ECサイトで満足度の高い6つの決済方法

ECサイトを新規開店するとき、どの決済方法を選べばよいか悩みますよね?

2022年現在、ECサイトの主要な決済方法は

1.クレジットカード決済
2.コンビニ決済
3.代金引換
4.銀行振込(郵便振替)
5.キャリア決済
6.電子マネー(Suicaなど)

の6つですが、導入する決済方法の種類や数によっては顧客満足度や購入率に差が出てしまうことも。

それぞれの決済方法を比較して、ユーザーのニーズが高いものを選択しましょう。決済の流れがスムーズですと、売り上げ拡大を期待できます。

ECサイトでニーズの高い6つの決済方法

2018年に総務省がおこなった『通信利用動向調査報告書(世帯編)』によると、過去3年間におけるECサイト決済方法の利用者割合は以下のように推移しています。

調査対象はインターネット上で金融取引やデジタルコンテンツ、商品・サービスの購入やオークションを利用した15歳以上の男女です。

引用元:総務省の調査(平成30年通信利用動向調査報告書)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201800_001.pdf

決済方法のなかでは「クレジットカード払い」を選択した人の割合が70.8%と圧倒的に高く、次点の「コンビニエンスストアでの支払い」や「代金引換」を30~40%以上引き離しています。

その一方で、コンビニエンスストア決済や代金引換、「金融機関での振込・振替」など、いずれの決済方法も増加傾向にあり、需要はいまだに高いようです。

18歳未満はクレジットカードを作れず、クレジットカード決済を選びにくいというデメリットもありますので、決済方法をクレジット一択に絞らない方がいいかもしれません。

クレジットカード決済は圧倒的なニーズを誇る!

クレジットカード決済の選択者は平成28年の調査開始以降3年連続で右肩上がりの傾向で、3年前と比較して12ポイントも上昇しています。

わざわざコンビニや金融機関に足を運ぶ必要がなく、一度カード情報を登録すれば購入がスムーズになるため、今後も高い需要を期待できます。

オンライン決済を不安視するユーザーが増えている

引用元:総務省の調査(平成30年通信利用動向調査報告書)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201800_001.pdf

クレジットカードを使ったオンライン決済は非常に便利ですが、その一方で不安を覚える人も増加している様子。

同調査では「インターネット利用時におけるセキュリティの不安点」についても調査していますが、ここ3年で「不安を感じる」と答える人の割合が8%以上も増えています。特に電子決済に対して不安を感じている人は40~49歳の男性や30~39歳の女性の間で多く見られます。

こういった事情から、最近はクレジットカードではなく、あえてコンビニエンスストア決済や代金引換、銀行振込(郵便振替)を選択する人も少なくありません。
また、Amazon Payや楽天ペイなどと言った外部ID利用者が増えているのも、こういった消費者の意識の変化が関係しているからと推測されます。

主要な決済方法のメリット・デメリットは?

クレジットカード、コンビニ決済、代金引換…etc、それぞれの決済方法にはメリットもあればデメリットも存在します。
それぞれの特徴を比較したうえで、自社のECサイトにとって最適な手段を選ぶようにしてください。

1.クレジットカード決済

ECサイト内でカード情報を登録するだけで決済が可能になるところが、クレジットカード決済の最大のメリットです。ECサイトの運営者はカード会社から翌月以降にまとめて売上金を受け取ることになるため多少タイムラグが生まれますが、一度カード情報が登録されれば次回以降の購入手続きがスムーズになり、リピーターを期待できます。

また、いつどれぐらいの入金があるのかを確認しやすく、資金計画が立てやすいという点もメリットのひとつです。カード会社が EC運営者に立替払いをしてくれるため、代金未納のリスクを減らすこともできます。

そんなクレジットカードのデメリットは、ECサイト運営者側が決済手数料を支払わなければならない点にあります。また、システム利用料や維持費などといったランニングコストがかかることもデメリットです。
第三者による不正利用の発生など、予期せぬ事情で利用者が決済に同意しない時には、売り上げが取り消しになる、いわゆる「チャージバック」が発生するリスクもあります。

2.コンビニ決済

コンビニ決済には商品代金のコンビニ支払いを確認してから商品を発送する「前払い方式」と、商品と一緒にコンビニ払込票を送って、商品到着後に決済してもらう「後払い方式」のふたつがあります。

また最近では商品購入者が予約時に発券された予約番号をもとに、コンビニで決済し、確認後に商品を発送する「ペーパーレスコンビニ決済」を導入しているECサイトも少なくありません。

コンビニ決済の最大のメリットは、クレジットカードを作れない18歳未満の利用者も選択できて販売機会の拡大を見込めることです。金融機関での銀行振込みと違ってすぐに入金を確認できるところも、コンビニ決済ならではのメリットといえるでしょう。
また、前払い方式を選択すると商品のキャンセルや代金未払いのリスクが軽減されます。前述のペーパーレスコンビニ決済を導入すると、振込票作成のコストも発生しません。

そんなコンビニ払いのデメリットは、利用客にコンビニまで足を運んでもらわなければならない点です。払込票を送っても結果的に決済が行わなければ、発送料の無駄になってしまいます。
また、決済代行会社を利用せずに自分で手続きをおこなう場合、システムの連携や審査などの手順が煩雑になる点もデメリットです。特に審査はセブンイレブンやファミリーマート、ローソンなどコンビニごとに申請を出さなければならず、大変な手間がかかります。そのため、多くのECサイト運営者が決済代行会社に依頼しています。

3.代金引換

代金引換(代引き)は注文した商品を発送し、利用者が商品を受け取る際に料金を支払うシステムです。郵便局やヤマト運輸などの運送会社が行なっているサービスで、利用者は商品代金と送料を同時に支払うことになります。

そんな代金引換は商品と代金の引き換えが同時に行われるため、発送中の商品の紛失トラブルを予防できます。また、「クレジットカード情報を入力したくはないけれど、コンビニまで足を運ぶのは面倒」と考える利用者のニーズを満たせます。

代金引換のデメリットは「長期不在による返送」や「受取拒否」のリスクがあることです。配達不在が1週間ほど続くと配送会社の保管期限切れとなるため、返送(または廃棄)されてしまいます。返送の送料や代引手数料はECサイトの運営者側が負担しなくてはいけません。

4.銀行振込(郵便振替)

指定した金融機関の口座に利用者が商品代金や送料を振り込む「銀行振込」は歴史の長い支払い方法で、高齢の利用者に理解してもらいやすい点が大きなメリットといえます。他の決済方法と違って手数料が発生しないところは、運営者にとってメリットのひとつです。

一方、入金の消し込み作業に手間がかかる点や15時以降の入金が翌営業日扱いになるところが銀行振込のデメリット。営業時間が短い銀行への振り込みは、平日仕事をしている社会人にとって不便といわれていましたが、ネットバンキングを利用することで24時間振込が可能となりました。

わざわざ ATM まで足を運ばなくてもオンラインで決済できるため、クレジットカードを使わずにスムーズに決済したいという利用者のニーズを満たせます。

5.キャリア決済

NTTドコモやau、ソフトバンクなどの携帯電話会社のIDとパスワード認証を利用して、利用者に商品代金を支払っていただくキャリア決済。利用者は月々の携帯電話料金と合わせて商品代金を支払う仕組みです。

クレジットカード情報不要のキャリア決済は、学生などの若年層を取り込みやすいところがメリット。個人情報の入力も省略されることが多いため、購入のハードルが低くなり、販売促進を期待できるところも大きな利点です。
リアルタイムで入金通知が届き、各キャリアが商品代金を立て替えることで、代金未回収のリスクが軽減されるため、販売管理を効率化できます。

そんなキャリア決済のデメリットはクレジット決済に比べて手数料が高いことで、1商品につき商品代の1割程度の手数料が発生してしまうこともあります。利用限度額が低めに設定されている点も特徴で、高額商品を多数取り扱っているECサイトにはやや不向きです。

各キャリアの審査基準は他の方法よりも厳しめで、個人事業主は契約できないので気を付けましょう。

6.電子マネー(Suicaなど)

近年種類がますます増している電子マネー。SuicaやICOCAなどといった交通系ICカードが定番ですが、セブンイレブンが展開しているnanacoやイオン系列のWAONも有名です。

電子マネーは還元率が高く設定されることがあるので、電子マネーユーザーを狙いたい運営者にとってはおすすめ。

ただし、チャージしなければ決済できないプリペイド型の電子マネーは高額商品の支払手段としてはやや不便で、利用者が選択しないこともあります。

7.後払い決済

後払い決済とはその名の通り、利用者が商品を受け取った後にコンビニや金融機関で代金を支払う決済方法のことです。
決済代行会社経由で利用者の与信を行い、そこで認証されれば請求書を同封した上で商品を送ります。商品到着後、利用者は商品代金を支払い、決済代行会社がECサイト運営者への代金の清算をおこなう方式が一般的です。

後払い決済は幅広い年齢層の購入者に受け入れられやすいという特性があり、新規ユーザーを取り込むには最適です。決済代行会社を利用すると請求書の発行や支払い催促も代行してもらえるので、運用負担軽減も期待できます。
後払い決済導入後、売上が5~15%増加したECサイトも存在します。

そんな後払い決済のデメリットとして、決済代行会社への手数料が発生する点が挙げられます。ほとんどの決済代行会社は「月額固定費+1決済ごとに発生する手数料」のセット料金プランを展開しているので、自社に合ったプランを選択しましょう。

利用者が急増中の「外部ID決済」とは?

近年の傾向として「外部ID決済」の利用者数が増加の傾向にあります。外部ID決済とは、楽天市場やAmazonなどに登録してある会員情報と連帯して決済する方法です。

利用者はIDとパスワードのみで決済ができるため、クレジットカード情報を入力する必要がありません。また、お届け先などの情報も外部ID決済によっては不要です。

ECサイトの購入率アップにはカートの「カゴ落ち」を減らすことが大切ですが、カゴ落ちの原因がお届け先やクレジットカード情報の入力が「面倒くさい」ことにあります。

外部ID決済を利用することで面倒なカート入力が解消し、ユーザビリティが向上することで売上増が期待できます。また、セキュリティ面でクレジットカード情報を入力したくない利用者も多いため、外部ID決済が支持される要因といえるでしょう。

決済方法が増えるとショップ売上が増える

makeshopご利用ショップ様を対象に調査したところ、多彩な決済方法を導入しているショップ様ほど、月商が高い傾向にあることがわかりました。
決済方法が1種類のショップ様の平均売上を100%としたとき、5種類の決済方法を導入しているショップ様の平均売上高は500%にも及んでいました。

※調査内容:決済代行サービスGMOイプシロンのほか、Amazon Pay・楽天ペイ・NP後払い・Paidy・LINE Payの中から何種類の決済方法を導入しているかによって、併用数ごとの2019年10月の月商を算出。

決済方法の選び方

決済方法の選択肢が多ければ多いほど、幅広いユーザーの獲得を期待できます。
しかし、選択肢が多ければ多いほどその分運営者側に手間とコストの負担がかかってしまうため、ある程度絞り込んだほうが良いかもしれません。
ここからは決済方法を選択するときのポイントを紹介します。

ターゲットの年代に合わせる

たとえば10代の学生など、若年層をターゲットにした商品・サービスを展開しているのであればクレジットカードユーザーではなくても決済できる、代金引換やコンビニ決済を導入することをおすすめします。

反対にシニア層をターゲットにしているのであれば、高齢者にもなじみ深い銀行振り込みを導入すると購入者を逃さず、また決済トラブルを予防できるでしょう。

先述の『通信利用動向調査報告書(世帯編)』によると、多くの年代で男性よりも女性のほうがネットのセキュリティトラブルに敏感な傾向が見られます。女性向け商品を多く取り扱っているようであればコンビニ決済やキャリア決済など、クレジットカードを使わない決済方法を取り入れてみるのもおすすめです。

コストで選ぶ

クレジットカードから電子マネーまで、ほぼすべての決済サービスで代行会社や信販会社、運送会社などに支払う手数料が発生します。

参考までにあげるとクレジットカードの手数料は商品総額の3~5%、コンビニ決済は1件当たり150~300円、代金引換は1件300円、そしてキャリア決済はシステム導入費用がかかります。

1件あたりの金額は数百円と少額でも、取引数が増えれば増えるほど運営者側にとっては大きな負担になるため、極力手数料が少ない決済方法を選択するのもひとつの手です。

代行会社を利用する場合はコスト面も重視したうえで、よく比較しながら決めましょう。

参考までに、makeshop(メイクショップ)での各決済手段の費用を掲載します。
決済手段によって月額+手数料が異なりますが、多くの購買者が利用することが期待できる決済手段であれば、その分売上としてのリターンも大きくなります。
ターゲットの年代・コスト面などで総合的に判断するようにしましょう。

決済手段月額手数料
クレジットカード1,100円(税抜1,000円)3.14%~3.49%
コンビニ決済0円~1,999円:130円/回
2,000~2,999円:150円/回
3,000~4,999円:180円/回
5,000円~:4.00%
代金引換0円280円~/回
後払い(GMO後払い)1,100円(税抜1,000円)4.00% + 150円/回
4.00% + 180円/回
AmazonPay3,300円(税抜3,000円)3.90%
※デジタルコンテンツの販売:4.50%
楽天ペイ2,200円(税抜2,000円)4%
LINE Pay0円3.45%
Paidy0円3.50%
※2021年1月時点の情報です。
※カード決済手数料は課税対象分に別途消費税が加算されます。他決済についても契約時には事前にご相談・ご確認ください。

ECサイトの決済会社を選ぶ4つのポイント

最後に決済会社を選ぶ際、最低限押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

自社のECシステムに対応しているか

ECシステムの構築は主に「パッケージ」と「ASP」がありますが、基本的に利用するシステムに連携可能な決済方法を選びます。

もし標準化されていない決済をシステム連携する場合は、カスタマイズの改修コストが増えるので、費用対効果のバランスを検討する必要があります。

現在のシステムが決済に対応していないでお困りの場合は、ECサイト構築サービスmakeshop(メイクショップ)をご利用ください。
クレジットカードやキャリア決済のほかAmazon PayやLINE Payなどの人気ID決済にも対応しており、CVR改善・売上改善に役立てられます。15日間の無料体験から始められるので費用や準備も要りません。

決済会社の信頼度

手数料の安さだけで決済会社を選んではいけません。決済会社の業績によっては、入金日が遅れることや、破たんし回収ができないリスクもあります。
決済会社を選ぶときは「財務の健全さ」、「導入実績」、「セキュリティ」の3つの視点で判断しましょう。

サポート体制

導入後は決済会社と長く付き合うことになりますので、サポート体制の手厚さはとても重要です。ECサイトは年中無休で稼働していますので、決済においても何かしらの不具合が発生することも珍しくありません。

不具合の原因が決済会社側と自社側のどちらの場合であっても、迅速なサポート力があれば機会損失を軽減できます。

サポート体制の見極めは会社規模(スタッフ数)に比例する傾向にあります。導入前に問い合わせをしてレスポンスの速さや対応の的確さを試してみましょう。

初期コスト・運用コストはどれくらいか

決済システムを導入する際には初期費用(システム導入料)がかかります。そして運用していく中で「月額手数料」と「決済手数料」のランニングコストが毎月発生します。

月額手数料は固定費ですが、決済手数料は1件あたりに発生します。そのため注文件数が多いECサイトだと比例して決済手数料も高額になりますので注意が必要です。

まとめ

いかがでしょうか?ECサイトで満足度の高い6つの決済方法と近年の動向をご紹介しました。
ECサイトの目標がコンバージョン(購入)でありますので、お客様は必ず決済を利用します。
決済方法は年代や性別によっても好みが異なりますので、運営するECサイトのターゲットに沿って利便性の高い決済方法を選ぶことが大切です。

また、オンライン決済に対して不安に思う利用者も増えていることから、「安心」や「信頼性」をアピールできる決済方法は、今後ますます需要が伸びるでしょう。
ECサイト運営者にとっては、決済を利用するための初期コストや運用コストも気になるところです。ただし、コストの安さだけで決済会社を決めるのは「安物買いの銭失い」になりかねません。
信頼できる決済会社を選んだうえで、利用者の利便性が高い決済方法をコスト勘案して選びましょう。

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