスです。
読む負担を減らすために、文章のまとまりごとに1行空白を入れて適度な行間をとりましょう。
お客様のストレスを減らせると、メールの熟読率と理解度が高まります。
横幅は20文字~30文字以内にする
横幅は長すぎても短すぎても読みにくくなります。20文字~30文字で折り返すと一読しやすくなります。
なお、返信を続けると「>」が増えてきて予期せぬ箇所で改行されることもあります。
これを避けるために、少なめの文字数で改行すると良いでしょう。
漢字を多用しすぎない
例えば次の文例を見てみましょう。
- 誠に恐れ入りますが、宜しくお願い申し上げます。
- まことに恐れ入りますが、よろしくお願い申し上げます。
漢字か平仮名かの違いですが、パッと見て「2」のほうがわかりやすいかと思います。
漢字を多用しすぎると読みづらくなり、全体の文面が黒っぽくなってしまいます。
ひらがなと漢字のバランスを意識して、読みやすさを意識しましょう。
記号や罫線を使う
例えば「注文確認メール」は明記する情報が多く読みづらくなります。
できるだけ読みやすくするために、記号や罫線を有効に使いましょう。
罫線は一般的に次のものが用いられます。
- —————-
- ================
- _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
- -+-+-+-+-+-+-+-+
また、要件が複数あるときは、見出しに「●」、「◎」、「★」、「?」などの記号や、(1)・(2)・(3)、(a)・(b)・(C)などの英数字を使うとメリハリがついてさらに読みやすくなります。
機種依存文字を使わない
入力する文字によっては、パソコンやスマートフォンの機種、環境(OS)によって正しく表示されなかったり、文字化けしてしまいます。
正しく表示されない機種依存文字(環境依存文字)の例は次のとおりです。
最近は世界共通の文字コード「UTF-8」が広く普及してきており、以前ほど文字化けする機会は少なくなりましたが、まだまだ完全ではありません。
特にネットショップで送信するメールは商取引の重要なものなので、機種依存文字のトラブルは避けましょう。
フォントデザインに気をつける
お客様とメールのやりとりする際に、テキストをコピーして貼り付ける機会が多くあります。
例えばGmailから送信されたお客様のメール本文をコピーしたりすると、いきなり巨大なフォントや異なるフォントデザインで表示されてしまいます。
このままメールを送信しても問題ありませんが、お客様から「不注意なショップ」、「雑なショップ」という印象を与えかねません。
できるだけフォントサイズやデザインは統一して送信しましょう。
まとめ
メール対応は、顧客満足度をあげるために必須不可欠な作業ですが、1件ずつ手書きで対応するのは大変ですよね。
あらかじめテンプレートを作成しておくことで、手間をかけずに対応できるようになります。
もちろん極力「テンプレート」らしさを感じさせない特色が出せるとさらに良いです。
非対面の取引だからこそ、メールにユーモアを持たせて好感度をアップさせましょう。